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モデル体型ではない。


私自身、ダイエットをしたことがありませんでした。

それは自分の体型に満足していたからではなく、
特に気にしたことがなかったからです。

幼少期からバスケットをしていたこともあって、
運動は日常であり、私の一部です。

怪我などで数ヶ月練習を休むことがあれば
体重や見た目に変化がありましたが復帰すればすぐに元に戻りました。

なので自然と「痩せなきゃ」という気持ちにならなかったのだと思います。



「ファッション誌に出てみたい」
私は小さい頃からファッションなどの世界に興味がありました。
なんとなく少し背が高かった私は、
「いつかモデルやってみたい」と漠然と思っていました。


実業団選手を引退して、
この先何をしようかと考えていた時、
「モデル事務所にオーディションを受けてみよう」
と思い始めていました。

バスケット選手のセカンドキャリアというと
引退後にコーチになる人が多いと感じていた私は、

「モデルなんて、ある意味有名になれなければ真っ暗な世界だし、先も見えない、怖い。
でも、やってみないと分からない。
とりあえず挑戦してみよう。」

そう思い、色々と悩んだ末、モデル事務所のオーディションを受けることを決めました。

モデル事務所に関する知識が何もなかった私は、インターネットの情報をもとに色々と探してみました。
モデル事務所と芸能事務所の違い、目的が異なることなどもそこで初めて知りました。

友人にも相談に乗ってもらい、ある事務所に書類を送ると、ありがたいことに数日でその事務所から連絡があり、直接面接を受けることになりました。

バスケットを引退してから若干体重も減っていた私は(おそらく筋肉量の減少)、
「いけるだろう」となんとなく思っていました。


しかし実際は、自分の想像とは全く逆のものでした。

オーディション当日、電車に乗りながら緊張しつつも、直接会いたいと言ってもらえたことが嬉しくて、届いたメールを何度も見返していたのを覚えています。


まず、簡単に自己紹介をし、確か体重計にも乗りました。
それから簡単な面談を行った後、自分の写真を見てもらい、直接私を見てこう言いました。


「もっと体重を落とさないと無理」
「この辺の、顔のこのあたりももっとなくせそう(顔の脂肪のこと)」

そう言われました。


「あ、私今のままじゃダメなんだ。」
「痩せないとダメだ。」
「私、全然ダメだったんだ。」

単純にそう思いました。

モデル事務所のオーディションだったので、私は手足が見えた方がいいのかなと思い、
私服とは別でごく普通の短パンとTシャツを持参し、
最寄りの駅で着替えてから事務所に向かいました。
しかし、それも私の的外れだったようで…。

「もうちょっと洋服にも気を配った方がいい」
と言われてしまいました。

面談が終わり、今日着ている服が私の私服のセンスだと思われたことも悔しくて、その場で私服に着替えさせてもらいました。
すると、
「なんだ、お洒落じゃない」と言ってもらえ、
このまま「ダサい人がきた」という印象で終わらなくてよかったと思いました。

最後にお礼を伝え、私は事務所を出ました。

結果的にいうと、
「今のままではモデル体型ではない=不合格」
という感じでした。
しかし、私は駅に向かいながらワクワクした気持ちでいたことを覚えています。


「絶対に結果を出して、見返してやろう」
と思っていたからです。


冷静に考えると、かなりはっきりと言われ、
私自身も心が折れるかなと思いましたが、
私は逆に、心に火がついたような感覚でした。

そしてこの日を境に、
私の「終わりのないダイエット生活」が始まりました。



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