見出し画像

電照菊の夜

煙草の匂いしか思い出せない

星の子と同じ口癖で 僕の頭を撫でた
退屈だと言うと 僕の鼻をつまんだ

真理を尋ねると 微笑んで
スーパーボールの星空を聞かせてくれた

己のことは必ず最後で
いつも誰かを想っている

家に帰ると白くなっていて
最初は誰だか わからなかった

失っていく中で手放したくない
遠くて 遠くて 隣にある場所

似た者同士 それが嬉しくて
似た者同士 すこし悲しい

いつだって探しに来てくれたのに

煙草の匂いしか思い出せない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?