ソナチネ
邦画に専ら疎いので、何か新しい出会いがないかと思っていたら薦められた1本。
所謂タケシ映画の入り口だった。
どうやらビートたけしの作品はサブスクもネットレンタルもなく、DVD屋に行かないと観られない映画らしい。そもそもアナログなDVD屋に縁がない自分には手にするまでの一挙手一投足すら初めての経験だった。
まず、私はこの映画を過去に見たことがある。
小さい頃親の横でワンシーンだけ見た。そのワンシーンがヤクザのグロい部分で、以来不快映画だと思ってた。
およそ10年越しにソナチネと対峙して、当時自分を満たした不快感は今となっては大したことなくて、むしろその先にある美のための礎のように感じた。
この映画を紹介された時、この季節(夏)に見るべき映画だと強く念押しされた。タケシブルー、空の描写が壮大で夏の物語だからだろうか。
でもなぜか私はこの映画を冬に見たいと思った。
物語でいったら夏だけど、美のベクトルで言ったら冬を向いてる気がする。どう思うかは実際に観て確かめて欲しい。
この「美」が何を指すかというと、
ストーリーの起承転結と同じくらい、場面の切り抜きの情緒を大切にしているところだと思う。
大したことないワンシーンからひと夏の、のちにすごく大切な思い出になるような香りがする。
でもそれって、綺麗なものじゃなくて
「真っ青な空に薄暗い生臭そうな人間」みたいにすごくアンバランスなものばっかりだった。
初めはそれがすごく気持ち悪かったのに、最後にはその味が好きになってる。
ナポレオンダイナマイト見た時と似た気持ち。
すごく抽象的な感想しか出ないから、もしソナチネの感想を持ってる人は教えてほしい。