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谷川俊太郎展

カーテンを開けて中に入ると、暗闇で突然かっぱの大合唱。どういうことかというと、谷川さんの詩「かっぱ」をもとに光が点滅し、壁に文字が映し出される。うん、うまく説明できない。その部屋を出ようとするとちょうど「いるか」に変わった。部屋の外には「かっぱ」と「いるか」の詩。文字でみるのと全くイメージが違う。思えば、谷川俊太郎さんの詩はよく合唱曲になっている。「二十億光年の孤独」「春に」は特に有名だ。その詩を見るとメロディーが浮かんできて、歌ったときのことが思い出されるほど体に馴染んでいる。それはとても嬉しいことなのだが、詩が音に乗せられたとき、いろいろあった道がたった一つだけになってしまうような感じがする。少し残念だ。
少し進むと「私は背の低い禿頭の老人です」の言葉とともに等身大の写真に迎えられた。




次の部屋は谷川俊太郎さんのすべてが詰まった部屋だった。今までに作られた詩とともに、手紙、ラジオ、Tシャツなど日常が見えてくるものがたくさん。一つのアートだった。私が特に好きだったのは、ひとつひとつの柱にぺたっと貼り付けられた紙。

黒と赤のペンで書かれた2,3行の言葉と(俊)のマーク。こういう、普通の人と近いところに立っている詩人が私は好きだ。知らない人いるかもしれないが、実はスヌーピーの翻訳、鉄腕アトムの作詞などもされている。身近なところにある温かい言葉は生活を豊かにしてくれる。半世紀もの間時代に身を任せてさまざまな形で言葉を扱ってきた活動には本当に感銘を受ける。ちなみに私は彼と同じ誕生日だ。そのせいか彼のような生き方にどこか憧れがある。

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