何度でも、僕らは出会う | 「OWV LIVE TOUR 2023 -MUSEUM-」考察
※あくまで一個人の意見でこれが全てではありません。
とうとう来ました、紫のツアー!
何のことかわからない人向けに説明すると、OWVさんは2022年10月より開催された「STRANGE」というツアーから、どうやらひとつの物語を紡いでいるらしいのです。
今回はテーマカラーが紫色、つまりメンバーカラーが紫の中川勝就さんが主役のツアーですね。
いつも通り、VCRを振り返りながら考察します。
過去ツアーの考察はこちら▽
本noteでは過去公演の仮説を前提とするため、事前に上記のnoteを読むことをオススメする。
TRILER
今回もトレイラー映像がある!
ということでトレイラーはこちら
今回、時間軸が交差するので少し難解である。
いつも通り、VCRを振り返りながら考察する。
VCR①
初めのVCRはトレイラー+各メンバー紹介となっている。
トレイラーでは明かされていなかったが、仮面を被った研究員のような人物は、OWVであると判明する。
ここでのポイントは以下の通り。
・研究所のような施設
・実験に使われている素材たち
・一瞬映る4つの球
・研究所のような施設
仮面を被ったOWVが何やら実験を行っている。
「遺伝子の保存や、エネルギーのバックアップ方法などを研究」しているとのことだが、前作・CASINOでリンゴを作った研究所とは関係があるのだろうか。
・実験に使われている素材たち
リンゴ、氷、カーネーションのようなものが映る。実験に使われているのだろうか。と、ここで次に注目したい。
・一瞬映る4つの球
本当に一瞬だが、4つの球が映るのがわかるだろうか。
よく見てみると、ちょうどメンバーカラーの4色。そして、リンゴ、カーネーションのような花、ゴツゴツした岩のようなもの、水のようなものであると認識できる。奇遇にも、実験に使われている素材と共通するものがある。CASINOではリンゴが、STRANGEでは石がキューブに変化したことから、これらは、キューブになるものを示唆しているのではないかと推測できる。
VCR②
(VCR史上最も長い映像となっている)
拳銃のアップから始まる。
その持ち主は______研究員の恰好をした本田だ。
暗転のち、洋館前で気を失っているOWV。
気が付いた彼らは怪しく思いながらも、洋館の中へ。
暗く不気味な洋館の中を、海外コメディのように身を寄せ合ってオーバーに怖がりながら進む4人。
彼らの後ろを緑の光が横切る。
気配を感じた4人は振り返るが、そこには何もない。
再び歩き出すが、また気配を感じ振り返る。
突然横のガラス扉が少し開き、秀太だけ驚く(他3人は真顔)
開いたガラス扉の向こうに緑の光が消えていく
扉の向こうへ進むとそこには、トレイラーに登場した研究所が。
しかし、だいぶ荒廃しており、様子がおかしい。トレイラー映像からかなり時間が経過しているようだ。
各々、研究所の中を物色し始める。この場所を知っている様子はない。
本田は、灰の中から額縁を手にする。そこには「OWV INDIVISIBLE MUSEUM」という文字が。
浦野は、実験用ボウルのようなものに残った粉末を指にとる。
佐野は、本棚から青い本を取り出し、表紙をなでる。
中川は、3人の様子を見ながら、何か心当たりのあるような顔をしている。
なぜか、中川は、研究所時代の3人の様子を思い出す。
額縁を手にした本田、溶液を混ぜる浦野、青い本を読む佐野。
まるで今の3人は、当時の彼らの行動をトレースしているかのようだ。
さらに中川は何かを思い出し、突然戸棚からジュラルミンケースを見つけ出す。
ジュラルミンケースには、黄色いテープ。まるでがんじがらめにでもしてあったように。
ケースの中には、紫のカーネーションが3本入っていた。
中川はそれを取り出すと、花弁をちぎり出す。
佐野が必死に止めるも、すべての花弁をちぎり終えた中川は、花弁を空中に投げる。
すると紫の光が渦を巻いて出現し、そこへ先ほど4人を導いた緑の光が入っていく。
と、強烈な光と衝撃を発し、光は紫のキューブへと変化する。
3つ目のキューブを手に入れたOWVは満足そうにお互いの顔を見合わせる。
と、ここでcautionのイントロが聴こえてくる。本当に長い。
ここでのポイントは
・銃を突きつける本田
・洋館前で気を失っているOWV
・荒廃した研究所
・「OWV INDIVISIBLE MUSEUM」
・研究所の記憶を持っている中川
・ジュラルミンケース
・紫のカーネーション
・銃を突きつける本田
これはCASINOからの続きだ。
CASINOは、本田が銃を突きつけられた映像で終わる。
あまりにも初見殺しすぎるVCRである。
整理すると、本田が本田に銃を突き付けているという矛盾した状況だが、これは次で解説する。
・洋館前で気を失っているOWV
ここで倒れているOWVは、CASINOの黒スーツ衣装(ジャケットなし)を着用しているため、CASINOに登場したOWVと同一人物である。これを仮にCASINO OWVと呼ぶことにする。
つまり、MUSEUMでは研究員のOWV(仮に研究員OWVと呼ぶ)、CASINO OWVの8人が出てくる。これがややこしい。
先刻の映像は、研究員本田が、CASINO本田に銃を突きつけている、というのが真相だ。
・荒廃した研究所
VCR①に出てきた研究所と同じだが、明らかに荒廃していて、人影もなく現在稼働している様子はない。
ビニールがかけられ、テープで規制されているなど、事件か事故があったような形跡があり、VCR①からかなり長い時間が経過していると思われる。
CASINO OWVのいる時間を「今」とすると、冒頭の研究員OWVがいた時代は「過去」だと言えるだろう。
・「OWV INDIVISIBLE MUSEUM」
額縁に書いてあるこの文字。トレイラー映像ではきちんと壁にかかっていることが確認できる。
一体何の布石なのかわからないが、「INDIVISIBLE」とは、「分けられない」という意味である。
・研究所の記憶を持っている中川
これが謎だ。なぜ中川だけが研究所の記憶を持っていたのか?今回は紫色のツアーで、中川が主人公だから!というと完全なメタ話だが…。
以降は完全な推測である。
筆者はメンバーがそれぞれ特殊能力を持っていると考えている。浦野は「モノを変化させる能力」、本田は「賭け事に勝つ能力」、そして中川は「前世の記憶を持つ能力」。そしてそれぞれの能力が、各ツアーで助けとなってきた。STRANGE前に発売されたシングル、TimeJackerzのMVでも、メンバーそれぞれが超能力を使うような描写があるので、全く根拠がないわけではない。これは中川の持つ特殊能力ゆえなのだろう。
・ジュラルミンケース
CASINOから引き続き登場のアイテム。
ただ、ここで登場するものは、
・研究所の棚から出てくる
・中身が異なる
・CASINOのものよりボロボロである(未来のもののほうが綺麗なのは時系列的に矛盾している)
以上3つのことから、CASINO OWVの持つジュラルミンケースとは別物のようだ。研究員OWVも、ジュラルミンケースにキューブの素材を入れて旅をしていたのだろうか。
・紫のカーネーション
今回キューブのもととなったのは、紫のカーネーションだった。
やはり、VCR①で一瞬映る4つの球は、キューブの素材を示すようだ。
とすると、残された青のライブでは、水のようなものがキューブのもとになるのだろうか。
VCR③
キューブを手にし、研究所を後にするOWV
その後ろ、緑の光が4つ集まり、トレイラーに登場したOWVへと形を成す。
中川の表情がアップで映し出され、フッと笑った顔でエンドロールが始まる。
ここでのポイントは
・緑の光
・緑の光
VCR②でCASINO OWVを研究所へ導き、紫の光に吸い込まれていった光の正体は、研究員OWVの思念体だった。ゆえに、研究員OWVは既に亡くなっている可能性が高い。人ひとりの一生が終わるほど、CASINO OWVと研究員OWVの生きる時代には隔たりがある。
VCR④(東京公演限定)
おなじみの白い空間にいるOWV。
みなが顔を見合わせ、中川が紫のキューブを佐野に渡す。
本田が黄色(オレンジ?)のチケットを見て口角を上げる。
佐野が得意げに微笑み、白い扉へと歩き出す。
ここでのポイントは
・白い扉
・黄色(オレンジ?)のチケット
・扉へ歩き出す佐野
・白い扉
STRANGEに登場した白い扉。
しかし、佐野が踏み出していくのを見ると、STRANGEとは別の扉に思える。
重要なのは白い扉ではなく、この真っ白な空間だ。どうやら、この白い空間は、複数の世界を行き来できる空間らしい。
・黄色(オレンジ?)のチケット
おなじみ黄色チケット。だが、今回はなんとなくオレンジっぽい気がする。小道具を無くして作り直したのならいいのだが、これがもしSTRANGE OWVと CASINO OWVが別人であることを示しているとしたら、作り込みが細かすぎて怖い。
・扉へ歩き出す佐野
次に公開される物語が青モチーフであることを示唆している。言わずもがな、という感じだが、一体どんな展開が、ライブが、待っているのだろうか。
VCRは以上で終わりだが、今回の個人的疑問点を次に記す。
研究員OWVの目的
研究員OWVの目的は、”CASINO OWVにキューブを集めさせること”だと推測する。
研究所では「草木や植物、水、鉱石などあらゆるものを通して、エネルギーの伝達方法や、継承技術を未来へと紡ぐ研究」を目的としていた。
これまでのキューブの素材は、植物、鉱石だ。研究員OWVは自然を保存する方法として、キューブに変換する技術を開発、もしくは調査していたのではないだろうか。
しかし、夢半ばで事件/事故が起き、研究所は閉鎖となった。研究員は亡くなって思念体になってしまい、キューブの研究を続けることが不可能になった。そこで、同じくキューブを集めているCASINO OWVを利用しようと考えた。
(なぜCASINO OWVの存在を知ったかは、思念体として世界をさまよっていたときにたまたま見つけたか、エネルギーを取り扱う研究をしていたので、時空間を移動できる技術を持っているのか、いくらでも説明がつくだろう)
研究員OWVは、CASINO OWVに銃を突きつけたものの、殺してはいない。
脅して、研究所のある場所/パラレルワールドまで連れてきた。それが洋館の前で倒れていたシーンとなる。
つまりMUSEUMのストーリーはこうだ。
CASINOで赤キューブを手に入れたOWV。
しかしそれが研究員OWVに見つかり、研究所跡へ拉致されてしまう。
そこで中川が自らの能力を発揮。研究所に眠っていたキューブの素材を見つけ出し、無事紫のキューブを手に入れることができた。
が、ここまで全てが、キューブを集めさせたい研究員OWVの手のひらの上だったのである。
赤と紫のキューブを手に入れたOWVは、次の旅へと駒を進める____
まとめ
MUSEUMの名の通り、”魅せる”ようなライブ構成であり、物語の”転”となった本ツアー。
今回のモチーフである”カーネーション”
"リンカーネーション(輪廻転生)"という言葉と偶然か必然か、綴りが同じなのである。
何度生まれ変わっても
どんな世界線に存在しても
OWVは本田康祐、中川勝就、浦野秀太、佐野文哉以外あり得ないし、導かれ、惹かれ合い、絶対に4人はOWVになる。”4人でOWV”である。
という思いを込めたのではないか。
いのちの螺旋、記憶の凱旋
何度でも、僕らは出会う
同じ魂の、形をしている限り