20190711 藍坊主『燃えない化石』に出逢ってみてほしい
藍坊主『燃えない化石』リリースおめでとう!
発売から一週間、いろんな感情と一緒に聴いている、初期衝動な感想を書き残しておきたい。ずっとだいすきだけど、だいすきなものをだいすきだって、今こそ、言いたい。実はね、ほんとはね、って心の底で伝えたい表現したい、そういう衝動の起こるアルバムだとおもった、『燃えない化石』ってタイトルの通り。
藍坊主のこと「わたしの大事だからわたしが解っていればいいのだ」という前提は変わらなくっても、どこかのあなたに向けて「きっと知らないとおもうから言いたくない」でもなく、「知らないの?!」でもなく、「まっさらな気持ちでこれから出会えるなんてうらやましい、ちょっと試しに出会ってみてよ、わたしの好きが伝わる気がするし伝わってくれたら嬉しい」みたいな気持ちがいつもよりずっと大きくて。それは今回のミニアルバムで今までの藍坊主が点ではなく線で繋がり続けていたことを改めて力強く実感させてくれて、これまでの藍坊主があったから生まれたんだって思える曲たちだから、もし、この曲すきかも!って言ってもらえたら「ああじゃあぜったいこれもすきだから聴いてみてよ!」って自信を持って言えるから。
あと、電波に乗って不意にあなたと出会って欲しいなと思って(だってさーー夏の深夜の高速道路でアンドロメダが流れたら最高じゃんかーーーぜったい好きになっちゃうもん。)ラジオ局とかケーブルテレビとかリクエストしてみたりしたよ。初めてLINEのプロフィールのBGMを設定したよ、アンドロメダ。そして、まずわたしができるのは目一杯伝えてくれたものに、わたしの言葉で文章を残すこと。
早朝、いろいろ整えてよし、って膝を抱えて、形ばかり追いかけないように目を瞑って『燃えない化石』はじめまして。歌詞を目で追いながら二周目。ぐるぐる、ぐるぐる。
わたしはその〝匂い〟や〝手触り〟を、その感情を知っている、っておもう。
ぴったりおなじじゃない、おなじじゃなくていい。
ただ、わたしがわたしのままでいても、そこにそれが在るということが、なにより心強い。
01.アンドロメダ
とにかく!これを!聴いてほしい。これがわたしの大好きな藍坊主です。
〝あなたと あなたを愛する人が いつか星になれたら 同じ星になれたら〟
音がぜんぶで歌っている。ほじさんの歌も、ユウイチさんのギターも、藤森さんのベースも、拓郎さんのドラムも、鍵盤も、流れ星がすーーってうすく細く流れるみたいな音や、右側できらきら光っている音たちも。全部が全部で伝えようと鳴っている。ひとつひとつをていねいにゆっくり読み解きたい。
〝夜に会いたくて〟のとこ、半月酒場で最初に聴いた時からたまらなく好きなとこ。
同じ歌詞なのに、君の横顔を見つめる誰かの気持ちは刻々と変化していって、やさしくて、せつない。言葉は文章になったりメロディになったりしてあなたに届く意味を帯びるんだと思う。
ギターソロがめっっちゃかっこいいし間奏冒頭から一緒に鳴っているベースとドラムも全部かっこいい。半月酒場のアコースティックもめちゃくちゃよかったのだけど、ライブで聴くの、すごく楽しみにしてる。
「星のすみか」の〝僕が消え、遠い未来で、化石になったら、人は僕に何を見るのだろう。分析して、名を付けて、解読をしても、愛した人は僕しか知らない。〟という歌詞は、わたしを何度でも励ましてきた。わたしの好きは誰がなんと言おうとわたしの感情で、ぜったいにそこにあり続けるんだって。恋とか愛とかよりもっと広大なもの。あなたの好きを、どうかそのまま抱えていて。
「星のすみか」のアンサーソングだってほじさんは言った。半月酒場で「星のすみか」は完成した気がするって言っていた。ほじさんが超えられたように、一緒にわたしも超えられた気がしたのです、あの時。「星のすみか」は、武道館のあの星空とお客さんの歓声が圧倒的に残っていて、同時に震災の記憶も、その後のしんどそうな姿も、自分のしんどかったいろんなことも、一緒に思い出してしまう曲。だけど、小田原市民会館での「星のすみか」、半月酒場での(特に博多での)「星のすみか」の光景が重なって、強く焼き付いて、時間が経つってこういうことだなっておもった。もう、大丈夫。
この曲を語る時にほじさんが「匂い」という言葉をよく使っていて、そう、それ!っておもった。
ドーナツの穴が空白か存在を歌ったように。小指の爪と銀河の間には、見つめる間には、存在が在る。
外側で鳴っている・起こっている事象はそれはそれとして事実で、
自分の内側で感じて残ったものもそれはそれとして現実だ、という肯定。
同じところにいても、同じ空気を吸っていても、わたしは星の瞬きを見ていたかもしれない、あなたは夜の匂いで胸を満たしていたかもしれない。それって目に見えなくてもぜったいにある。だから、藍坊主という音楽が好きなのです。
02.ランドリー
〝君が泣くのなら 僕は笑うから 穏やかなままの君でいれるように〟
はじめましての一周め、誰の作詞作曲かってあえて見ないのだけど、見てないのにもーりー!(涙)ってなったよ。歌詞もそうだけど、メロディが音が全力でやさしくって沁みて。あなたが居れば面倒な毎日もあたたかくドラマチックだ。ぎゅっと来てぽろぽろ泣いた。だから、どうかあなたが笑っていてくれますように。
靴下なら笑い話だけどさ、それは遠いようでとても近いところにあるのです、きっと。
そのことをたまに思い出させてくれるような曲。夜を鮮やかにしてくれる〝君が笑うなら 夜も鮮やかだ〟の音の階段を登っていく感じも好き。〝世界を洗ってくれたら、昨日を洗ってくれたら〟で、ちゃんとみんなでゆっくりになってくれるところも好き。〝僕ら次第〟だって、歌ってくれるから、がんばれるのです。涙の向こうへ、かわいた明日へ。 かわいた、は、ひらがな。
いつかアコースティックでも聴いてみたいな。
陽だまりの中で、埃が差し込むキラキラ舞うような場所で。
ぐるぐる回るランドリーの中で洗濯物が乾いてゆくように、だんだん軽さを帯びてゆくかんじ、だいすきな藍坊主。冒頭のほじの高く伸びる声と一緒に高く伸びてく音も。
03.レタス
〝この夜通り抜け また明日へ向かおう〟
この前のツアーや半月酒場でたくさんたくさん聴いて、でも聴くたびにすきーー!ってなって。
足を縺れさせながら走り出したくって止まれなくってしょうがないような、きらきらしていてかっこよくて。わたし、ヒラクちゃんのようにかろやかにごきげんに踊っていたい。
〝鳴らせ心〟に向かう音の息を吸う瞬間がぴったりなところ(わかりづらい)が気持ち良い!
理不尽に、で左から右へ流れてゆくギター、すき!
先日、沖縄に行った時に海を見ながら、藍坊主でこの真っ青が突き抜ける海の似合う曲ってなんだろう?ってなって、友人と順繰りにいろんな曲を流していたのだけど、レタスかも!そうだ、そういえばMVは海だったわ!テトラポット!ってなって。ながくたくさん曲があるのに、最新曲(アルバム発売前)がぴったりくるってすごくないか。今がシャキシャキ!
明日へ向かう曲たちだなって、このアルバムを通して改めて強くおもった。
ランドリーはあした、レタスはあす。
04.マザーツリー
〝諦めないで 優しいままでいることを 独りで隠した涙を この地球(ほし)では希望と呼ぶんだ〟
虫の音がやさしい。あたまの鍵盤の入りも、ベースのやわらかい音の移動も。
トトトト、って小さく刻む音も、そしてほじの声の入りのやさしさよ。
藤森さんってやっぱり天才なんだとおもう。
優しくて力強くて、眩しい。
星はこんぺいとう。
マザーツリーを初めて聴いたのは、「例えばあの曲の話をしよう」、の時だったと記憶しているのだけれども。一度聴いただけで、細かいところは思い出せなくても、曲の手触りや、自分の感じた感情は鮮明に残ってた。今回のアルバムに入るための曲だったとおもうし、今聴けて嬉しい。
〝手を伸ばせ〟で、高く遠くに手を伸ばす。外にいるときは、頭の中で想像する。いつもより遠くに手が届いている気がする。
マザーツリーのギターソロ、ライブで楽しみだな、ふふふーってなっちゃうな。
2番のギターも、めっちゃ!かっこいい。
ラスサビのドラムの刻むリズムに伴う心強さよ、勇気の塊だ。
希望とー!のところ、聴いてない時も頭の中にぶわって蘇る。
あなたの物語、がそこにある。
重ねてきた瞬間はちゃんと時間になって、そこにある。
そう、歌ってくれて、鳴らしてくれて、伝えてくれて、ありがとう。
05.伝説的トリップ
〝しかし相手はトリッパー〟
銃を撃ったのは右側からだろうか、左側からだろうか、と考える。
意識は右側にある、気がする。
イントロ、左右からそれぞれ聴こえてきてバチッと決まって両耳から出てくるの。すでにやばい。ほじの声質も他とちょっと違う気がする。ドラムのパキッとした音の響きの気持ちよさと、ギターのカッティングとベースの音の絡みが特に好きな曲。ギターソロの入り方よ!思い出は早く駆け巡る。のまえのとこよ!
曲タイトル発表された時に絶対やばいやつって思っていたけど!やばすぎて声上げて笑った。ばっきばきのじゃっきじゃきで最高!音ちょっと違うなっておもったらアンプがいつもと違う子のよう。だいすき!サビの浮遊感も気持ち良い、ライブで聴いたらぜったいやっばい、超ーーーたのしみ。
撃鉄を弾く音の余韻(だと勝手におもっている)ギターからのドラムの音もすき。
〝しかし相手はトリッパー〟のささやき声からのギターの流れ、ぞくぞくするー、やばいでしょう。いや、ぜんぶやばいけど。
正解の時間ではなくて、それは瞬間だったとしても伸びたり縮んだりして永遠にも一瞬にもなるのです。だって時間ってぜったい伸びたり縮んだりしてる。音の届く速さも伸びたり縮んだりしている。音の余韻の一瞬まで気が抜けなくて好きな曲!わーーーい、すき!
06.魚の骨
〝神様は見てるよ 見てなくても知ってるよ 君や僕がどれだけ 頑張ってきたかってことを〟
やさしくやさしく寄り添うような、背中に手をそっとあててくれるような。ひとりだけどひとりじゃない。堪えて、踏ん張って、頑張っているあの子に聴いてほしいな。
〝それでも君は僕を引っ張り続ける〟という歌詞を最初に聴いた時、上に持ち上げられる気持ちがした。最後まで聞いて、先へ引っ張られてるのかも、ともおもって、でも上でもいいな、っておもった。
喉に刺さった骨を抱えたまま毎日を生きている。
気づくと不意に思い出して苦しくなったりするけど、でも、君がいるから、大丈夫なことってたくさんあるのです。それは藍坊主の存在だったりするのです。
〝夜を泳ぐ〟のって気持ち良いよな、泳ぎたいな、ゆらゆら、クラゲみたいに。
「スプーン」で歌った当たり前のしあわせを。
07.胸を打つのは
〝胸を打つのは 無謀を殴るハンマー〟
これだから藍坊主のことだいすきなんだよ!!!!ってにこにこしてしまうーーー!
楽しくって笑顔が弾けてしまうライブが想像できることが嬉しい。あーぐっちゃぐちゃになりたい!
〝戦えるならまだやれる/まだやれるー!〟のところ、聴いてない時も、頭の中でずっと鳴ってる。
しんどい時に〝宇宙が広がるスピードで〟で自分を奮い立たせた時のことを思い出す。
何もかも自分で選び続けているんだってことを受け止めて、それでも上を向く。
コーラス、1コーラス目聴いて、わあ!っておもって、2コーラス目でもう一緒に歌っていた。おおおー、って歌いたい!練習してツアー待ってる!
コーラスの終わりにマイナーコードに転じるところ、毎回これでもかってぐらい気持ちがぎゅっとはかなくなって、藍坊主が凝縮されていて最高にすきなの。
CDにもライブにも終わりはあるけど、さみしい気持ちにもなったりするけれど、でもこのアルバムは寂しくない!またアンドロメダに戻る。曲順もすごく好き。
余談だけど、ミニアルバムって一般的に言ったら曲数的にはそうなんだろうけど、ミニってなんだ。全然ミニじゃない。感情が全然ミニじゃない。そういう尺度じゃないんだ!!!!!ってなる。
ツイッターにも書いたけれど、こんなにずっと新鮮にだいすきな藍坊主に出逢えたことが、心からだいすきだって言える藍坊主で在り続けていてくれることが誇らしくて嬉しいのです、たくさんありがとう。いちばん笑顔になれる居場所。生き抜ける心強さを、言葉にできない感情の色と音の揺らぎを、いつもありがとう。
タイミングってきっとあって、だから、初めまして、や、久しぶり、の出会いがたくさんありますように。
8月からはツアーです。ツアー、楽しいよ。音が目の前で鳴って、わーーってなるよ。
ツアー楽しみだなーーーーーー!!!!
20190716 しえら
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