「ムカつく」について
5月にトラウマ治療を卒業してから、早いもので7ヶ月が経ちました。
治療中から現在に至るまで、振り返ってみると驚くような変化がいろいろとありました。
ずいぶんと生きやすくなったし、日々があざやかに楽しくなりました。
⚫︎主に父のことにまつわる辛い記憶が薄れ、そこから無意識に刷り込まれていた思考の癖(自分は醜く、取るに足りない存在である)を手放せた。
⚫︎その思考の癖を手放したことで、変な焦燥感や不安感、誰かに承認してもらいたい気持ちなどが消え、常に穏やかに自分を慈しめるようになった。
⚫︎家族との向き合い方も、それ以外の対人関係も、どちらも楽になり幸福度が飛躍的に増した。特に次男との関係がとてもよくなり、次男が全く癇癪を起こさなくなった。
⚫︎フラッシュバックや答えの出ない思考などに割かれていた時間を有効利用できるようになり、気力体力が生まれた。
⚫︎上記のもろもろがうまく噛み合ったことで、「一番やりたいことをやろう!」という意欲が生まれ、夏に新しい仕事を立ち上げて軌道に乗せることができた。
2024年にこれだけの変化が起きたので、
担当してくださったカウンセラーの先生にお礼を言いたいなあ、お顔を見て雑談させていただきたいなあと思い、卒業後初めて再び予約をし、昨日行ってきました。
変わらぬ笑顔で出迎えてくれる先生に挨拶をしてソファーに腰掛け、あれ以降こういう風に過ごしていました〜おかげさまで今はこんなことできてます〜〜という近況報告を、和気あいあいと思いつくままに語っていきます。
夏に12年ぶりに父から連絡が来たこと。
(私の連絡先は知らせてないので、夫の留守電に)
絶縁して以降、父が生きてるか死んでるかさえわからない状態だったのでびっくりしたこと。
元気な声で「(私たちが貸し与えていた家が地震で雨漏りするようになったため)出て行くことになりましたー!今までありがとうございました!みんな元気でね〜〜\(^o^)/」という感じの留守電だったらしいということ。
夫に「留守電聞く?」と言われたけれど、怖くて聞けなかったこと。
その後父がどこに住んでいるかもわからない、糸の切れた凧のように去ってしまった、私や母や孫が元気にしているか気遣う言葉もなく、後片付けに関する引き継ぎなども一切なく、何とも能天気に無責任に去って行ってしまった。
カウンセリング室に入る前まで私はこの出来事をある種清々しい出来事だと捉えていて、事実それ以降より一層父のことが風化したし、少し驚いたけれどグッドなニュース、という位置付けで先生に話していたつもりでした。
でも語るうちに、
「ここでこんな風にトラウマ処理したりして父のことであれやこれや苦しんでいたのは私だけだったんだなと思った、ムカつく」という言葉がぽつりとこぼれたんですよね。
途端に先生が、過去15回ほどのカウンセリングを記録した私の発言メモをすごい勢いでバーーッとめくり始めました。
一枚一枚を指差し確認するように眺めたあと先生はこう言いました。
「なめらかさん、この件でおそらく初めて『ムカつく』って仰いました」
以前noteにも少し書いた気がするのですが、私は喜怒哀楽の「怒」が抜けているのですよね。
どうでもいいことでプリプリすることならあるのですが、深〜い怒りを感じることを徹底的に回避している自覚はあります。
まあそれもおそらく生い立ちから来るもので、怒りをぶつけると父から10倍返しされたりしていたものですから、幼いうちから学習性無力感のような感じで「怒っても無駄、怒りは何も生まない上に損しかない、飲み込んだ方がマシ」という学習を重ねていたと思います。
この時に発した「ムカつく」という言葉も、本当にはムカついていたわけではなく、自分の情けなさ、みじめさ、見捨てられた感じに対して虚勢を張りたくて、先生の手前「ムカつく」と表現したに過ぎない感じがしました。
というか、翻弄されていた自分に対してムカついていたのかもしれない。
「相手にムカつけるようになること」は今後の私の課題なのかもしれません。ムカつくということは相手との間に境界線を引いて、相手の問題をきちんと他責にして自分と分離できているということだから。
もう自責でお茶を濁す人生はごめんだなと思います。
そのあと、別件で未消化の感情を抱えているので、久々にブレインスポッティング(トラウマを処理するための心理療法)をしてもらいました。
父のこととは無関係の内容だったのに、ブレインスポッティング中に徐々に父のことが湧き出てきて、また沢山泣きました。
私この件でどれほど泣くねん!いつまで泣くねん!もううんざりじゃ!という感じだったんですけど、終わったあと、ある大きな発見があって、先生と「この問題と父の件は、構図的にむちゃくちゃ共通点ありますねーーー💡」と顔を見合わせました。こういう謎解きの瞬間がやっぱりカウンセリングの醍醐味だなぁと思います。
……というわけで、お礼参りのつもりで軽〜い気持ちで予約させてもらったはずなのに、おっとぉ?まだ深い層からなんか出てきたぞぉ?みたいな感じになってしまってびっくりしました。
自分でも散々いろいろ日々内省しているつもりなのになあ。やっぱりプロの技はすごいものです。
先生、以前にも増して人気なようで、めちゃくちゃ次回予約が取りにくくなっていました。そりゃそうだろなぁ(なんとか予約取った)。
ブレインスポッティングから一夜明けて、今日はとっても爽やかに軽やかに目覚めることができて、やはり以前ブレインスポッティングを受けた時と同じように、「その記憶」にアクセスできなくなっていました。
その部屋の前までは行けるんだけど、あれっ?鍵かかってて入れないや、そんな大した用もないしまぁいっか!みたいな明るい感じです。
いや効きすぎだろ。
そんなこんなでとても印象的な久々のカウンセリングだったので、記録しておくことにしました。また書きます!
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