第14回 根無し草の屋台紹介〜千葉編〜【朽羊歯ゾーンのWoundTube】
根っから底から根無し草、である。
私のことだ。千葉県船橋市で生まれ、10歳で宮城県仙台市へ、中学入学と同時に香川県高松市へ。大学は愛知、それ以降もいろいろな場所に行ったが、現在の住所バレを防ぐため控えさせていただく。
10歳までしか住んでいない千葉を、出生地とは思えても、出身地とは思えない。前半は物心すらついていないから、体感5年だ。子供だったので、お出かけスポットもアンデルセン公園しか知らない。
実時間で3年弱の宮城は、なおさら出身とは呼べない。香川が一番地元っぽさはあるものの、中学から移り住んだ場所は出身と呼ぶには苦しい。
出生地は千葉、地元は香川、出身地なし。これが一番しっくりくる。
無理やりどこかを(もしくは全てを)出身と呼んでしまうことは、複雑な思いがあってできない。しかし、引っ越しにはいい側面もあった。お祭りの屋台の違いを目の当たりにしたのである。
私はお祭りの屋台が好きだ。特に、金魚すくいが好きだ。小学生時代、サンタクロースに金魚ポイ(金魚すくい用の取っ手のついた紙)を頼んだこともあるくらいだ。なお、トイザらスで買えなかった親がネット通販で購入し、履歴を見た私に正体がバレた。
とにかく、私の好きなものの中で一番地域差が大きいものが、お祭りの屋台だったのだ。
そこで、それぞれの地域に特徴的だった屋台をまとめようと思う。地域ではなく、時代による差もあるかもしれない。私の住んでいたごく狭い地域の中でだけ通じる話もあるかもしれない。子供の頃の話だから、記憶が間違っている可能性もある。私が見て覚えている範囲の話、ということでご了承ください。
なお、あまりに長くて一日では書ききれなかったため、複数回(千葉編・宮城編・香川県・その他印象的な屋台編1~2回を予定)に分けてお送りいたします。
第一回 千葉県(船橋市)編
1.あんず飴
私が初めて屋台で買ったのが、あんず飴屋のみかん飴だった。棒(つまようじ?)に刺した缶詰のみかんを水あめでくるみ、最中に乗せたものだ。
これとサイゼリヤは、幼少期の思い出の味なのに引っ越し先になくて寂しかった&大人になって東京で再会し心に花が咲いたようになったものの二大巨頭である。
あんず飴屋では、たいてい4種類の飴が売っている。あんず・ソーダキャンディ・みかん、あともう一つ。もう一つが思い出せないけれど、思い出を検索して書くのもなんなので、気になる方は各々で検索をお願いします。
どれも棒付き、水あめで包まれていて、最中に乗っている。実を言うと、あんず飴は食べたことがない。梅干しのような見た目をしていて、怖いのだ(朽羊歯ゾーンは梅干しが苦手です)。どう見てもアプリコットオレンジじゃない。赤すぎる。彩度も低すぎる。
そういえば、ソーダキャンディはどうやって棒に刺さっていたんだろう。パインアメのような形だったんだろうか。
2.最中の金魚すくい
最中で思い出したが、千葉に住んでいたときは、ポイか最中か選べる金魚すくいがあった。取っ手のついたコの字型(角ばったさすまたのような形)の針金を最中に刺して、スプーン状にしたものを使うのだ。
「水でへたるので記録は狙いにくいが、すくいやすさという意味では初心者や子供に向いている」「最中を少し水につけておくと金魚が食べに来るのでそこを狙うといい」などという話を聞いたのは、屋台でだったかネットでだったか。値段もポイより安かった気がする。
番外編 どんと焼き
逆に、3県のうち、千葉でだけ見ていないものが「どんと焼き」である。といっても、これは屋台ではない。正月を過ぎたあたりで、正月飾り(前の年のお札とかだったかもしれない)を神社の焚火で焼くイベントだ。
地域によって名前は違ったかもしれないが、私は「どんと焼き」と呼んでいる。実は、宮城や香川で知った呼び方ではない。子どもの頃家にあった本に書いてあったのだ。
一日一話読めるよう、366話の短いお話(昔話・小説・風習を下敷きにした話などなんでもあったように思う)が載っている分厚い本だった。普通に日付関係なくガンガン読んでいた。
それはともかく、1月後半に「どんと焼き」の話があり、見たことのない風習があるのがなんとなく悔しくて印象に残っていたのだ。宮城県に引っ越して、本当にある風習だったことに感動した。名前が違って興味深く思ったのは、宮城に越したときか、香川に越したときか。どちらもかもしれない。
続きはまた明日。多分。
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