〈企画参加〉 恋文求ム 〜 徳次から文香へ
今回は三羽 烏さんの新企画 #恋文求ム に参加させていただきますん。
先日のステキな企画色見本帖からの続きのようになっておりますん。
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『
文 香 殿、
時の過ぎ行くは早し。月の蒼ひを愛でし頃振返り今もとて凍りつくやうな空の下に居り候。懸かりば貴女の細き腰もとより芯こはく華ある御さま初めて御見かけ入りし日より幾月也。
此ほど新橋は柳通りに御影ほのかに見參らせしかど忘れなきやう此の目に焼き付け候。いつのほどかおどろく目覚めるや其れ朝日の如く、外出づつや揺るる秋桜の如く、果ては淡き夕焼けに流るる雲の如く、貴女の微笑む御顔がうちいでばゆき、消えては還りを繰り返す日々也。なんとなふ心苦しきまでに恋い焦がれ候。
仏蘭西にヴェルレエヌといふ詩人在りき。御方の詩集『落葉』読みたればされど。
秋の日の ヰ゛オロンの ためいきの
身に沁みて ひたぶるに うら悲し
是節恐れながら小生の胸の内の如し候。
ヰ゛オロンまでは奏でられずとも心の琴線は震えいつの日か二人して協和音さえ奏でられずとも幾ばくか。
しかれば貴女への心の旋律此れ歌に託して奏でしむ也。
明け暮れ胸の炎も休まらず日々繰返しうどん食すも慎みなく申し候。そればかりか貴女を思ふにつけ白く透き通りつるつるとせる舌触りを妄想し凝りもせて足繁く通ふならひの店。何故にそこには貴女が居ると知りつつや。
いささか独りよがりの恋文とは言ふなれど焦がるる想ひ伝へるべしなど構へ相伝ヘし候。よがらばよがる程のよがり具合目に浮かべなほ近くへ寄り添いちひさき肩を壊るるほど抱き締めてなばやと悶やむ也。
満天の星空見上げけふもまた幸せなる一日成りきと思ふべきはそれもまた貴女の愛くるしき笑顔のお陰でござりて候。恐れながら今とならば貴女なしには日ごろ五里霧中、暖簾に腕押し、桃色吐息。
夜ごと詰らぬ寝床にひとり下紐解くべし焦るべからず。叶ひて肌を相重ねれば天へ上らせり奉仕も神に誓ひて精進たてまつり申し上げ候。
戀願はくは貴女の滑らむ内股を開きたまへ。
乞ひ願はくは貴女のよがり声を聞かせたまへ。
某月某日
徳 次 書
』
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いつぞや内輪で流行った昔の文士風恋文。
初めて文語調、候文に挑戦してみました。
いささか難しく候...
あはん♥