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tomekantyou1
異国の恋人
僕の国ではめずらしい
その黒い瞳に直視されると
ごまかしがきかなくなる
薄いからだに 小さく形の整った乳房
すっと伸びた脚 袖から覗く健康的な白い肌
ながれるような黒髪に 厚いくちびる
鼻筋の通った意思の強いよこ顔が、
シャクヤクの花のようにピンクに染まる
先に触れたのは彼女か僕か
その黒い瞳に
吸い込まれるように
引き寄せらるように
離れられなくなる
君のそばにいると、
いつも同じ時間に
見知らぬ文字が黒い画面に浮かぶ
君の電話の奥から聞こえる
僕の知らない言葉で、君に語り掛ける低い声。
くすっと笑う君
僕の世界に重ならない、君の世界の存在に
腹の中の鉛玉が溶けだし、体中に充満する
いつもの軽いジョークも
君の黒い瞳の前には
見透かされているようで
かっこつけたそばから 恥ずかしくなる
小さく微笑む君に
僕は救われたのか救われなかったのか
頬杖をつきながらこっちをじっと見ないでくれ
その黒い瞳に直視されると
もう言い訳はできなくなる
そろそろホントの話でもしようか