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サンディエゴ動物園の魅力

 憧れの地、サンディエゴ動物園
住宅街を抜けると突如として現れる広大な動物園は世界でも有数な中の1つである。約4000もの動物たちがここで暮らしている。


サンディエゴ動物園
● 開園時間 9時〜21時
● 入園料 ・動物園 56ドル
      ・動物園&サファリパーク 約89ドル
      ・動物園&サファリパーク&シーワールド 149ドル
      ・動物園&サファリパーク&シーワールド&レゴランド 207ドル


 胸が高鳴りながら、いざ動物園へ出発!開園時間は夜21時までたっぷりあるので、今日は終日コースに違いない。まずは、入園券を購入。1日あたり56ドル、日本円で約6,000円である。

 日本の動物園は「憩いの場」としての行政的役割があるので、入園料はかなり格安に抑えられている。例えば、日本で1番歴史ある上野動物園は1日あたり600円、年間パスポートは4回行けば元が取れる2,400円。



 サンディエゴ動物園は様々なテーマに分かれていて、100周年記念に新たに設立された「アフリカ・ロックス(Africa Rocks)」 、「エレファント・オデッセー(Elephant Odyssey) 」、「ロスト・フォレスト( Lost Forrest)」、「アーバン・ジャングル(Urban Jungle) 」 など9つのコンセプトがある。
(残念ながら、パンダが昨年に中国に帰国してしまったので見られなかった)

 東京ドーム8個分の広大な場所を移動するにはいくつか手段があるのだが、「Guided Bus Tour」で40分間2階建てのオープンバスに乗ったり、「Skysafari 」というロープウェイで一気に最短距離で動物園の奥までひとっ飛びすることもできる。


 まずは存分に歩きたいので、地図をゲットして最初のコアラがいるゾーンへ向かった。

 

猛烈にかわいいが、どの子も日中は熟睡タイムだったので、夕方に再び撮影しに戻った。ちなみにコアラの熟睡の秘密を知りたい方はこちらをぜひ読んでほしい。


 

 その次はマサイキリンのエリアに向かった。日陰で子どもキリンたちが佇んでいた。インドサイやフラミンゴなどがいて、グルっと周囲を回るとチーターがいた。

 木陰で休んでいるのだが、よく見ると隣の方に身近な動物が一緒に檻の中にいる…



 周囲の外国人ファミリーたちも口々に驚いていた。

「Wow!Dog's here !? 」
「Well…maybe…He eats that…?」

 NO !犬はチーターのエサではない。事情を知らないと確かにギョッとしてしまうかもしれないのだが、実は、ここではチーターと犬が同居している。以前noteにも書いたのだが、チーターの神経質な性格上動物園での飼育下でのストレスの軽減や社会的行動を犬から学ぶ。赤ちゃんの頃から一緒に育つよきパートナーとして、1980年代から最初に取り組みを始めたのがサンディエゴ動物園だったのだ。


 間近でそうした光景や取り組みを見て、とても感激した。
 一緒に遊ぶ姿はタイミング合わず見れなかったが、安心して生活しているのだろうと思うとわたしも嬉しくなった。


 動物園ではいつも同じ行動をしてしまう常同行動というものがある。同じ場所を行ったり来たり、身体をずっと左右に振っている個体などを日本の動物園で見かけたことはないだろうか?そもそも習性として備わっていることもあるのだが、原因はストレスや不安感などと言われている。

 それを打破するために「環境エンリッチメント」という取り組みがある。野生本来の行動や本人の意思を反映できるような環境作りを動物園で行うことだ。海外の動物園では日本と違って動物園をエンターテイメントとして捉えていないため、環境保全や種の保存など研究施設や組織構成が整っている。そうした取り組みの最前線をいくNYのブロンクス動物園は世界の動物園のお手本として評されているのだが、またこのお話もいつかnoteで。

 次に訪れたのは、わたしの大好きなクマがたくさんいるエリア「アーバン・ジャングル(Urban Jungle)」へ。
 しかし、案の定クマたちは見つからない…暑い日中は日陰や洞穴の中で熟睡タイムである。活動しやすい時間帯は把握しているので、こちらも夕方にリベンジだ!

 ヒグマ、メガネグマもユキヒョウもいない中、唯一起きていたのはマレーグマ。高い木の上に登って、全身リラックスしていた。
 な、なんてかわいいんだ!

 森を抜けていくと、パンダがいた「パンダ・キャニオン(Panda Canyon)」は工事中になっていたので、「アフリカ・ロックス(Africa Rocks)」のペンギンが泳いでいる姿を見て、水の音に涼んだ。

 そして、広大で写真に収まりきらない多種多様なサルたちの住む「マダガスカル・フォレスト(Madagascar Forest)」へ突入。
 種を超えて、同じエリアで生活しているサルたちもいて、追いかけっこをしている様子など微笑ましく眺めていた。

 そして、いよいよ「エレファント・オデッセイ(Elephant Odyssey)」へ。ゾウの元へいく前にも、ミーアキャットやサーバル、ケープハイラックスを愛でて歩き続ける。
 途中で疲れて、お土産屋さんに立ち寄ってはアイスを購入。

 念願のゾウたちは柵越しでしか見られなかったが、巨大な敷地内で優雅に過ごしている様子を見て、わたしも安心した。
 やはり海外で暮らしているゾウがはるかに自由でストレスフリーな姿を見ると、全てがそうとは思わないが、どうしても日本の動物園の姿を憂いてしまう。


 例えば、記憶に新しいところだと井の頭自然文化園のゾウのはな子。海外のブロガーがはな子について書いた記事が発端で、嘆願書が作られたことがあった。安全な保護区、クリニック施設がある施設への移送、そして何より群れで暮らす、優しくて賢いゾウの本来の姿を望む声が集まった。

 結局、高齢のため移送の難しさ、資金難も大きな理由で希望は叶わなかった。動物園側の裏事情や日本の動物園がなぜ作られたかの経緯を辿ると、複雑な想いが溢れて止まらないのだが、21世紀の今、日本の動物園も少しずつ変わろうとしている動きも垣間見る。動物たちが亡くなり、縮小していく中、時間と資金の狭間でどう変革を起こしていけるのだろうか。
 遠いサンディエゴのゾウ舎の前でふと考えて立ち止まった。

 気を取り直して、わたしの大好きなホッキョクグマがいる「ノーザン・フロンティア(Northrn Frontier)」へ向かった。
 こちらは巨大なプールと敷地の真ん中でポツンとまったりしているホッキョクグマを発見した。テンションが上がって小走りで柵の端へ行き、望遠レンズを構えた。

 ちょっと待って!か、かわいい!

 そして、外には巨大なホッキョクグマのモニュメントや説明書きが置いてあったので、ウキウキと巨大な本のページをめくった。

 さらに奥へ進んでいくと「アジアン・パッセージ(Asian Passage)」のレッドパンダ(レッサーパンダ)に出会った。
 ここでもさらにテンションが上がって、ササッといつになく素早い動きでキメた。ちなみに海外では「レッサーパンダ」と言ってはいけない。その理由はこちらから!

 そして、「ロスト・フォレスト(Lost Forest)」へ行くと、少し日が暗くなってきた。サンディエゴは19時頃でもまだ明るい。巨大なプールで暮らすカバやマレーバクに出会い、深い森を抜けていくと、ようやく最初のエントランスも戻ってきた。

 そこで、同じく動物好き写真家の仲間であろうおじさんが超望遠を持って颯爽と歩いてくのを見かけた。
 「と、友達になってください!」と言いに行きたかったが、チキンハートなわたしはグッと押し黙った。


 エントランス付近で陽気なミュージックが聞こえてきてのでしばらく楽しんだ。動物園でこんなに気軽に音楽を楽しめるのはなかなかないので嬉しい。そして、再びコアラの撮影リベンジへ向かうと、そこでもショーが行われていた。
 なんだかとても楽しげな気持ちが再び体力を呼び戻し、クマエリアに再チャレンジした。すると、予想通り起きてきたモフモフのクマやユキヒョウに出会った。


 OMG!なんてキュートなんだい!と思わず、外国風に感想を述べた。

 最後にもう1度寝ていたライオンたちに会いに行き、疲れたのでロープウェイに乗って再びエントランス付近に戻ってきた。お土産コーナーへいくと、種類豊富なグッズたちに瞳を輝かせた。
 結局ガイドブックやメダルなど持ち帰りやすいものを購入して、ホクホクの気分で外に出ると、ラストショーが始まった。

 まるでディズニーランドに来たみたいに、クオリティの高いショーに最後の最後まで楽しませてもらった。あまりにも充実した内容で幸せに満たされ、帰りたくないと駄々を捏ねたくもなる。
 大人しく首根っこを掴まれて、21時に動物園を退園した。

 最高だった。
 サンディエゴ動物園、また絶対行こう。

photo : iPhone / 施設、エントラス、お土産、ショーなどの景色
     SONY α7RⅢ , SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM / 動物 




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yuricamera / 寺島由里佳
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