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#1 ぺカンペ(ヒシの実)を採って食べてみる

皆さま、はじめまして!
ぺカンペといいます。

「ぺカンペ」とはアイヌ語でヒシの意味です。
湖や沼などの水面に浮かんでいる植物で、秋ごろになるとトゲのある実をつけます。

殻を外して火を通して食べるとほくほくした食感でおいしいです♪

さて初回は、このぺカンペを採って食べたときのことについて書こうと思います。


ペカンペってこんな植物

ぺカンペは「ベカンベ」ともいいますが、アイヌ語ではパ行とバ行の区別がないためどちらも同じ意味です。
このぺカンペ、私は採って食べるまで間近で見たことがありませんでした。
こんな見た目です。

水の上に浮かんで生えています
これが実(上の写真の状態からひっくり返すと裏側についている)


河口などで探すと緑一面に川面を覆っていたりします。


今回は、とある場所で許可をいただいて採ってきたものを食べます。

採りに行ったのは9月頭ごろ

文献で調べた内容も参考に、①塩ゆで、②白米に混ぜて炊く、③ラタシケプ(混ぜ煮のような料理、今回は家にあったトウモロコシと混ぜて煮た)の3種類で調理してみることにしました。


まずは茹でて殻をむく

処理もゆで加減も手探りでしたが調べながら茹でてみます。
一晩水につけてから、塩を入れた湯で15分茹で、水にとりました。

生だと指にささる気合いを感じたトゲがだいぶマイルドになったので、三角形の実の長辺2か所を切り落とします(包丁で切れる)。

ここともう一辺Vの字みたいに切ります

するとぱかっと殻を開けるので中の実を取り出します。
これで下処理完了。

食べてみる

それぞれ調理して、食べてみました。

①塩ゆで
でんぷんの風味と固ゆでのジャガイモのような食感、薄めた磯の香り(なんでだろう)を全て足したような味。クセはほぼない。

②ぺカンペご飯
ヒシのほくほくとした食感が美味しい。

③ラタシケプ
トウモロコシとよく合う。ヒシが煮溶けている部分は少しざらついた口当たり。

という感想でした。
総合して、アク抜きの必要もかたい殻を割る必要もなく(オニグルミやドングリに挑んだ過去からこの感想が…)、食べやすい食材だと感じました。
おいしかったです。

地名にも

ちなみにぺカンペつながりだと、道東の厚岸町には別寒辺牛(べかんべうし)という地名の場所があります。
いくつかの説がありますが、ペカンペウシイ(pekanpe-us-i)で〈ヒシ・多い・所〉という意味だといわれています。

なにかを調べているなかで出会ったアイヌ語から地名の由来をたどってみるのも面白いです。
地名を調べるのには北海道庁のページが使いやすい。別寒辺牛の由来もこのリストから。
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ass/new_timeilist.html

それでは。

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