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憧れのRIMOWAを購入

長いこと欲しいと思いつつずっと先延ばしにしていたRIMOWAのスーツケースをようやく購入した。


他のエントリーでも買いた通り貰い物の古いSALSA(現Essential)の機内持ち込みサイズを何年も使っているのだが、今回海外出張の機会があったのと、前からやはり現行の新品、とりわけアルミのモデルが欲しいと思っていた。

その間に驚くべき値上げが行われていて今回購入したモデルはここ3~4年ほどで10万円近く高くなっていたのだが、このまま待っていても値下がりする事は100%ないばかりか更に値上がりする可能性も大いにあるため、やっと踏ん切りがついたという形だ。
もう本当に海外ブランドは買えると思ったタイミングで買うのが大正解。
待ってても何も得しない。

値上げの背景には原材料費の高騰や円安の影響はもちろんあるだろうが、LVMH傘下に入った事によるリブランディングによる影響の方が大きいと思っている。
このあたりは上半期に色々と買いまくっていたメゾンマルジェラと通じるものがある。


さて、今回購入したのはOriginalシリーズのCheck-In Mというサイズだ。
カラーはブラックで容量は60L

Originalといえばその名の通り「RIMOWAといえば」的なアイコニックなアイテムで、旧名称はTOPAS

以前はブラックはステルスという名称で、ノーマルのシルバーより値段が少し高かった(チタニウムは更に少し高かった)が、2018年のリブランディング以降は単なるカラーバリエーションになっており価格差はない。

かつてのステルスの名の通りヒンジやロックまで全体がマットブラックになっており、フロントのRIMOWAロゴもやや目立ちにくい。
また使用に伴いブラックが剥げて元の色のシルバーが覗いてくるという独特のエイジングが楽しめる。
反面シルバーに比べて傷が圧倒的に目立ちやすい。

ちなみにRIMOWAのアルミシリーズは塗装ではなくアルマイトというメッキに近い処理で色付けがされている(アルミの色付けとしてはごく一般的な手法)。
また割とシルバー=無塗装と思っている人もいるようだが、シルバーも厳密には白色のアルマイトが施されている。
MacBookしかり、身の回りの少しマットなシルバーのアルミ製品はだいたいそう。


ポリカーボネート製のEssentialはジッパーで開閉するタイプだが、OriginalはTSAロックが2個ついており、ガチャンと開閉する。
この感触がまた男心をくすぐるポイントでもある。


トップとサイドのハンドルはプラ製だが厚みがあり、手馴染みも良い。

テレスコープハンドルはほぼ無段階に調整可能で、ジョイントの継ぎ目も見えないようになっていて見た目も良い。
所持している昔のSALSAはよくある3段階調整だったため、この辺りは進化している。


買うにあたって何でもかなり細かく調べるため過去モデルとのディテールの違いなどもなんとなく分かっているのだが、現行モデルはRIMOWAの代名詞でもあるグルーヴ構造も製造方法が変わっている。

というのも、かつてはボディの端から端まで溝が入っていたのが、現行モデルは途中で途切れている。
YouTubeに2000年代頃と思しき製造過程の動画があるが、当時はアルミの平板をコルゲート加工(ロール機のような機械を通して溝を入れる)した物を、あとからレーザーでカッティングしていた。

対して現行モデルは先にカッティングした物に後からプレスで溝を入れて作られている。
また大部分の工程がロボット化されているらしい。

そういう意味では昔のモデルの方がクラフト感は強いが、今はそのあたりはClassicモデルを買えば体感できるだろう。

仕事柄そういった製造現場を見る機会が多いため、色々と考えさせられる物があった。


内装は両面がRIMOWA独自のフレックスディバイダーになった、定番の形。


ライナーは暗いグレーで新ロゴのモノグラムのような柄になっており、高級感がある。

ディバイダーを留めるベルクロの構造が独特で、なんでもカシミヤのニットでも引っ掛からないようになっているらしい。
ぱっと見では分かり得ない細かい配慮。
あと単純にディバイダー自体がビックリするほど軽い。


付属品は最小限で、本体がすっぽり収まる布袋と簡単な取説的な冊子、レザー製のラゲージタグ、ステッカーのみ。
ラゲージタグはアルファベット3文字まで自由に刻印できるため、自分のイニシャルを刻印した。
刻印の色も選べる。
購入後はさすがに自宅まで配送してもらったので、ショッパーはない。


保証に関しては現在は物理的な保証書は付属しておらず、公式サイトでシリアルナンバーを登録すれば店舗に持ち込んだ際に照会してもらえる。
23年以降のモデルはテレスコープハンドルの根本付近にNFCタグが内蔵されており、スマートフォンを近づけるだけでシリアルを登録する事ができる。

ちなみにこのように所有者証を発行する事ができ、iPhoneのウォレットアプリに収納できる。
展開するとQRコードが表示されるため、店舗で保証書代わりに提示するのだろう。


かなり細かいのだが、ここに付いているべきシリコンのクッション材が初めから取れていたため店舗に電話したら、すぐに送ってくれる事になった。


購入時は支払い待ちなどの時間にお水をいただいたり、80Lと60Lで迷っていたらパッキングのシミュレーションをしてくれたりと、さすがLVMHグループだなというような丁寧な接客で気持ちが良かった。
基本的にはネットで買い物する事が圧倒的に多く、自分でとことん調べて納得した上で買うので「接客を受けて買う」ということは年に数回もあるかどうかレベルなのだが、たまにはこういうのも良い。
(そもそも今現在RIMOWAはほぼ直営店でしか販売していないため、買うなら直営店か公式オンライン以外に選択肢がないのだが。)


正直この1/10以下の値段で買えるスーツケースなんていくらでもあるし、これと言って特別な機能があるわけでもない。
ホイールは驚くほどスムーズだが、ロック機構すらない。
もはやRIMOWAを買う理由の9割はロマンだと言っても過言ではないが、それでも大満足だ。

このペースで値上げが続くともう数年後には一般庶民は買えない品になっていそうだが、生涯補償も付いている事だしこれから一生の相棒として愛用していきたい。


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