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DDJ-FLX10を買いました

このたび、我らのPioneer DJさんから3月に発売されたばかりの最新機種、DDJ-FLX10を買いました。
簡単にレビューというか感想を共有したいと思います。


DDJ-FLX10概要

まず、この機種はどういう物かというところから。
カテゴリとしてはPCDJコントローラーです。
その中で、現在Pioneer DJのラインナップの中では最新で最上位機種。
rekordboxに新たに搭載されたトラックセパレーション機能(ドラム、ボーカル、インストの3パートを瞬時にON/OFFできる)をフルにコントロールできます。
さらに現場で使われているCDJ-2000系統および3000と最新のDJM-A9を踏襲したレイアウトを採用。
現在も併売されてますが、実質的にDDJ-1000の後継モデルとも呼べます。

DDJ-1000との大きな違いとしては、上記のトラックセパレーション機能の操作子の他、SOUND COLOR FXがDJM-900系統やA9と同じ6個搭載であることや、DDJ-1000はrekordbox専用の物とserato専用のDDJ-1000srtで2機種存在していましたが、FLX10では両ソフトに対応となっています。
もちろん、レコボに先んじてseratoに搭載されていたSTEMS機能(レコボで言うトラックセパレーション機能)も使えます。


購入の経緯

私自身DJは2010年頃からやっており、Pioneerの機材は家、現場問わず使ってきました。
家では2015年からseratoでDDJ-SX2を使用しており、現場ではレコボでUSBにエクスポートしてCDJという運用でした。
ただここ数年はほぼ現場でプレイする事もなくなり、DJ欲も低下していて最近はほぼ置物と化していたのですが、久し振りに触って遊んでいたら片方のジョグのタッチセンスの反応が悪くなっていました。
まあスクラッチはしないので使えると言えば使える状況だったし、なんなら修理すれば良かったんですが、折しもFLX10が発売された時期で、以前から新しいの欲しいなあと思っていた事もあって買い替える方向に。

当初は「結局4ch使わないしDDJ-800でいいか」とも思ってたんですが、時期的に思いのほかお賃金を頂けたので思い切ってFLX10に。
経験上DJ機材は買えるレベルで一番高い物を買った方が後の満足感が高い事は分かっていたので、ほぼ即決でした。

他にはもう少し出してXDJ-RX3も候補にありましたが、USBにエクスポートする一手間が増えてかつジョグが小さいし値段も高いので結局無しに。
ただUSBで現場環境には近いので、SX2を使う前にXDJが存在してたらこれ買ってたかも。

結局のところ一番の決め手は23万で現場機材とほぼ同じフィーリングが得られるというところ。

DDJ-SX2含め2014~2017年辺りに発売されたPioneerのコントローラーは、当時まだrekordboxが単なる楽曲管理ソフトだった事もあり、どちらかと言うとseratoのUIに合わせたハードのデザインになっていました。
しかしその後rekordboxが現在のようにPCDJソフトとしての機能も持つようになり、2018年のDDJ-1000を皮切りに同社のCDJとDJMを組み合わせたようなより現場志向のデザインへと変化しています。

だったらDDJ-1000でもいいかもだけど、最近の物価上昇で発売時より幾らか値上げされていることと、上位機種が出てる今あえて買う意味もないよなあと思いFLX10をチョイス。
あと1000はCOLOR FXが4個しかない。
個人的にCRUSHが使いたいので、そうなると1000には搭載されてないんだな。


手元に届いてみての感想

紛れもなく最高です。
事前に店舗で実機を見てはいたのですが、実際に部屋に置くとその時よりも良く見える不思議。
各ボタンやツマミ、フェーダー類の感触もほぼ現場の機材と遜色ありません。(と言っても最近のNXS2なんかはあまり触った事がないですが)

個人的に一番「やっぱコレだよ」って思ったのは、ジョグとPLAY/PAUSE、CUEボタンの感触。
ここは十数年前に初めてCDJ-800MK2を買った時に、それ以前に使っていた某海外メーカーの安いCDJと比べて余りにも違いすぎて感動を覚えました。
その後一時期CDJ-2000も持っていたのですが、その時の感触そのままでした。
SX2はCUEボタンは悪くはなかったけど一回り小さかったし、ジョグは静電式で全くの別物でした。(DDJ-800やXDJ-RX3はこれに近い)

それと私はスクラッチは全くできないのでクロスフェーダーはほとんど使わないんですが、MAGVEL FADERのヌルヌル感が結構病みつきになります。
めちゃくちゃ滑らか。
縦フェーダーも滑らかで横ブレも少なく使いやすいです。

<余談>
当時PioneerのDJ機材のフィジカル的な操作感の良さに感動を覚えた私は、ちょうど就活時期だった事もありこの感動をつらつらとエントリーシートに書き連ね、Pioneer社に提出した事があります。
特にやりたい仕事もなかった(今もない)私が、唯一こんな魅力的な商品を作っていて夢のある仕事だなあと本気で思っていた会社でした。
もちろんその先の選考に進む事はなく、その数年後にPioneer DJブランドとして母体のPioneer社から切り離され現在のAlpha Theta社へと至るわけですが・・・。


エフェクト周り



6種のCOLOR FXに14種のBEAT FXが搭載。
BEAT FXは恐らくミキサーやXDJシリーズなど機種ごとに微妙に中身が違っていると思います。
各チャンネルにBEAT FXがアサインされている事を知らせるライトが付き、より直感的に把握しやすくなっている点もグッド。

購入前はエフェクトは全てソフト側で処理していてFLX10側ではあくまでMIDI信号送ってるだけかと思ってたんですが、買ってみて検証したところ、そうではありませんでした。
一部のエフェクト(COLOR FXのSPACE、DUB ECHOとBEAT FXのLow Cut ECHO、ECHO、MT DELAYなど)はソフト側の処理でしたが、それ以外はなんとハード側でエフェクト掛けてました。

要するに、この機材はリアルミキサーとしてCDJやタンテも繋げるわけですが、そっちにもちゃんとエフェクト掛けられますって事です。
一部使えない物もあるにせよ、最高級のPCDJコントローラーと現場仕様のミキサーがまとめて手に入るような物ですね。

気になる点

まあ正直ほぼ無いに等しいですが、強いて言えばという事で。



まず一つ目は、ジョグのエッジ部分のデザイン。
これは少し前に出たFLX6と同様のデザインですが、ここはCDJに合わせて欲しかったなあ。
まあ慣れればどうって事はないんですが、ピッチベンドの際にやや気になるのと、単純にCDJのデザインの方がPioneer伝統のデザインで好み。
FLXシリーズは今後もこのデザインで行くんでしょうか。

もう一つ、COLORツマミのサイズ。
ここはDJM-900系統やA9だと一回り大きいはずで、そっちの方が使いやすい。
あと素材が違うので気付けるっちゃ気付けるんですが、大きい方がEQと間違って回してしまう事故をより回避できるので良い。
FXのボタンも小さいので若干視認性良くないし押しにくいですかね。

ちなみにですがA9のセンターロック凄いですね。
革命的かつ超実用的。こんな技術があったなんて。

まとめ

上記の気になる部分を差し置いても、素晴らしい機材だと思います。
ミュージックバーや飲食店のちょっとしたDJブース、クラブのサブフロアなんかに置いても余裕で使える感じです。
これで税込み23万は正直安いと思う。
逆にエフェクトの数に魅力を感じなければ、現状DDJ-1000でも充分満足は出来ると思います。値上がりしたとは言え5万円くらい安いですし。
またの機会に話そうとは思ってますが、これからDJを始めたいという人で潤沢な予算がある場合は迷わずこれ買っていいと思います。
DJ機材は結構分かりやすく値段と性能(使いやすさ含め)が比例するので。

トラックセパレーションなどの新機能はまだ全然使いこなせていないですが、配信映えしそうな機能、見た目なので練習しようと思います。
結構CPU負荷高いのか、メモリ8GBのM1 MacBook Airだとたまにノイズ乗ります・・・。

これでまたDJのモチベ上がってきたので、また現場でプレイできるように頑張ろうかなあ。


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