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成長=老化
数え年で今年は40歳。
その昔、40歳は初老と呼ばれていたらしい。
「しょ、、初老!?」
その字面の強さに白髪混じりになってきた頭がクラクラした。
服を入れているクローゼットを開けてみるとそのほとんどが暗い色だ。
耳触り良く言えばアースカラー、直球に言えばド地味な色合いばかり。
この歳になると明るい色味のシャツなんかを羽織ってる同年代もいたりするが、俺はネギみたいな配色や煎餅のような色味のシャツをよく羽織っている。
顔が薄いせいかどうも明るくて派手な色が似合わないのだ。
しかしそんな俺にも派手さを求める瞬間があった。一昨年に始めた焚き火用にアウターを探していた時だ。
普段使いで着ないものだし、手頃な価格でいっそド派手なやつを買っちまえ!とワークマンプラスへと足を運んだ。
目に飛び込んできたのはサイエンス雑誌で見るような宇宙を模した総柄アウターだった。
普段使いなら絶対に買わないであろうトリッキーすぎる宇宙柄にビックリしながらも、気が付けばその宇宙柄アウター(小宇宙)を抱いてレジに並んでいた。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/70006273/picture_pc_d2e5b8309c099db25cf6ce9577c34aeb.png?width=1200)
その日はなんだか達成感に満ち溢れながら帰路に着いたのをよく覚えている。
数日後、朝の通勤路を車で走っている時だった。
いつも小学校を横目に通過するのだが、そこに俺が購入したものと同じ宇宙柄アウターを着る小学生を発見。
おそらくキッズサイズが無かったのであろう、かなりのオーバーサイズで袖丈が【萌え袖】を通り越して【うらめしや〜】みたいに長かった。
そんな彼にシンパシーを感じながら、
「おじさんとおそろだね‥」
なんて心で呟いた。
月日は流れ、つい数ヶ月前、例の小学校の前でまたまた目に飛び込んできたのは宇宙柄のアウター!
普段は通学している小学生を気にも留めていないが、あのトリッキーなアウターはやっぱり目立つ。
そんな彼の袖を見てみると、あんなにオーバーサイズだった袖丈はすっかりジャストサイズになっていた。この数年で身体が大きくなったんだろう。
「あぁ、彼は成長しているんだ‥おじさんは老化しているけどね‥」
なんて心で呟いた。
つまりは【成長=老化】である!
なんて現実を目の当たりにして、抗えない老化にちょっと落ち込んだりした。
そんな矢先にM1で優勝した錦鯉のお二人がワイドナショーに出演していた。
『松本人志さんの言葉で、魂は歳を取らない、って言葉が‥‥‥‥好きで』
なんてボケの長谷川さんが話していて、泣きながら絶妙な間で言うもんだから番組ではひと笑いが起きていた。
それを観ながら自分も爆笑していたが、壮年(初老)真っ只中の俺にもその言葉は深めに刺さっていた。
股関節の痛みで整形外科に行くと軟骨がすり減っていると診断されたり、お上と戯れていただけでギックリ腰になったりしちゃう己の肉体。これは紛うことなき肉体の老化である。
しかし【魂は歳を取らない】の精神で、せめて気持ちだけでも若々しくいたいと思ったりした、数え年で40歳(初老)の眼鏡珈琲でございます。
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