放課後ランプ#毎週ショートショートnote
暗闇に月が浮かんでいる。
「ごめーん、遅れた!」
「先生〜」
「ほんとごめん!始めよう」
部室の電気を消し、中心にあるランプのみをつけた。
その周りをぐるりと部員が囲っている。
「さっそく、私から」
ホラー部。ここ定時制高校に一昨年からできた部活だ。
ホラー映画や肝試し、怖い話なんかをする。
夜に学校がある、を生かした部活。
「いやぁ、ホラー部って聞いた時はなんだそりゃって思ったけど案外いい部になってるよね」
「先生、提案した時ぎょっとしてましたもん」
「でも今思えばいいアイデア。全日でホラー部しても対してホラーにならないだろうし」
「ですです。あのランプもいい味出してるでしょ?」
「持ってきてくれたやつね?火が揺れてる感じの間接照明。いいセンスしてるわほんと」
「あれ、1年の時に学校の倉庫で見つけたんです。充電式なはずなのに、ずっと光ってたみたいで」
「え?」
「今でも充電してないのに光るんですよ。ウケません?」
「いやいや、ウケないです。」
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