TGC、いや世界の逸材・ラウールさんについて語らせてくれ [2024S/S]
3月2日に行われたTGCことTokyo Girls Collection 2024 S/S。
多くのモデルやタレントが一堂に集う国内最大級のファッションイベントで、一際目立つ異次元の存在感を放っていたのがアイドルグループSnow Manの最年少センター・ラウールさんだ。(主観ではなく客観的にそうだと思う。)
TGC(Tokyo Girls Collection)の男性ゲストでは最多の11度目の出場となる彼は、もう同イベントには欠かすことのできないゲストとなっている。
10代でパリコレデビューを果たしたモデルとしてのランウェイはもちろんだが、彼の凄さはそれだけではない。キッズ時代、かの世界的超有名ダンサー・RIEHATAさんのもとで教わり、世界大会で準優勝経験を持つほどの圧倒的実力派ダンサーとして、ファションとダンスを融合させた、新しいショーの型を生み出しているのだ。
モデルとしてもダンサーとしても超一流の彼による新時代的なパフォーマンスは、もう異次元すぎて言葉には表せない。
これまでもそうだったが、今回のステージは今まで以上に、”ラウールさんにしかできないもの”だった。
ここから先はネタバレもあるので、6分間だけで良い。騙されたと思って、まずは今回のショーをご覧いただきたい。
私は幾度となくTGCでのラウールさんのパフォーマンスを生で拝見してきたが、今回のステージのストーリーは過去一好みだった。
凝られまくったストーリー
世間を虜にする逸材、ラウールさん。しかし、この国には誰一人として女王より輝いてはいけないというルールがあった。このルールに違反してしまったラウールさんは、2024年3月1日に逮捕される。(そりゃ違反しても仕方ないよなあ。)
そして、気づいたときには、2024年3月2日、つまりTGC当日を牢獄の中で迎えてしまったのだった。
思い悩んだラウールさんは、女の子たちのアドバイスを受け、自分そっくりのAIを生成してTGCの会場である代々木第一体育館に送り込もうと企てる。試行錯誤のうえ、納得するAIを作成できたところで、舞台は映像から、リアルなTGCのステージへと移される。
機械的なレーザーとともにAIのラウールさんがステージ上に登場し、いつも通りパフォーマンスを披露する。(念には念を入れて補足しておくと、演じてるのはAIではなく人間のラウールさんです 笑)
そして、パフォーマンスを終えたAIラウールさんがステージ上から消えようとしたその瞬間、もぬけの殻となった牢獄の映像が映し出される。
このラストの演出により、TGCに来ていたのはAIではなく、"AIのフリをした人間のラウールさんだった"ということがわかる仕掛けである。
このラスト一瞬のどんでん返しに震えまくっている手で、今このレポを書いている。
今回のラウールさんのステージの鳥肌ポイント
”超人間的なAI”に見せかけた”超AI的な人間”。ラウールさんにしかできない、逆行的なパフオーマンス
まず何と言ってもストーリーがおもしろすぎる。AIタレントという、ラウールさんの立場からしたら脅威ともいえる存在をテーマとして取り上げているところも興味深い。
セリフもない6分間のパフォーマンスの中でラスト一瞬まで目が離せないような展開を描いていることだけでも相当すごいことた゛。
何より、タレントを生成AI化するという時流はあっても、生成AIを人間が表現するという逆行的なパフォーマンスは目新しい。
こんなの、異次元レベルの技術にスタイル、顔立ちの全てを兼ね揃えたラウールさんにしかできっこない。
恐ろしいほど高いOP映像のクオリティ
今回の映像のクオリティはラウールさん本人も納得するほど高かった。彼は、昨年のSnow Manのドームツアーの映像制作も担当しており、映像にはかなりのこだわりがある(ように思う)。
全体のおしゃれさはもちろん、ラウールさんの登場を今か今かと煽るようなテンポ感やサウンドの入れ方。細かい要素一つひとつが、会場の高揚感を掻き立てるのに十分すぎるほどだった。
現場にいた私も、このOP映像だけでもう心臓が飛び出しそうだった(笑)。
ストーリーとステージ上に存在するものすベての一貫性
衣装やメイクをはじめ、6分間のサウンド、照明、振り付け、踊り方、歩き方……そのすべてがストーリーと連動しているのも大きなポイントである。
今回の設定上、ステージ上のラウールさんは”めちゃくちゃ人間的なAI”であると同時に、”めちゃくちゃAI的な人間”でなければならない。
すべての演出により、人間とAIどっちなんだいと言いたくなるような不思議な存在感が表現されていた。
カラコンを入れたり、シンプルだけど目鼻立ちがくっきりするようなメイクを施したり、瞬きや視線を操ったり、動きの質感を工夫したり….
もう語ればきりがないほど細部までこだわり抜かれていた。
特にランウェイの歩き出しと踊りだしの約20秒間は、どうやったってAIにしか見えなかったし、途中笑みを見せるような感情的なダンスはどうしても人間だった。
そんな表現の一貫性により、今回のパフォーマンスが成り立っていたと言っても過言ではない。
※ちなみに今回もメイクを担当されたのは小田切ヒロさん。TGCでは定番となりつつある、安定コンビだ。
言わずもがな異次元レベルのダンス
もうラウールさんのダンススキルは異次元レベルで、私が語るもの恐れ多いくらいである。特にヒップホップを得意とする彼だが、すべてフルアウト(100%の力)で踊るのではなく、微細なコントロールをできるのが本当にすごい。
ここで、ちょっとだけ今回のダンスのポイントを解説。
・まず振り付けがスーパーダンサーMacotoさん
MacotoさんはRht.(RIEHATAファミリーチーム)の一員で、ラウールさんにとっては小さい頃一緒に踊っていたダンス仲間にあたる。RIEHATAファミリーは一人ひとりが世界で活躍するスーパーダンサーだらけなのだが、個人的には、その中でもラウールさんの魅力を一番引き出すことができるのがMacotoさんなのではないかと思っている。
というのも、Macotoさんは超高身長かつ、かなり個性的な表現を得意としている。そもそも得意ジャンルがマッチしているRIEHATAファミリーの中でも、体格や表現技法的にラウールさんに相性の良い振り付けを作ることができるのがMacotoさんだと思うというわけだ。
今回、私の個人的な念願であったMacotoさんの振り付けを踊るラウールさんを生で拝見できて、感無量だった。そして、やっぱり相性抜群だと確信した。今後、2人が出演するコラボ作品が見られたら良いななんてこともずっと夢見ている。
▼Macotoさんが出演されているおすすめの作品
※ちなみにこちらの振り付けと楽曲はRIEHATAさん。タンクトップで踊っているのは、slow… / Snow Manの振り付けも担当されているReiNaさんだ。
※RIEHATAさんやRht.についてもまたじっくり語りたいなあ。
・恐ろしいほどしっかりした体幹
これは毎回TGCのパフォーマンスに現れているが、体感が半端じゃない、彼。歩き出しのゆっくりと片足を上げるところや、機械的なダンスをするところ、最後のシェネなんかでも体幹のすごさが手に取るようにわかる。
・勇気も誉めたたい後ろ向きのランウェイ
ラウールさんはその時々によって、歩き方も細かくコントロールできるモデルさんだ。でも、今回は歩くというより後ろ向きで踊りながらランウェイを下がっていった。細い道を後ろ向きでまっすぐ歩くだけでも半端じゃないのに、あんなに激しく踊りながら移動するなんて考えられない。技術はもちろんだが、物怖じしない勇敢さみたいなものもないとできない凄技だ。
ファンにとって嬉しい仕掛けの数々
今回の映像にはファンにとって嬉しい仕掛けもたくさん散りばめられていた。まず、映像内で彼が世間を虜にしていることを示すために、過去のTGCの作品がたくさん活用されていた。ファンであれば、彼の成長を感じられる映像に感慨深くなってしまう。
また、映像内で女の子が持っている手鏡のようなものには、ラウールさんの肖像が映っていた。映像の世界観を壊すことなく、ライブでうちわを持ったファンのような存在を描いているところにも親近感を抱くことができる。
そして、つなぎの囚人服。あの背中に刻まれた”0122”はSnowManのデビュー日である。グループを背負って個人仕事をしている姿に、感激したファンも多かったことだろう。
ラウールさんご本人のブログを読んで
自分の作品についてあまり多くを語らないラウールさんが、今回はブログで秘めた想いを語ってくれた。
ブログを要約すれば、”世の中には、AIをうまく活用することで良い方向に進むことがたくさんあるが、エンタメがAIに侵食されていくのはいかがなものか”というのがラウールさんの考えだ。
ブログには、歓声を聞いて胸が高鳴るのは生のエンターテイナーだからこそであること、そして、演者とオーディエンスの目に見えない絆はAIには到達できない領域であるという内容も綴られている。
そんなエンタメ領域におけるAIへの皮肉がこのステージには織り交ぜられていた。
私も生のエンタメが大好きな人間なので、これには首がもげるほど頷いてしまう。
世界が変わっても、エンタメは生ものであってほしいな。温かい人間にしか作れない温かいエンタメがずっと続いていてほしいな。
彼のブログを読みながら、そんなことばかり考えていた。
ファッション×ダンス の未来
今回のTGCではファッションとダンスの融合型のステージに相当力が入っていたように思う。今回はラウールさんのステージだけでなく、世界的ダンスグループとして名を馳せるs**t kingz(シットキングス)がプロデュースしたダンスショーがあったのだ。
※s**t kingzについては永遠に語れるので、また別の機会に☺︎
MCでも少し触れられていたが、TGCはこの融合型スタイルをもっと押し出し、独自のファッションショーの形を築こうとしているのかもしれない。
これが定番のエンタメとなり、世界でもファッション×ダンスのコラボにスポットが当てられたとき、ラウールさんが多大な評価を受けるのは間違いない。
まだの方はこちらの過去作もどうぞ!
ここまで読んでくださった方には、是非ともラウールさんの過去作にも目を通していただきたいと思う。個人的には、とりあえず2年分くらいを遡るのがおすすめ☺︎
▼2023 A/W
▼2023 S/S
▼2022 A/W
▼2022 S/S
まだ20歳のラウールさんが見せてくれる未来のエンタメはどんなものなのか。いつだって、真骨頂を更新し続けてくれる彼にこれからも期待したい。
おまけ
ラウールさん&ラウ担のみなさまへ
TGCで上手に匂わせていた主演映画も正式に発表されましたね!おめでとうございます🦖
※とりとめもない殴り書きなので、また更新します🙏
初めてイベントレポを公開してみました。こんなに拙いレポをお読みいただいた方、いいね、シェア、感想、サポートをくださった方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございます🙇
恐縮なのですが、おかげさまで大尊敬の編集者・軍司彩弓さんと今回のステージを作り上げたスーパーダンサー・Macotoさんにも届いていたようで、大変嬉しく思っております。
(お返事が届いていない方がいらっしゃいましたら、お手数ですが直接ご催促くださいませ。)
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