第15回 デラシネちゃんの屋台紹介〜宮城編〜【朽羊歯ゾーンのWoundTube】
《前回のあらすじ》
このnoteを書いている朽羊歯ゾーンは、実家を出る前だけで、2回の引っ越しを経験している。住んだのは千葉・宮城・香川。千葉・滋賀・佐賀だったら面白かったのに。
↑あらまし
「根無し草」というのがあまりにも物寂しいので「デラシネちゃん」に変更した(意味同じだけど)。かわいいでしょう。かわいかないか。
地域によって屋台に特色があったので、違いを書いていこうと思う。今日は宮城編だ。
記憶違い・私が住んでいた狭い範囲だけの話だった・時代による違いだった、などという内容があったらすみません。
1.金魚すくいにワキンが少ない
これは衝撃だった。金魚すくいなのに、シッポがフリフリのタイプの金魚が過半数。シュッとしたものは少ない。
小さな鯉のような姿をした、細長い金魚を「ワキン」という。金魚すくいの水槽といえば9割方ワキンで、あとはデメキンがちらほら……というのが定番だと思う。
しかし、宮城では違った。4割がデメキン、2割がワキン。あとの4割は、目の出ていないデメキンのような、お尻をフリフリさせて泳ぐ金魚だった。おそらく「リュウキン」という種類だろう。便宜上そう呼ばせてもらう。
デメキンもリュウキンも、他の地域でいうワキンと同じか、一回り小さいくらいのサイズだったはずだ。大物ばかりで難易度が高いということではない。むしろ、動きが遅くて紙を破る力も少ない分、ワキンよりすくいやすいはずだ。
それなのにそんなにすくえた記憶がないので、弱めのポイを使って難易度調整をする店が多いのかもしれない。あるいは、金魚すくいが得意になってきはじめた頃だったため、乱獲されてはいけないと弱めのポイを渡されただけかもしれない(複数の種類のポイを用意し、人によって使い分けることはあるらしい)。
3匹すくった後、もう一度水につけたら、何も乗っていないのにポイが溶けて穴が空いたように見えたことならある。1回だけだし、気づかないうちに入っていたヒビが開いただけかもしれないが。
また、記憶は定かではないが、らんちゅう(背びれのないずんぐりした金魚)やメダカ、真っ白な電気ナマズが入っている屋台を見たのも宮城だった気がする。ワキン以外のものを入れる文化があるらしい。真っ白な電気ナマズは本当に何だったんだ。
関係ないが、中学受験の面接練習を小学校の校長先生がしてくれたとき、特技を聞かれて「金魚すくいです」と答えた。「金魚……金魚すくい⁈」とかなり驚かれたので誇らしかった(朽羊歯ゾーンは人を驚かせ困惑させるのが生きがいです)。
2.くるくるお好み焼き
割り箸に巻いてあるお好み焼きだ。
詳細は忘れたが、鉄板の上に丸くて薄い生地がいくつも広がっていたことと、完成品は割っていない割り箸に巻きつけてあったことは覚えている。キャベツなどは入っていたのだろうか。入っていたとして、どうやって入れていたのだろうか。
他の地方(九州だった気がするが不明)に「はしまき」という屋台があるらしい。東京でだが、私も一度食べた。
これも箸に生地を巻きつけたもので、おそらく同じじゃないかという気がしている。
お祭りとは関係ないが、この動画で「宮城と福岡だけ、手のひらの裏と表でチーム分けする」という結果が出ていた。コメント欄でも、方言は同心円上に広がるという話が出ていた記憶がある(なんか聞いたことあるな、と思って調べたら柳田國男だった。「方言周圏論」と言うらしい)。
もしかしたら、はしまきにも似たような現象が起こったのかもしれない。
ちなみに、私も宮城にいるときは裏と表でチーム分けしていた。手の揺らしかたは動画の再現とは違い、表と裏を高速で繰り返すもの。
初めてやるときは、手の甲が表だとドヤ顔で教わる。私も下級生にドヤ顔で教えたかもしれない。
3.とすけ
お祭りのくじ引きのことをそう呼んでいた。
屋台の屋根にそう書いてあったかはうろ覚えだが、少なくとも公民館などのお祭りではそう呼んでいた。子供同士の会話でも、「とすけ」と呼ぶのが普通だった。
番外編 型抜き(宮城にだけない)
宮城県では、型抜きを見たことがない気がする。
「カタヌキ菓子」と呼ばれる、小さなピンクや水色の板を、彫ってある溝の通りにくり抜くと賞金や商品がもらえる遊びである。道具は画鋲や虫ピン。屋根がなく広い場所に、板でできた低いテーブルをたくさん置いて行われるイメージがある。
「菓子」だけあって食べられる。残骸を食べると周りをビビらせられるのでオススメです。おいしいと呼べるタイプの味ではないけれど、お祭りの風情が口の中に広がるので好き。
千葉では成功したためしがなかった。香川に住んでいたときは、ネットで攻略法(手で割る)を読んで簡単なものはできるようになっていたが、賞金もほぼカタヌキ菓子で支払われるため元は取れなかった(1枚100円の扱いで、それ以下の端数だけ現金でもらえる)。
最初に買うカタヌキ菓子より、賞金としてもらえるものの方が難易度が高いので、たいてい失敗する。100円で1枚買って成功、賞金は140円だが渡されるのはカタヌキ菓子1枚と40円、渡されたものをさらに換金(難易度が高いので賞金は200円以上)しようとして失敗……というのがいつものパターンだ。
ポイと同様、カタヌキ菓子もサンタクロースに頼んだことがあるが、そこまでハマれず賞味期限を切らしてしまった。
以上!
明日は香川編だ。ただ、最近更新が深夜になっているので、一旦別の短い文章になるかもしれない。
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