矢花さんからの宿題⑤
毎度恒例の矢花さんへ勝手に返信する壁打ちnoteの時間の始まりです。
と言っても今回は私の好きな作品をベースに書いていきます。
あくまで個人の考察・感想なので優しい目で見てね!
今回はちゃんと着陸したい…
私はSF系の話が大好きです。なぜなら好きなように考えられるし、自分の妄想が否定されないし、何度でも考察できるからです。
そして映画を見た帰り道、ぼーっと考えたり、ブログなどで自分の考えをまとめたりひたすらその世界に浸っています。
「私は好きにした、君らも好きにしろ」
これは私の大好きな、私の人生を変えた「シン・ゴジラ」に出てくるセリフです。
クリエイター、特にアンニュイなファンタジー系の作品を作るタイプの方はこの考えの方が多い気がします。このセリフ本編では全然違う使われ方してますけど。笑
ファンタジーってものは現実には存在しない、経験では補えない部分がどうしてもあります。だからこそ、その余白を大切にしたりわざと残し、受け手の想像力を使ってその作品の深みを出すようにしているのです。多分。
皆さんは「シン・ゴジラ」の総監督である庵野秀明をご存知でしょうか。
庵野秀明といえば「ふしぎの海のナディア」、「エヴァンゲリオン」シリーズ「彼氏彼女の事情」「ラブ&ポップ」「シン・ゴジラ」これから公開される「シン・ウルトラマン」などを生み出した日本を代表するクリエイターです。
その中でも特に有名でザ・代表作!なエヴァンゲリオンは、庵野秀明が「好きに作」って我々視聴者に「好きにしろ」と投げた作品ではないかと思っています。
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」はより顕著にそれが出ていると私は思っていて
ネタバレになるので詳しくは書かないのですが、最後のシーンは人によって受ける印象やメッセージが違うと思います。
またあれを見て、納得できないスッキリしないと思った視聴者もたくさんいるでしょう。
しかし庵野秀明としては、綺麗な幕引きだったわけです。僕が作品に込めたいものはきっちり詰め込んだ。だからほら好きに見ろ、みたいな。
その後色々あって作られた新劇場版(特にシン)は、テレビアニメ版・旧劇版に比べ説明的で“わかりやすく““スッキリした”ものになっていたんですよね。庵野秀明自身がエヴァともう一度向き合い『さようなら』をするための作品であると同時に、そのようなわかりやすくスッキリした作品をこのご時世求められている結果とも言えるでしょう。
20年以上考察し続けたオタクとしては、シンを見て答え合わせができて嬉しいような、でも考察できる余地がなくなって悲しいような、複雑な気持ちになったのです。言うてまだ謎が残ってるんですけど。
他にも新海誠監督の「秒速5センチメートル」の終わり方はぼんやりとした含みがあるもので、ハピエンかバドエンかわからん!と好き嫌いがハッキリする作品でした。
しかし同じ深海誠監督の作品で、「秒速〜」と似ていると言われる「君の名は。」はかなり直喩的で、多分ハッピーエンドだろうと視聴者が思える作品でした。それもあり「君の名は。」は前者に比べ受け入れられやすく、あれほどの人気を得たのではないかと思います。
そしてここ数年爆発的な人気を誇った『鬼滅の刃』は、かなり事細かに説明した、矢花さんが言っていたようなもののお手本のような作品だったと思います。
鬼滅は『今から誰を倒すためにどんな技を使いどんな結果になるか(なりたいか)』を最初に説明してくれるわけです。終わった後もエピローグをちゃんと挟んでくれる手厚さ。あれのお陰で、幼い子にもよくわかりあそこまでの人気をえられたと言われています。
そしてこの“わかりやすさ”“受け入れやすさ”が大切にされているのは映画やアニメだけではありません。
最近はどんな情報でも『どれだけ目(や耳)に止まれるか』『いかにスワイプされないか』が重要視されています。
例えば、Twitterは140文字で収まる話や1枚の写真をパッと見ただけで内容がわかるものがウケます。またTikTokでバズるには、最初の数秒で見たいと思わせる映像や音楽のインパクトが大切になっています。それに加え、両者とも自分が過去にいいねを押した投稿に似たものを親切におすすめに流してくれるのです。
ネットのトラッキング機能は、私たちが自分で考えることなくAIが私たちの好みを分析し勝手に最適な広告を出してくれるものです。自分は何が好きなのか、世の中にはどんな商品が存在するのか、その考える隙を埋めてくれる、埋めてしまうのです。
つまり
考えるな、感じろ、の世界なのです。
たくさんの情報が溢れ出続けるこの情報社会において、一つのことをじっくり考える時間よりも、素早く感じ理解することの方が大切な社会になっているのかもしれません。
このわかりやすさを蛇足と取るか必要なものと取るかは人それぞれですが、確かに近年はわかりやすいものが増えているし、それが主流になってきているのは間違いないと思います。
それでもなお、考察できる作品が好きな矢花さんはクリエイター気質なんだなと思います。考え想像し、そこからたくさんの可能性を生み出すことは、クリエイターにとって最も大切なスキルだからです。矢花さんにはこれからもそのような作品に出会って欲しいし、そのような作品を作っていただきたいなと思っております。
今回はぎり着陸できた…んじゃないかな?できてないな。
本当はJ.K.ローリングの話やファスト映画についてやサビから始まる音楽の増加についても語りたいのですが、話が逸れるので今回は自重します。また別の記事に書くことにします。気が向いたら。
ちなみに私の好きな作品(映像作品)は
エヴァンゲリオン
秒速5センチメートル
シン・ゴジラ
SPEC
英国王のスピーチ
MEMENTO
LEON
君の名前で僕を呼んで
SHERLOCK(BBC)
です。めっちゃミーハーですね。
自分で並べておいてミーハーすぎてビビってます。つまり良い作品が好きってことですよ!