現代アートで大号泣!
展覧会で、初めて大号泣しました!
六本木クロッシング2022展:往来オーライ!の作品です。
キュンチョメ «声枯れるまで»
アーティスト キュンチョメはナブチさんとホンマエリさんのユニットです。
展示を見る前に作品の説明を読んでいたので、改名したお2人についての作品であること、ふむふむ、となんとなく内容は分かっていたのですけれど。
映像作品を視聴中、大号泣しちゃったんです。鼻水も垂れて。なぜか?
1人目の方は男らしい名前に違和感を持っていて、男性でも女性でもない中性的な名前を自ら選んだと。親に改名を宣言しても、父親から「改名は勝手だが、元の名前のままで呼ぶから」と言われ、今も尚続いている、とか。少しずつ認知してもらえるように努力している様子。
2人目の方は性転換手術をする時に、痛い思いをして胸を取り、名前を自ら選んだと。親が思いを込めて付けてくれた名前を変えることにものすごい抵抗があったけれど、母親との対話を通して納得して改名できたと。2人はキュンチョメのホンマさんの前で、自分が名付けた自分の名前の説明をしているのです。2人とも名付ける上での葛藤のプロセスを語っていました。ふむふむ。で、それぞれ一通り説明が終わった後に次の場面です。草原でキュンチョメが問います。
キュンチョメ:「あなたの名前は何ですかー?」
〇〇さん:「私の名前は、〇〇です」
キュンチョメ:「あなたの名前はなんですかー?」
〇〇さん:「私の名前は〇〇だー」
キュンチョメ:「〇〇だー」
〇〇さん:「〇〇だー」
ってずっと叫びながらリフレインですよ。
叫んでいる場面よりも少し前から、名付けるプロセス語りから、気づいたら私は号泣してました。止まらないんです。自分でもびっくりです。
エネルギー、清々しさ、思わず感じていたのは、「尊い」。
改名したお2人の表情も関係してると思います。落ち着いていたり、にこやかなのですよ。無理して笑顔作ってない?っていうぐらい。眩しいぐらい。
誰しも生まれた時は自分の名前は親もしくは大人が決めてる人が大多数かなと思っていたものですから。それを成人したタイミングとか性別を変えるタイミングで、自分で自分の名前を決めた訳ですよ。なんて強い自我なんだ、なんて究極の意思決定なんだ。ヘッドホンをつけての視聴なのですが、叫ぶシーンでは映像は無くなりブラックです。そこが凄い演出。聴覚だけが研ぎ澄まされて、ダイレクトに声が耳に響きます。
キュンチョメのお2人の叫び方が、また良い味を出しています。
ほとんどナブチさんが叫んでいるようでしたが、改名した当事者のお2人よりも声が枯れてるようにも聞こえました。時々小さくホンマさんの声が入ってきて。
作品の内容にも驚かされましたし、号泣している自分にも驚きました。映像作品なのですが、私にとっては「これが、パフォーミングアーツなのか!インタラクティブアートなのか!?」って体感しましたー。