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#4 ドングリ渋抜き挑戦回!!

こんにちは、ぺカンペです。

今回はドングリ挑戦回です。
数年前の話ですが、思い出しながら書いてみようと思います。
アイヌ文化からはやや?脱線します。

アイヌ文化でのドングリ

私が調べていた限りでは、アイヌ文化のなかでドングリは特にメジャーな食べ物ではない(地方(あるいは聞き取りをされた方)によって「渋いから食べない」と書いてあったり、「拾ってきて渋抜きをして食べた」と書いてあったりする)のですが、個人的に興味があり、自分で加工して食べられるものなのか挑んでみたくて調理しました。

ちなみに「ドングリ」はアイヌ語でニセウといいます。

渋くないドングリもある

「ドングリ」とひとくちに言っても特定の種を指すわけではないため、シイの仲間、ミズナラ、カシワ、クヌギなどなどたくさんあります。
シイの仲間のマテバシイやスダジイは渋みもなく、炒ったりしてそのまま食べられます。
ほんのり甘くておいしいので好きです。

大きい方がマテバシイ、小さい方はシイの仲間の何か↓

マテバシイは渋みもないがそこまで甘くもなかった。大きいので食べ応えはある。


ただし今回はミズナラのドングリを食べる

しかし・・・
今回挑むのは調べた感じかなり渋そうなミズナラです。
なぜなら土地柄よく見かけるドングリの木がこれだから。

ということで10月半ばに近場の公園を歩き回って実を集めます。

これが葉っぱ(のはず)

虫だし(芽が出てきた)

水につけて、虫だしをします(効果があるかはわからない)。水を取り替えながら一週間くらい置いていると、虫は出てきませんでしたが芽が出てきそうになったためそこで水につけるのは終わりにしました。

殻を外す

続けて、包丁で栗の鬼皮を剥く要領で殻を外します。殻は栗よりも柔らかい印象でした。
一つひとつが小さいのでちまちました作業…。ドングリの殻斗(ぼうし)がついていた側を切り落としてから、縦に殻をはぐようにすると剥きやすいという今後出番があるかわからないテクニックを編み出しました。

剥く前
剥いた後
160g強は殻の重さだった

渋抜きスタート 渋い!!!

たっぷりのお湯で何回か水を換えて煮立て、渋抜きを試みます。
渋皮は火が通ると勝手にぺろっと剥がれてきました。
煮汁がやや濁った茶色に…湯気のにおいからして渋い。

渋抜き前
渋抜き初日の様子
最初の頃の見た目

最初はコリコリした食感で、色は白っぽかったです。
何度か味見してもドングリ1/4個でそれ以上口に入れたくないレベルの渋さとえぐみを感じたため水につけて冷蔵庫で放置しました。

えぐみがあるものの、口に残るというより食べた時の一過性な感じのえぐさでした。

1日1回以上は煮立て、朝晩水を替えて冷蔵庫に入れて渋抜きを続けます。
何度も煮るうちにざらっと崩れるような食感になりました。色は中まで褪せた薄茶のような色に。

めっちゃお湯が茶色くなる

渋抜きおわり

渋抜き4日目。
どんぐりの後味はあるものの渋さをあまり感じない程度になりました。
個人的にはちょっと微妙な味(渋さがやはりある)だなと思いましたが、ほかの人に食べてもらうと「普通に食べられる」との感想でした。

晒していた鍋のふちが薄茶色の何か(アク?)でねとついていました。

ニセウラタシケプを作ってみる

そのあとは、萩中美枝ほか『日本の食生活全集48 聞き書アイヌの食事』農山漁村文化協会、1992 p43 よりレシピを引用し、ところどころ手に入りやすい材料に置き換えつつニセウラタシケプを真似て作ってみました。

【使った材料】
渋抜きしたドングリ、水煮にした金時豆、缶詰トウモロコシ、上新粉、塩

①ドングリ、金時豆、トウモロコシ、水を入れて煮て、汁がひたひたになるまで煮詰めます。塩も少し入れました。
②そこへ上新粉を水溶きし、はしでかき混ぜながら火にかけた鍋に加えます。すぐにとろみがついてもったりしてくるので焦げ付かないように混ぜ続けます。
③粉に火が通ったら完成。

加熱中。真ん中に見える茶色っぽいものがドングリ

味の感想

上新粉と金時豆の味が勝っており、煮溶けたお汁粉のような味がしました。おいしい。
煮崩れていないニセウにあたると独特の味を感じますが、渋みはないように感じました。

うっすら塩味をつけただけなので、追加で塩をふっても、バターを落としてもおいしかったです。本来は脂を入れますが、手に入れにくいのでバターで代用しました。

トウモロコシの甘みと食感がアクセントになる

後から分量を見直すと全体量に対して上新粉を入れすぎている(元の分量が匁で書いてあり、グラム換算に失敗していた)ため、恐らくレシピのラタシケプより粘度が高く、もちっぽくなっていました。まあそれはそれでおいしかった。

全体を通しての感想

渋を抜くための煮沸と水晒し&水換えをしている期間がとにかく長かった記憶があります。
2日程度続けたところで、この方法では永遠に渋が抜けないのではという考えが頭をよぎりましたが、4日目で食べられる程度まで渋くなくなってほっとしました。
渋抜きも、渋みのもととなるものの性質によって、丸ごと水にさらす方法だけでなく粉にしてさらしたり、灰汁をつかったりする方法もあるようだったので、もっといいやり方があるのかもと思います。

今回は少し番外編でした。それではまた!

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