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妊娠6ヶ月から8ヶ月ごろのこと



2023年11月 実地研究と学会発表

産院にて、体重増加のペースが早いので気をつけるように言われる。この頃から、毎日食事記録と便通状況、体重をレコーディングし始める。
オートミールごはんを取り入れたり、おやつはさつまいも団子や小魚にしてみたりするが、食欲は相変わらず旺盛で、たくさん食べてしまう。

来月の健診では、+1kgまでに抑えたい…!

当時の日記より

エコー写真から、骨がしっかりしてきた様子が見受けられる。胎動も感じ、ニョロニョロ、ポコポコ動いている。健診でエコー中、おしっこしている様子が見られたので、すでに膀胱が育っていることに静かに感動する。

6ヶ月の頃のおなか。そり気味の姿勢になってしまって、腰痛に

ちょうどこの時期、大学院の研究で15日間小学校へ。
事情を話し、なるべく控室にいて、授業準備や研究に集中できるよう配慮していただく。(とてもとても、ありがたい…)
過去に勤務していた学校だったため、顔見知りの先生方や子どもたちも多く、久しぶりの再会に喜ぶ。
毎日配属クラスの子どもたちと話すとき、彼らの視線が、私のおなかへ注がれている。たくさんのまなざしが注がれ、何かを感じ取ったのか、おなかの子はずっと静かにしている。

目には映らないけれど、確かにそこにいる、というものを見つめるまなざしを見ると(まどろっこしいね)なんだかこちらが神聖な気持ちになってくる。

当時の日記より


もし妊娠していなかったとして、シンガポールでの研究を続けていた可能性に思いを馳せていなかったといえば、嘘になる。
海外における研究を対象とした貸与型奨学金に応募するため、書類をかき集めたり、英語能力証明のためのテストを受けたりもしていた。それに、先生方や子どもたちには、調査に多大なる協力をいただいていたし、個人的に仲良くさせてもらっていた現地の先生方もいて、再会を心待ちにしていたのだった。

お世話になっていたお一人おひとりに、妊娠報告と日本で研究することになった旨の連絡を入れる。
みなさん、あたたかいお言葉をかけてくださった。申し訳ない気持ちと感謝の気持ち。手垢のついた表現かもしれないけれど、本当に、人に恵まれている人生だと思う。
いつかまた、海外に住み、研究がしたいと思う。いつになるかわからないけれど。転機が訪れるその日まで、できることをコツコツやっていく。

白か黒かで物事を判断する人生は、あまりにも短絡的で、退屈だと思う。妊娠してから、より強くそう思うようになった。「絶対」なんてことはこの世界にはなくて、移ろいゆくことが、この世界の真理なのだ。
しかるべき人生の流れに、身を任せてみる勇気

当時の日記より


そしてこの頃、研究グループでエントリーしていた国際学会、アジア比較教育学会での発表があった。

(研究に関することは、おいおい別の記事で書いていきたい。今は子育てにつきお休みさせてもらっているけれど、またこのメンバーで一緒にできるといいなと思っている)

インターナショナルな環境で、またしてもおなかに視線が注がれる。expecting baby. なんだか照れる。



束の間の休日に、夫と安産祈願へ行ったり、ベビー用品を見に行ったり。

広島のおべべにて。はじめてのベビーのお買い物。



大学院での2年間は、学校教育に対してこれまで抱いてきた違和感の正体を知りたい、と一度立ち止まって考える時間にしようとしていたけれど、学校教育とは少し離れたところで、大きな学びを得られたように思う。
たまごちゃんを授かったことで、どんな未来になってほしいのかを考えるように。たまごちゃんが生まれてきて、彼女の住む地域が、国が、社会が、地球がどんなふうであってほしいのだろう。私は、いちばんそばで成長を見守る者として何ができるのだろう。短期間で得られた(つもりになっている)成果やそれに基づく課題は、小さすぎるし、脆いもの。だからこそ、答えを出さないという答えを私は出したい。

当時の日記より


2023年12月 研究報告書執筆・保育士試験・パン作り


研究報告書執筆のため、巣篭もりの日々。
おなかがポコポコ動き、張っている。この一ヶ月間、食べるものに気をつけたおかげか、体重は±0。

保育士試験の二次試験。無事に受験を終える。

年末に、両家の初顔合わせ。入籍してからしばらく経っていたけれど、私の体調のこともあったので、この時期になった。


この頃からパン作りブーム到来
暇さえあれば、パンをこねる

2024年1月  マタニティヨガと両親学級


夫と、それぞれの実家に帰り、家族の時間を過ごす。おなかがとにかく重たい。

夫と一緒に健診へ。今月から、内診が始まる。
心室を確認し、すくすくと大きくなっている様子。目をぱちくりさせている姿がなんとも愛らしい。胎動がポコポコから、ドコドンと力強くなる。
夜、なかなかぐっすり眠れない日々。

週に一度、産院が主宰しているマタニティヨガへ通い始める。呼吸に集中し、内側へと意識を向ける時間。
呼吸法を習ったおかげで、のちのお産の時も、慌てずに痛みを逃すことができた。

休日には、市が主催する両親学級へ、夫とともに足を運ぶ。赤ちゃんの抱き方からおむつ替え、沐浴まで。少しずつ、赤ちゃんのいる暮らしへのイメージが持ててきた。


上映期間ギリギリに行った、『1%の風景』観ながら涙が止まらなかった。
出産は、赤ちゃんとお母さんの共同作業。助産院での出産に憧れる。


もう少しで、こども園のお仕事も産休に入る。
研究報告書の執筆も大詰め。

《つづく》


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