デン・ハーグ放浪記
完全に失敗した。
安心しきっていた。
油断とはこのことだ。
先輩のあの口癖が頭をよぎる。
今週オランダの学校は秋休みだ。
よって我が家もオランダ国内旅行を計画した。
行き先はデン・ハーグ。
主な目的は4つ。
⚫︎名画、真珠の耳飾りを見ること。
⚫︎以前note記事を購入くださったご家族と直近noteを通じて交流があったご家族に会いにいくこと。
⚫︎半年振りにカツ丼をたべること。
⚫︎360度パノラマの名画を見ること。
その為にホテルを予約して、お食事の日程を調整し、美術館の予約を入れた。
でもどこかに油断があった。
油断は禁物なのに。
新卒で入社した会社の先輩に何度も叩き込まれた仕事の基本、「仕事はリサーチが7割」を怠っていた。
なんとカツ丼を提供する和食レストランの営業日が金曜、土曜の週2日だけだったのだ。
滞在するのは日曜日と月曜日。これでは逆立ちしても入店できない。
こうして我々は出鼻をくじかれてデン・ハーグにおける目的の1つを遂行することが不可能となった。
しかしそこからデン・ハーグの懐はあの有名なスケベニンゲンビーチが如く広かった。
美術館で迷子になって変な通路に入ってしまっても、娘がフカフカな絨毯にホテルの朝食のクロワッサンのカスをこれでもかと落としても、「ノープロブレム」と優しく手をさしのべてくれた。
そう、私が住む人口1万人の村の50倍くらい大きな都市、デン・ハーグにおいてもオランダ人は暖かい笑顔でもてなしてくれた。
そのホスピタリティー。すべてが円滑であり全てが寛容、すべて必要十分でありシンプルだった。
お陰様で無事に名画を鑑賞し、娘を夏休み旅行以来の湯船に入れて、カツ丼の代わりにチャーハンや餃子、更にはメキシコやアフリカといった多国籍料理を楽しむことができた。
お会いした2家族はみなさん素敵な方々で生活や学校に関する貴重な情報を知ることができた。
たったの1泊であったがリフレッシュも出来たし、芸術の秋も楽しむことができたし、何より新たな出会いは今後の財産となるだろう。
最後に私の村とデン・ハーグをあるあるで比較したい。
デン・ハーグあるある
⚫︎トラム、超高層ビル、パソコンパチパチしてる仕事出来そうな女子がカフェにいがち。スーツ姿のリーマン、大使館あるから人種は多国籍、宿泊施設多い、レストランも多国籍。UNIQLOまであるハイファッション、国立図書館など豊かな生活環境ありがち。
村あるある
⚫︎牛、馬、羊、旧式風車、タバコ吸いながらおばあちゃん電動カートでかっとばしがち。地元の白人が99%アジア人片手くらい、でもうちの子の黒髪がかわいいと褒めてくれる。牧場だらけ。中国人資本のニセ寿司屋だけにぎわってる。昔ながらのワイン屋、家族経営のブティック、村の図書館、青空市場など20世紀と見紛う程のアナログ感がなんとも居心地フル。
それぞれ違ってそれがいい。
どちらもオランダの素敵な街。
いや片方は村だけど。
今回のプチ旅行でまたも思い出貯金が増えた。
よし、明日はカツ丼つくるぞー!
あー、お仕事したい。
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