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夏摘み紅茶について
せっかく福袋を購入したので、テイスティングの記録をつけておきたいと思います。いつもは同じ種類の紅茶を比べますが、今回はちょっと違った視点から。夏摘み紅茶比べです。
ドアーズ クオリティー 2020
ドアーズの夏摘み茶。
以前の福袋で2017年のものに遭遇していますが、さすがに当時の味を事細かに思い出せるわけではない(というか万が一覚えていても3年も経てば好みは変わる)ので、自分の中のドアーズのイメージはいったん捨てて、純粋にテイスティングを楽しめたらと思います。
ハティアリ クオリティー 2020
アッサムの夏摘み茶。
そういえば、アッサムの説明書きで「ミルクを入れても」「ミルクをたっぷり加えて」のような文言がないのって珍しいのでは?もしかしてこれは、ストレートでおいしいアッサムなのかも…と期待大。
香りの比較
入れる前の状態でハティアリの香りを先に試してみたところ、「思ったほどアッサムっぽくない」感じでした。
アッサムの香りは「大地のような」と表現されることが多いですが、わたしは「強すぎるなあ…」と思ったり、時には少し土くさいと思ってしまったり、ネガティブに捉えがちな香りなんです。でも、ハティアリに関しては、そういうアッサム独特の強さを感じさせない茶葉でした。
むしろ、ドアーズの方が「大地のような」と表現したくなる香り。飲む前の印象では、ハティアリよりもドアーズの方がどっしりした味になるのではないかと思われました。
実際に飲んでみて
左がドアーズ、右がアッサムです。蒸らし時間2分で仕上げました。
↳いれたてアツアツの状態では
味を感じるタイミングは、どちらも同じくらい。後味は弱めで、口に含んだ最初の印象が一番おいしい。香りのイメージとは反対に、ドアーズはまろやかめ、ハティアリはやや強めなお味でした。
↳温度が下がっていくにつれ
ぬるくなっていく過程で、それぞれの個性が目立つように。
ドアーズは、どんどん後味の甘さが際立っていきます。
アツアツのときに感じた「口に含んだ最初の味」は徐々に薄れていき、あとから甘みが出現。これまでに飲んだことのある茶葉では、下記投稿に収録した2019年のディコム クオリティーが近いかもしれません。
ディコムほどではないにしろ、「メープルシロップのような甘さ」と言う表現が、あながち間違ってはいない味。
ハティアリは、「良い意味での渋み」が現れてくるようになりました。これぞアッサムらしさ。
ミルクを入れてもおいしいのだろうけど、わたしがこだわる「ストレートで楽しむアッサムティー」にも、対応できる茶葉です。
↳冷めると
季節柄、常温放置で「冷え冷え」にはなりませんが、あたたかみを感じない温度になったタイミングでの感想。
驚いたのはハティアリです。
温度が下がってくるときにどんどん渋みが出たので、冷めたら渋すぎてわたしの好みではなくなるだろうと予想していました。ところが、なんとこの茶葉、渋みの出方が止まるんです…!
冷めても、「渋くてたまらない」味にはならず、おいしい渋さをキープしている。そんなアッサム、聞いたことない。この、ほどよい渋さはアッサムというよりも、夏摘みダージリンのそれに近い。
※ただし、七志野はアッサム経験値が低めですので、悪しからず。
一方ドアーズは、冷めるとピーク時のおいしさではなくなる、一般的な紅茶でした。ハティアリの感想を先に書いたから劣ってる風に見えるかもしれませんが、こっちが普通の在り方です(笑)念のため。
普通の在り方とは言ったものの、最後まで渋みが出ることなく楽しめる紅茶って、セイロン以外の茶葉では珍しいかも。やっぱり、クオリティー(=旬の紅茶)ならではの魅力があるように思います。
△の視点から
今回の飲み比べでは、普段の好みから言うとドアーズの方が舌に合っていました。アツアツ~あったかぐらいが一番おいしい、夏でもホットで飲みたい紅茶。
ただし、なんじゃこの茶葉!おもしろい!とわたしの興味を誘ったのは、ハティアリでした。前述のようにアッサム経験値が低めなので、その分、沸点も低い(感動しやすい)のですが…
それを抜きにしても。
だって、香りはそこまでアッサムっぽくなくて、飲んでみると、アツアツ~ぬるめは「THEアッサム」なのに、冷めたら平然と夏摘みダージリンみたいな顔してるんですよ、この子。
結局あなたは何者なの!?って思いませんか。わたしは思います。
あ、ちなみにこれを書きながら、出がらしの茶葉の香りを確かめたら、ドアーズが黒糖みたいになってました。ハティアリばっかり面白がってたけど、ドアーズの潜在能力も侮れない。
とってもおもしろい茶葉に出合えました。福袋様様!
最近はスローペースで味わうのが性に合っているため、あまりポンポンと新しい飲み比べを公開することはできないと思うのですが、ゆっくりご紹介できたらと思います。
紅茶がお好きな方は、ぜひ、このマガジンでまたお会いしましょう。
七志野さんかく△
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