見出し画像

Pain


キミが走り去った
夕刻過ぎの地下道
私は
あの時にだけ 何故か
キミを追わなかった


裏切りだとか
そんな可愛い
よくある出来事でも
なかったんだ



言葉すら失った私は
初めて声を上げずに
泣いた



すれ違う人波に
揉まれながら
引力に
ひれ伏すかの様に
泣いた



キミとの本当の
サヨナラと引き換えに
1人で抱えてきた
キミとの秘め事を
やっと手放せる
時が訪れた



あれから数え切れない
季節が過ぎ
キミが私を
忘れたとしても



疼くよ
まだ 胸の浅い場所が
まるで
昨日の事のように
今も

いいなと思ったら応援しよう!