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今年度審議された労衛法についての報告書案が提出され、了承される
11月22日開催の「第171回労働政策審議会安全衛生分科会」を傍聴しました。
前回の予告通り、報告書案「今後の労働安全衛生対策について(報告)(案)」が事務局から提出され、了承されました(変更を望む意見は出ませんでした)。
次は法制化に進むということになるかと思います。
議報告書案の構成は、
1 _個人事業者等に対する安全衛生対策の推進
2 _職場のメンタルヘルス対策の推進
3 _化学物質による健康障害防止対策等の推進
4 _機械等による労働災害防止の促進等
5 _高年齢労働者の労働災害防止の推進
6 _一般健康診断の検査項目等の検討
7 _治療と仕事の両立支援対策の推進
今年度議論されて出された報告書や中間とりまとめの内容も踏まえ、令和6年4月以降に労働安全衛生対策について審議された内容で、7つの分野という多岐にわたるものになりました。
1、3、4はこの報告書ではじめて内容を知りました。
先日、某セミナーで産業医や産業保健師の方から、現場巡視の大変さをお聞きしたばかりでしたので、リスクの高い場での健康障害・労働災害防止の重要性をとても感じました。また、働き方の多様性、もしくは現場の実態に沿ったためか、個人事業主への対策も法制化されるようですね。
2、5、6について法制化される結論だけ書くと
2 _職場のメンタルヘルス対策の推進
○労働者数50人未満の事業場で当分の間努力義務だったが、事業場規模にかかわらずストレスチェックの実施を義務とすることが適当。その際、労働者のプライバシー保護の観点から、原則として、外部委託を推奨
○一般定期健康診断と同様、50人未満の事業場には負担軽減の観点から報告義務を課さないことが適当
○施行までの十分な準備期間を確保することが適当
○ストレスチェック実施後の集団分析・職場環境改善の義務化は時期尚早であり、引き続きの検討課題とすることが適当
5 _高年齢労働者の労働災害防止の推進
○高年齢労働者の特性に配慮した作業環境の改善、適切な作業の管理その他の必要な措置を講じることを事業者の努力義務
6 _一般健康診断の検査項目等の検討
○厚生労働省が示している標準的な問診票である一般健康診断問診票に女性特有の健康課題に係る質問を追加することが適当
となり2、5、6は、前回の内容と同じでした。
7 _治療と仕事の両立支援対策の推進
7の「治療と仕事の両立」は、検討会でのとりまとめから追加があり、安衛法ではなく、労働施策総合推進法で、治療と仕事の両立支援のための必要な措置を講じることを事業者の努力義務とする記載がされ、了承されました。これにより指針の公表もされるようです(ガイドラインから格上げ??)。
2、5、6についての委員からの発言は、
「女性特有の健康課題の質問項目が法制化でなく、通知となる一般健康診断の検査項目となったのはなぜか(→業務起因性・業務増悪性に対するエビデンスが現時点では乏しいため)」
「50人未満ストレスチェック制度導入で、地さんぽの体制整備への支援がかなり必要」
「10人未満の家族で生業を営む事業への特別な対応が必要」
「両立支援に経営が判断できるような指標があると進みやすい」
「ストレスチェック制度はメンタルヘルス対策の一つであり、今後も方策を検討していくべきでは」など。
1、3、4についても発言がありましたが、理解が足りないのでここでは触れないでおきます(汗、すみません)。
報告書案は14ページで、簡潔にまとめられています。関心のある方はご一読を。