コックと泥棒、その妻と愛人とその感想

泥棒のアルバート(マイケル・ガンボン)は出資しているフランス料理店に手下と妻のジョージーナ(ヘレン・ミレン)を伴って訪れ、毎晩、好き勝手に暴れ回り、はた迷惑な乱行を繰り返している。食事の最中、ジョージーナはアルバートの目を盗んで常連客の学者と情事に耽り、それをコック長のリチャード(リシャール・ボーランジェ)が隠すが…。

Amazon.co.jp 「コックと泥棒、その妻と愛人」DVD商品説明より

※以下、ネタバレを含みます

赤と白と緑と、部屋が変わるたびに照明も服の色も一緒に変わるのおしゃれ〜!!と思っていた冒頭

、、、、ヘレンミレン!?!?
そしてマイケルガンボン!?!?!!?!?!!
あのダンブルドア先生がこんな最低最悪おじさんに!?!?!!!?泣
と軽くショックを受けた物語中盤

そして何よりも物語が急展開を迎えるクライマックス
ジョージーナと愛人の関係に気づいたアルバートはなんとも惨たらしい方法で妻の愛人である学者を殺害してしまう。

愛した人の死体を見つけたジョージーナは怖がるより先に、口に詰められた紙の切れ端を取り除くことで苦しみを解いてあげた
そして、ジョージーナはマイケルに向かって彼がまだ生きていてるのと同然のように話しかける
これは、今まで見た映画で最も美しい、愛のシーンだった

「朝目が覚めたら、私にキスしてね」
「おやすみ」
「愛してるわ」


なんて強い愛だったんだろう。死んだ人を愛していた記憶や思い出が残ることは普通であるように思う。しかし、ジョージーナはまるで相手がまだ生きていて、彼女の言葉が聞こえるかのように愛を伝え続ける。でもその姿は決して彼女が現実に目を瞑っていることを意味しない。大きくて偉大な愛を復讐への意志に変換する準備期間、そういう意義をもった時間であるように感じさせられた。

「これが現実であるという証人が欲しかったの」と語るジョージーナ
2人が愛し合った時間は夢のように感じられるほど、尊いものだった

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