悪夢メモ②

また悪夢を見た。
笑えないくらい怖い夢だった。
このままだと、大好きだった睡眠が怖くなってしまいそうだ。
※人の身体に関する過激な表現を含みます。この先の閲覧は自己責任でお願いします。※

私は、とある体験施設のようなところを訪ねていた。
身体を使った体験がいくつかあり、時間のある時にぼちぼち訪れているようだった。
外観は中国の立派なお城のように設計され、働いているスタッフは中国から来た運動神経抜群の雑技団員のようだった。
体験できるものの中には、過酷な修行のようなダイエットプログラムがあった。
私は、唯一それを避けていた。

ある時、私は8名の団体でそこを訪れた。
その中にはスレンダーでかっこいい女性がいて、多くの人から注目を集めていた。
その人は好奇心旺盛で、どんな人に対しても分け隔てなく接してくれるような徳の高い人だった。
その人発信で、団体8名のうち4名で私が避けていたダイエットプログラムに参加することになった。
私は少しばかりの興味と、何よりその人の誘いを断れず、4名のうちの1名となった。
ダイエットプログラムにはぞろぞろと人が並び、行列を為しつつ進んでいくものだった。
一番最初のパートは、ゆっくりと動くベルトコンベヤの上でストレッチをするもの。
ベルトコンベヤは真っ直ぐではなく複雑な構造をしていて、上下にも左右にも柔軟な形をする上で寝転んでストレッチをするのは至難の業であった。
それが済むと次に、何故か床に直接置かれたいくつかの定食のある部屋へと移動し、部屋の壁沿いにある回転する大釜から大量の白い食材が投げつけられる試練に見舞われた。
そこで私は、物を投げつけられるよりも恐ろしい光景を見てしまった。
大釜を操るのは雑技団員の女性。
参加者に対して大きな声でハキハキと指示を出す。
「デキルダケ カラダニ ハンペン ツケナイヨウニ スルンダヨ! ジャマ ダカラネ! オモイヨ!」
「コレヲ アビテルヨウジャ サキガ オモイヤラレルヨネ!」
煽りもする。
大釜を操りながら一生懸命大きな声を出すため、大釜の取扱がだんだん荒くなった。
すると、大釜が回転を続けながら大きな音を立てて台の後ろに倒れ、女性はそれに巻き込まれるようにして同じく台の後ろに逆立ちの状態になった。
誰もが息をのみ、立ち尽くし、数秒が流れたが女性は驚異的な身体能力で体勢と大釜の位置を整え、
「タマニ アルンダヨネー」
とだけ言い捨てて、何事も無かったかのように喋り続けた。
私は、一歩間違えたら目の前で人体が変形するような凄惨な事故が起こっていたのではないかと想像して女性の言葉も仲間の言葉も入ってこなくなった。
息も浅く、まともにできていなかったかもしれない。
その後、頬に当たる『ハンペン』のような白い片が、女性の血液でないことを確認しては安心して剥がし、肉片だったらどうしようと想像しては泣き、嗚咽も止まらず混乱状態だった。
同行者4名のうちの主婦さんが、定食の小鉢の梅の蜂蜜漬けから出てきた虫に大量の蜂蜜をかけているところを目の端で捉えたがそんなことには何の感情も抱けないくらい恐ろしく感じていたところで目が覚めた。

今月、京都の縁切り神社へ出向いたときに、悪い夢との決別をお願いするべきだったと心から後悔している。
暑い日は悪い夢をよく見る。
これからの熱帯夜をどう過ごそう。

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