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「ストレートは変化球?(1月15日)」

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野球では、ピッチャーは様々な球種を投げ分けて、バッターを翻弄し、討ち取ります。
一流の選手の条件は、ストレート(=直球)が
しっかり投げられることなんです。

でも、このストレートって、じつは「変化球」らしい。
というのは、あなたが何も考えずにボールを投げたとする。
すると、ボールは真っ直ぐではなく、山なりの放物線を描く。
敢えて名付けるなら「ナチュラル・カーブ」なんです。

じつは、ピッチャーは放物線を描かないように、ボールの持ち方や指からの離し方を工夫して、わざわざ「ストレート」を投げるのだそうですよ。

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楽器の演奏でも、これに似たことが言えます。
たとえば、音階で低音から高音へと旋律を上げて行くと、自然に"Crescendo(次第に強く)"となりやすいし、反対の向きだと、"Decrescendo(次第に弱く)"が掛かる。

また、スラーやブレスで区切られた旋律では、最後のほうの音の長さが、微妙に短くなりやすいなど、演奏の中で、無意識にアーティキュレーションしていることがあります。

楽譜を見ていると、予め作曲者から、演奏者がそうなることを見越し、上行では"Crescendo"、下向きで"Decrescendo"と強弱記号を指示している場合は良いのですが、中には、わざわざ反対向きの強弱を演奏者に求めている場合があります。これが厄介なんです。

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本当は、旋律の動きと強弱などの表情付けは別物なのに、無意識のうちに「ナチュラル・カーブ」になっている。
いわば、演奏を自分でコントロールできていない部分なんです。

毎日の基礎・音階の意義は、この「ストレート」を正確に投げることが出来るようにするため。

私も、必ず毎日やってます。
あなたも「基礎練習」で「音楽のコントロール」を学んでくださいね。

(MIYABI)


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