舘野ゼミ書評:課題図書「自分が欲しいものだけ創る!」
こんにちは!舘野ゼミ1期生のごうです。
ゼミで課題図書として読んだ本の感想文を記事にします。
今回の本はこちら!野崎 亙著の『自分が欲しいものだけ創る!』です。“市場調査はいらない”、“割引も広告もいらない”という帯が目を引きますね。
そもそも、株式会社スマイルズをみなさんはご存知でしょうか?
立教生であれば、池袋駅の地下通路を大学方面へ向かう途中に、Soup Stock Tokyoがあるのを知っている人は多いと思います。その店舗の運営会社が株式会社スマイルズなのです。
本の概要
スマイルズの事業開発にはとても大きな特徴があります。それは、従来型の市場分析、トレンド分析といったマーケティングは基本的にしないということです。ではどうするのか?スマイルズの事業開発では、次の順序を大事にしています。
センス(価値観への共感)→実業(ビジネス上の価値)→本質(社会的意義) (p.21)
これが何を意味しているかというと、ビジネスや社会としてこうあるべきという姿にとらわれず、自分たち自身がやりたいと思える価値に共感できるかという点からビジネスが始まるのです。
この価値観へ共感をよく表すのが、本書にたびたび登場する「N=1」というキーワードです。アンケート調査などの母数をN=1000 などと表しますが、見ず知らずの1000人の傾向を知るよりは、自分たちが共感できるN=1の意見や価値観を基点にすることをスマイルズでは大事にしています。
課題設定やアイデア発想、事業のブランディングにこのN=1の考え方を用いることで、多くの人の共感を生むビジネスを生み出しているのです。
舘野ゼミにとっての学びになるポイント
「自分自身の欲求や行動の発意を理解せずして、知らない誰かの感情の機微を捉えるのは不可能に近いのではないかと思うわけです」(p.7)
現在、舘野ゼミでは、個人の興味感心を突き詰める個人研究に取り組んでいます。最終的に、アウトプットとしてワークショップなどを行うことが目標です。個性的なメンバーが集まる舘野ゼミですが、研究テーマを考えるにあたって、自分のやりたいことは何か?と聞かれると、答えに窮することもしばしば。自分自身が、本当に欲しい、やってみたいというワークショップでないと、他人にもそう思ってもらうことは難しいでしょう。
この本から、人の心を動かす制作物を作るためには、まず自分たちが何に興味を持っているのか、自分自身について深く知ることの重要性を再認識することができると思います。
舘野ゼミにとっての学びポイント 2
「プロジェクトの大半は課題設定によって決まる
ユニークな課題設定はユニークな解決策を生み出す」(p.77)
「つまらないものを"つまる化"させる」(p.78)
こちらは、舘野ゼミで大事にしている“プレイフル”というコンセプトに合致しています。一見つまらなく見えることでも、その人らしいリーダーシップを発揮して人々を巻き込んでいく、これがプレイフルの価値観です。
株式会社スマイルズの持つネクタイブランドgiraffeでは、義務として着用するネクタイから、欲しいと思わせるオシャレなデザインのネクタイへと捉え方を変えています。
同じ事柄でも、捉え方をユニークなプレイフルなものにすることで、解決策もまた、プレイフルとなるのです。
まとめ
自分の好きや共感を基に事業開発をする株式会社スマイルズのマーケティングは、舘野ゼミの目指す在り方に近いものがありました。
舘野ゼミは自分らしさを活かせる環境であり、まさしくN=1を受け入れてくれる場所ではないでしょうか。ゼミ生はそれぞれ個性的で、そこから何か新しく面白いものを生み出していくためにも、自分の好きや興味を追求することが大切になります。それを企業として体現しているのが株式会社スマイルズであり、そのやり方をゼミ生が知っておくことは有意義なことと言えそうです。
【今回取り上げた書籍】