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金銭感覚

先日、某テーマパークへ行ってきた。

キャラクターが全面に推されたテーマパークで、推しでもいない限りなかなか行くことがなかった場所であった。
しかし息子がNetflixで某キャラを好きになったのと、とあるルートで安く入場券を手に入れた事をキッカケに行ってみる事に。

俺の住むエリアからさほど遠くない距離にある場所で、子供の頃からあるのは知っていたが初めてインパークしてきた。

勝手なイメージで人気も落ち着いてるのかと思っていたが、そんな予想に反してとても賑わっていた。すぐ先入観を持ってしまうのは悪い癖だ。


俺が子供の頃から知っているキャラクターもいたり、ノスタルジーと可愛さに囲まれて気が付けばすっかりテーマパークの住人になっていた。

しかし一つ気になる点が‥。

俺が子供の時に第一線で活躍していたキャラクター達はパーク内でメインでは扱われてはおらず、片隅にそっと置かれているような感じ。
メインを張るのは若いキャラクターや大御所達。
その様子に移りゆく時代を目の当たりにしているようだった。

そんな中でも同世代のキャラが懸命に手を振っている姿に胸が熱くなってしまうのは俺だけではないはずだ。
『頑張れっ‥!!』
そう小さい声でエールを送らずにはいられなかった。

たあ坊!生きとったんかワレ!!

ファンシーな世界を存分に堪能していたらあっという間に昼時。

「さて、昼飯はどうしようか?」
と、お上に相談しようとした時だった。
お上はパーク内のフードコートへは目もくれず、
『外で食べよう、ここは高すぎるからね』
そう言って再入場口を一点に見つめていた。その眼差しに迷いはなかった。
俺も全くの同意見だったので外へ昼飯を探しに出た。

家計簿を管理しているのは俺なのだが、我が家の懐具合への理解度の高さにはいつも頭が下がる思いだ。


一歩外へ出ればそこは駅前。ファミレスからファーフードまでなんでもあった。
その時に人生で初めて食べたマクドナルドのサムライマックはめちゃ美味だった。
テーマパークで食べれば1人分の料金で家族3人分食事が出来るマクドナルドは最高である。


節約する生活を『惨めだ』とか『ツラい』とは言わずに、
『すんごい得した気分だねぇ!』
と一緒に喜んでくれるお上で本当に良かった。

過去にお付き合いした人で金銭感覚が合わずに上手くいかなかった苦い経験がある。
友人や同僚あたりの関係性なら気にならないが、夫婦となるとこの感覚は重要項目だ。

テーマパークへ戻る前に安くて旨いコンビニ珈琲を嗜んでから再入場。中で買うと高いからね。
徹底した節約である。


午後も存分に世界観を堪能して、自分の想像以上に楽しめた1日だった。
キャラグリーティングの時には思わず、
「あらー!かわEねぇ!」
とおじさんらしからぬセリフを口からこぼしてしまった。


テーマパーク内の駐車場は高いので、近隣にある徒歩数分の駐車場まで1人で歩いて車を取りに向かう。さらに徹底した節約である。


「節約しつつも満足度の高い遊びが出来た」
と帰路の車内で悦に浸っていた。
すると息子がおもむろに、
『今度行った時はテーマパークのフードコートでキャラクターのご飯食べてみたいなぁ』
なんてぼやいていた。
「そうだよね‥次行ったら中でキャラクターのご飯食べような‥」
節約は時にこうした悲しみを生むのだと痛感させられた。ごめんよ。


そんないたたまれない俺と息子を憂いて、後日お上が息子の推しキャラ弁当を作ってあげてくれた。ナイスフォロー!!

ぐで〜

さぞ喜んで完食してくるのかと思ったら、まさかのキャラ部分だけ半分残していたそうだ。

息子に理由を聞いてみると、
『そこ(キャラ部分)があんまり美味しくなかったんだもの』
だってさ‥。まぁ子供はこんなもんか。お上が落ち込んだのは言うまでもない。

もしあの日、テーマパークのキャラクターフードを食べてても同じ事態になってたかも、なんて思ったらほんの少しだけ救われた気分になった。

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