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【展示】写真は変成する MUTANT(S) on POST/PHOTOGRAPY
京都芸術大学の写真・映像コースの学生を中心に、後藤繁雄&多和田有希キュレーションによる写真展『写真は変成する MUTANT(S) on POST/PHOTOGRAPHY』が、京都芸術大学内のギャルリ・オーブで催されている(2021/3/19〜3/29)。
昨年秋から自主ゼミが断続的に行われ、各自が写真の新たな可能性を探る実験的なプログラム。そのなかから選抜された17名が集められ、僭越ながら私も参加させていただいている。
「写真は変成する」をキーワードに、写真の新たな可能性を探る挑発的な写真展である。昨日、東京工芸大学准教授の川島崇志先生をお招きし講評会が催された。
1人10分程度で、自身の作品について説明を行い、川島先生との質疑応答形式で進められていった。実にノンストップで4時間!
平面だけではなく、インスタレーション、立体、文書など、一見すると表現方法として新たな写真を探っている展示であるような印象を受ける。
ステートメントは展示されておらず、キャプションに添えられたQRコードを読み取ることで、各作品の制作意図に触れられる。
しかし、限られた文字数のステートメントからだけでは読み取ることができない、コンセプト、制作意図や動機、プロセスがアーティスト・研究者と川島先生との「対話」によって、次第に明らかになっていく。
川島先生が「制作意図や動機、プロセスはコンセプトと分けて捉えるべき」とおっしゃっていたように、作品について話す際に、話しの順序によって作品の印象が大きく変容してしまう。
自身の作品について語るということは、自分の作品への向き合い方や関わり方、なにを思い、なにを感じてこの作品を制作したのかという、自身の感覚的な部分を整理し、言語化できるまたとない機会である。上手く話す必要はなく、また他方から取って来た言葉を引用するのではない、「自分の言葉」でいかに語られているかが重要なポイントとなる。
講評会を通じて「変成」したのは、自身の写真に対する向き合い方と、これからの制作に対する個々の意識であったのかもしれない。これからの写真=POST PHOTOGRAPHYは、表現としての写真だけではなく、個々がどのように写真と向き合っていくのか、ということが試されている。
また、他者が語っていることを聞くことで、私はなにを感じたか、私ならどのように表現するか、という自問自答を通して今後の制作へ、しいては生き方を考えるきっかけを得られることができる。仲間内でのグループ展では得難い、現代アートとしての「問い」を得られる貴重な場なのである。
これは、先日のnoteに記載した『「アーティストは何をいいたかったのか」というよりは、「この作品は何を意味するのか」』という問いを、鑑賞者が考えるきっかけとなることにほかならない。
講評会を通じて、「新たな視点」が得られたことで、今後の制作へ活かしていきたい。
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