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第二十三話「食品衛生責任者講習修了証と名刺」2024年6月22日土曜日 晴れ
シェアリングコーヒーショップ出店には食品衛生責任者資格が必須だった。ガイダンス終了後すぐにeラーニング講習を申し込み受講を開始した。
約6時間のスライド講習と章立てごとの確認テスト。テストの問題数は各5問。資料を見ながらの回答でよいので難易度は低いが、各章立てのスライドを視聴しなければテストは受けられない。失業中とはいえ合計6時間の視聴時間確保は難しかった。それでも何とか視聴を完了し、修了テストにも合格できた。
内容も有意義だった。10年近く飲食業にいる。今更常識的な部分も多々あったが、食中毒をはじめとする健康被害の深刻さを深く知れたのは重要だった。シェアリングコーヒーショップだけでなく、ワークショップや今後もし自分の店を持つことになる時の食品衛生への気構えが作れた。
ほどなくして修了証が届いた。そして同時に名刺も届いた。無料起業セミナーの講師が言っていた『夢名刺』だ。
自分の夢を語り、味方を作るための名刺。
50過ぎのおっさんが夢を語るのはどうにも気恥ずかしい。夢という言葉には、大きくて、純粋で、真っ白で穢れのないイメージがある。若者の特権でもある。
自分を卑下するつもりはない。自分が矮小で、不純で、黒く汚れているとも思わない。いくつになっても夢は持っていいはずだ。そういう同年代を応援する気持ちもある。心からそう思う。思うが、自分ごととなると『夢』という言葉は、どうにも座りが悪い。性分なのだろう。
だから私は、『夢』でなく『仮』とした。
組織名と自分の役割部分に(仮)を付けた。
『仮』を『真』に変えられるように努めよう。
名刺の枚数は50枚。
配り終えたら、次の名刺を作る。その時『真』になっていなくてもいい。
しかし少しでもそこに近づいている名刺を、新たに作ろう。