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思い出は現地よりも輝く(イスラムヘーレス/メキシコ)

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。

世界的なリゾート地であるメキシコのカンクン。
そこからフェリーで20分ほどにある離島、イスラムヘーレスに滞在した。

着いた日の夜、なんか風強いなーと思って天気予報を見てみると明日見事にハリケーンが直撃するという。

見事にっていうのは、ハリケーンの中心と、この小さな島がピタっと重なり合うレベルだった。

しばし引きこもった。
24時間くらい停電したけど、食材は買い込んでいたし、クーラーがなくても過ごせる気温だった。
パートナーは暑そうにしていて、水シャワーを浴びていたけど。
大したことなくてよかった。

ハリケーンが去ったあとも、ぐずついた天気が続きずっと部屋の中にいた。

雨はもちろん、ちょっとでも曇っていたらビーチとかは行かなくていっかーと思うくらいにはダラダラ主義の私。

ビーチの他、イスラムヘーレスで唯一行きたかったウミガメ保護センターは数年前に閉館していた。
ウミガメの赤ちゃん見たかったな。


こんな有名なリゾート地にいるのに、やることがない。
というか、自身でやることがないように仕立て上げている気もする。

もっと行動的な人は曇ってても海で泳ぐしなあ。

まあ、せっかく来たしという理由だけで無理に動く必要もないと思うんだ。

旅のこだわりとして、“世界のどこにいたって自分のペースを乱さない“という理想ある。
異国の地で、ただ日常を積み重ねていたい。

結局イスラムヘーレスでしたこと言えば、海でピクニック。
これだけだ。

久々に晴れた日、もとい唯一晴れた日。
サンドイッチを持ってビーチへ向かった。

ビーチは人が多いし、音楽もじゃんじゃんなっていた。
私が好きなまったりムードのビーチとはかけ離れているけど、久々の海、嬉しかった。

人は多いけど、透明度は結構いい。


海が好きだ。

旅に出る前は宮古島に住んでいた。
海目当てで移住したんだけど、毎日海に行って泳いだり、ビーチで夕日や星空を眺めて過ごした。

久々の海を見て、思いを馳せたのは宮古島だった。
よく思うけど、今現在よりも思い出の方が輝くことが多い。

「今この瞬間が最高!」と思えるのは、食べている時だ。

サンドイッチをもぐもぐしている時だけ、目の前の海を見ていたと思う。

美味しい≒幸せ

外での食事は色々と満たされる。
ピクニックがこの世で一番好きかもしれない。

最高じゃん。ということで、夕食もビーチで食べた。

タコスを作った。
宿から歩いてすぐだし、と思って鍋ごと持っていった。
ここ住んでいるような感覚に陥る。

鍋ごと作戦は、冷めにくいし、洗い物少ないし良いことしかない。
(我ながら嬉しそうな顔だ)


宮古島でもよくこうゆうことしていた。

狭い島なので、全知り合いがご近所だった。
誰かのお家に訪ねる時も、こうして鍋ごと持っていっていたことを思い出す。

あとはたまに、夕食の準備をしているときにふと窓をみると、空が焼けそうな時があった。

そんな時はやっぱビーチで夕日を見なきゃ、と思うので、
ささっと料理を完成させて車を走らせた。
そして夕刻のオレンジに包まれながらご飯を食べるんだ…。

じわじわと赤く染まる空、満たされるお腹と心。
水平線に夕日が沈む様をじっと眺めるあの時間。
その日一番の輝きを放った太陽が海にぽちゃんと落ち、暗くなっていく。
次第に星が煌めき始めて…。


せっかく地球の裏側まで来ているのに、またもや私は過去を振り返っていた。
あの海が恋しい。

しかしここはカリブ海。
イスラムヘーレスにも夕暮れが訪れている。

作ったタコスを食べながら、ぼーっと海を眺めた。
食べ始めると、この場所にいるという自覚が生まれてくる。

うまい。

ここはやっぱ人が多いし、観光客を乗せた船もたくさん。
しかも青く光るタイプの船だ。
EDMが海の情緒を引き裂き、風がマリファナの匂いを運んでくる。
風上の方に目をやると、若者が踊っていた。

正直、もっと静かな場所でゆっくりしたいなあと思いつつ、
これはこれで異国を感じられるし、旅の醍醐味である瞬間でもある、とちょっと納得もした。

理想とかけ離れていたとしてもその場を楽しめるなら、
バックパッカーとして一人前なんだろうな。

タコスを食べ切ったあと、早々とビーチを後にした。
別に一人前のバックパッカーになれなくてもいい。

もっと穏やかなビーチに行きたい。
宮古島のあの頃みたいな。

しかし、“思い出は現地より輝く“という理論でいけば、
数年後にカリブ海に思いを馳せているだろうな。

ほとんど何もしなかったイスラムヘーレスでの思い出。
この海が光りだすまで、大切に胸にしまっておこう。

数年後に写真見て、エモ〜とか言ってそうだ。



プロフィール:

1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。
趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。

情報記事はこちら。
https://maryojourney.com
良ければインスタグラムも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/_maryo.san_

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