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通勤時間は無駄なのか
世の中無駄に見えるものはたくさんある。
通勤もそのひとつで、家からオフィスまでの移動時間が短ければ短い方が良い、もしくは毎日家から働けるならその方が良いと考える人もたくさんいると思う。
私も長らくその一人だった。
通勤に往復で2時間半費やしていた。事情があって住んでいるところが変われないのにプラスでオフィスが引っ越し、長い間毎日2時間半を通勤に費やしていた。
幸い、このご時世でリモートワークが導入され一時期、家で仕事をすることが多くなったりもした。だけど、家から働くことに慣れるとより一層、通勤に時間を費やす意味が見い出せなかった。
通勤時間の主な過ごし方は、ポッドキャストと読書だった。40分ほど電車に乗り必ず座れたので、初めはネットニュースやSNSのチェックに使っていた。それはそれで良かったのだけれど、もう少し有意義に使いたいと思い、読書を始めた。普段ほとんど本を読まない私にとって読書の習慣ができることは新鮮だったし、学びも増えて楽しいと感じた。だけど、仕事で目を酷使しがちなので、仕事への行き帰りも目を使う読書をすることは、目への負担が大きく長くは続けられなかった。
そこで最終的に辿り着いたのがポッドキャストだった。車窓の景色を見ながらTED talksやTED businessを聞き勉強したり、日本のラジオを聞いたりした。どちらにしても耳と脳をよく使ってしっかりと内容を聞くこともあれば、聞き始めたはいいものの自分の思考に入り込んで内容はほとんど聞いていないこともあった。
そして、これが良い影響を及ぼしていたのだと分かった。思考が始まり内容を聞いていないことが、割合的には60%くらいだったと思うけれど、このときに頭の中でいろいろな整理ができていたのだ。
その日の仕事の予定の整理。会議で話したいこと。週末の予定。プライベートで誰かに返信する内容。晩ごはんの献立。などなど。
ポッドキャストをイヤホンで流しながら車窓の景色を見ることで、外界との接触を絶ち、自分の思考の世界に入れることが好きだった。そこでプライベートから仕事モードへ、仕事モードからプライベートへの切り替えが出来ていたのだ。
前に別の記事でも書いたのだけれど、私はオンオフの切り替えに時間がかかるタイプなので、知らず知らずのうちに通勤時間をうまくそれに充てていたのだった。
だから、通勤時間が半分以下になった今、その時間がときどき恋しく感じることがある。今だと公共交通機関に乗っている時間は10分から15分ほどなので、乗ったときから降りることを考えている。自分の世界に入る時間など全くと言っていいほどない。
そうは言っても、通勤に使う時間を朝活やプライベートの時間に使えていて、より充実した生活が出来ている今、前の生活に戻りたいとは思わないのだけど。
前の生活から離れた今から考えれば、通勤にも意味を見い出せていて、通勤に費やしていた時間は100%無駄だったとは思わないけど、やはり別のことに使える今の生活の方が100%好きだ。前の生活には戻りたくない。
通勤時間はやはり無駄だ。