届かない星
悲しみは連鎖していく
母の、そのまた母も
そして子から、またその子へと
ただ愛されたかった
愛し方も 愛され方も
何も知らない僕たちは
社会で丸裸のまま
無防備に 孤独を連れて
あの巨大なビルとビルの隙間に
隠れている
誰も見つけてはくれない
そこら中に落ちている
変わりばえのない物語
それでも僕らは生きている
何度も繰り返し叫んでも
届かない
届きやしない
いらない人間なんていない
そんな言葉がうすら寂しく
聞こえてくる
誰かにただ笑って
言って欲しかった
大丈夫なのだと
問題ばかりでも
きっとあなたは大丈夫だと
キラキラと輝いているものが
大嫌いで 憎かった
本当に欲しいものが分からないから
手当たり次第に手を伸ばしてしまう
嫌いだと言うことができず
毒を愛した
足は泥に沈んでゆく
暗闇こそが安住の地だった
なのに灯りが欲しくて堪らなかった
誰かこんな醜い僕でも愛して欲しい
願いはとどまることを知らない
だけど愛し方を知らない僕たちは
醜悪さを投げつけることしかできない
誰も教えてはくれなかった
僕たちにも輝く原石があって
それだけで美しいことを
何より僕たち自身がそれを
信じられずに 疑っている
信じたかった
信じたかった あの夜も
過ぎていく
体だけがすっかり大きくなった
青白い肌に血が透けて見える
生きてる意味など問わなければよかったのか
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