アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知
もっとも多い認知症の原因疾患。
異常な蛋白が神経細胞内外に蓄積し、神経細胞が脱落し、脳が萎縮します。
特徴
・記憶障害:さっきの出来事記憶の障害から始まることが多く、最近の身の回りで起こったことをすっかり忘れてしまう。生活面では同じことを何回も言う。しまい忘れや置き忘れなどの行動としてみられやすい。
・見当識障害:記憶障害に次いで出現することが多い。一般的には、時間、場所、人物の順番で障害される。日付を何度も確認するなどの行動がみられる。
・失認:感覚障害がないにもかかわらず、物を認識し同定できなくなる。物体認知の障害により、物を見ても何か解らない。相貌認知障害は、顔を見ても誰か解りにくくなる。色彩が解りにくくなることもある。
・失行:運動機能の障害がないにもかかわらず、目的の行動を遂行出来なくなる。多くは、アクセサリーを身につけたり、ネクタイの付け方が解らなくなり、服を上手に着られなくなる。手の洗い方が解らなくなる。進行すると、トイレの水の流し方が解らない、お風呂のお湯の張り方が解らないなどの変化が見られる。
・失語:簡単な物の名前が出にくくなるという喚語困難が特徴的な症状としてみられることが多い。その他に迂回操作という回りくどい表現がみられることもある。相手の話が理解出来なくなる。
・判断力障害:実行(遂行)機能障害の1つで、状況を判断することが障害される。
・視空間機能障害:空間的な位置の関係がわかりにくくなる。時計描画や立方体のえがうまくかけない。擦り傷などが増えるなどの状態がみられる。
精神症状
妄想、幻覚、うつ状態、意欲低下、猜疑心、不安感、感情のコントロールがうまく出来ない。
ケアのポイント
出来ることと出来ないことの能力を見極める。
出来ないことは訓練しても出来ないため、出来ることを行ってもらう。
ユーモアや感情は保たれているので、他の人との馴染みの関係をつくり、本人の居場所を作っていく。
看護師国家試験対策として、認知症の半数以上がアルツハイマー型認知症。脳の病的な萎縮を示す。
次回は血管性認知症について。