【ワーホリ🇦🇺】時給が倍でも出稼ぎにならないパターン
出稼ぎワーホリ
ワーホリが「出稼ぎ」という言葉と繋げて話されるようになったのはいつからでしょう。
少なくとも私がオーストラリアでワーホリ生活を始めた2022年7月にはそのような言葉は存在しませんでした。おそらく2023年に入ってから、よりコロナも落ち着き、世界へ飛び出す10代・20代の方が増え、日本よりも稼げるというざっくりとした情報が入ってきてからの話でしょう。昨年(2023年)は家族から「最近よくワーホリについてテレビでやってるよ」とよく聞きました。つまりは…最近ですね笑
「出稼ぎワーホリ」として多くのメディアが取り上げた結果、「稼げる」というポジティブな部分を掬い上げた若者たちが多く世界に飛び出し、今では「日本人の若者が困窮して食料支給の列に並んでいる」「仕事が見つからないから今ワーホリに行くのは危険」とネガティブに切り取られたニュースになっていて、「そんな簡単に左右しないでっ」&「そんな簡単に左右されないでっ」と双方に言いたくなってしまうのが正直なところです。
という長い前置きという名の感想は置いておいて、今回は、出稼ぎという言葉で一般的にみんなが描くものに実際のワーホリ生活が当てはまる人もいれば当てはまらない人もいるので、そのパターンをお話しします。
”出稼ぎ”
本来出稼ぎは、居住地を離れて一定期間働きに出ることを指しますが、今回はよく取り上げられている意図も汲んで、居住地(日本)よりも高い給与を得られることを出稼ぎと呼ぶことにします。生活費については後ほど触れますので最後までご覧ください。
ワーホリの勤務パターン
ワーホリと一言に言っても、働く権利を持ったビザの名称なので、過ごし方や働き方は様々です。
ただ、1年間という期限を持った(条件次第で延長可能)ビザではあるので、年俸制で契約される方はほとんどいないと思うので、今回はパートタイム・フルタイム・カジュアルというこの3つの雇用形態に共通する時給制ベースでお話しします。
*パートタイム…勤務時間が週38時間を下回る契約、有給などの手当有り
*フルタイム…勤務時間が週38時間以上約束された契約、有給などの手当有り
*カジュアル…勤務の有無や時間の変更が多い職場でよく適用される勤務形態、雇用主はすぐに契約を打ち切ることも当日の仕事を無くすこともできる 手当無し その分時給は高め
出稼ぎになりづらいパターン2種類
結論から言うと
・日本で社会人を経験した人
・仕事を見つけるのに時間を要する人
具体的にお話しします。
1. 日本で社会人を経験した人
ここでは主に正社員として働いた経験がある方を指します。日本での給与に差があるということは大前提ですが、
例えば、新卒である企業に就職し、5年間働いた後、海外での挑戦を決意し、ワーホリビザで滞在するパターン。
会社員での経験内容によりますが、1年間のビザで日本での正社員時代のようなお仕事をGETできるパターンは多くありません。また、渡航先ではむしろバイト生活がしたいんだという方もいると思います。
時給25ドル(オーストラリアの最低時給は2024年現在$24.1)で週30時間を52週働くとすると
$25 × 30h × 52w = $39,000 =393万9000円 (1オーストラリアドル=101円計算)
となります。
20代後半の日本の平均年収が約400万円ということを考えるとトントン、というところでしょうか。
日本同様、オーストラリアでもここから税金が引かれます(ワーホリビザで年間$45,000までの収入の場合は15%*2024年現在)。
生活する都市にもよりますが、日本よりも生活コストがやや高い(1.5倍と言われています)ことを考えると、給与面では日本での生活の方が高いと言えます。
実際安定して30時間シフトをもらえるかわからない(実際もっと働けるかもしれない)、家探しや仕事探し期間を入れると実際に働く期間はもう少し短いかもしれない、正社員時代と違ってボーナスはない、などと言った不安定要素はありますが、
海外で働くという新しい経験をしながら30時間働くだけで正社員の時と同じくらいお給料がもらえる、正社員の時の方が重責だったな、などと思えば、「こっちがいい!」という方ももちろんいると思います。
これは好みだな、と私自身どちらも経験して思いました。
2. 仕事を見つけるのに時間を要する人
少しお話ししましたが、渡航後、家や仕事を探す期間が少なからず発生します。
いくら高い時給で週何十時間も働けても、その仕事を見つけるまでに何週間・何ヵ月かかってしまうと、その期間は貯金を消耗するばかりです。
実際に私が働いていたレストランにレジュメを渡しに来た日本人の方の中には、「実はもう5ヵ月仕事が見つかってなくて…」という方もいらっしゃいました。5ヵ月滞在できるよう準備してきていたその方はすごいとしか言いようがないのですが、仕事が見つからずに都市を移動したり、最悪帰国せざるを得ないという方もいらっしゃいます。出稼ぎのつもりが…となりますよね。
仕事探しは求人とのタイミングの部分もあるので、100%大丈夫とは言えませんが、事前に準備できることやコツはあるのでまた別の記事でお話しします。
出稼ぎになりやすいパターン2種類
では実際に出稼ぎになりやすいパターンの人です。
1. 日本でアルバイト生活をしていた人
オーストラリアでの最低時給は現在$24.1=約2434円です。土日や祝日は法律上さらに高くなりますので、日本の倍どころではありません。シンプルに収入が高くなるのは当然のことです。
2. 日本で資格や技術(美容師、看護師の方など)を持って働いていた人
オーストラリアでは基本的に給与水準が高いので、日本と同じ仕事をすれば倍以上の給与が見込めます。特に資格を持って働く方は時給$30~40ということも多くあるようです。
職種によって現地の資格が改めて必要な場合もあるので、その点はご注意ください。
以上、こちらがオーストラリアワーホリで出稼ぎになる人・ならない人のパターンでした。
まとめ
たまにシンプルに時給は2倍以上だという話になると「その分生活コストも高いんでしょ」と聞かれますが、生活費が2倍ということはありません。よく1.5倍と言われています。もちろん品目によって「お肉は日本と変わらないなぁ」「卵は日本の倍か」ということはあるので、現地の物価に慣れていく必要はあります。外食等は高いので、使おうと思えばいくらでも使えますが笑、贅沢をしなければ貯金もできると思います。
とここまでワーホリの給与の話をしてきましたが、「出稼ぎワーホリ」という言葉が登場してから、ワーホリの目的がお金である人が増えたように思います。もちろんそれも一つのきっかけだと思いますし、個人の自由です。一方で、海外生活という何にも変え難い経験をしに来ているのに、「稼げる」という言葉を信じてちょっと下調べ不足で来た結果、思ってたのと違う、全然稼げないじゃないか、と落胆してしまって苦しい思い出になってしまうのは勝手ながら少し寂しい気がしてしまいます。
目的はなんでもいい、でもその目的を持って一歩踏み出すのであれば、その目的を達成するためにも、その国のこと(制度やルールや文化など)を知ろうとしてもいいんじゃないかなと思ったのでした。そして住んでみるともっともっと見えるものが増えるよ、というお話しでした。