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飛び出すには、ほんの一歩の勇気だけでよかった。
「海外が好き」「旅に行きたい」
そう言いながら怖がってた自分とお別れした話。
◆外国はどこか遠い地球の果てにある気がしていた
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大学4年間で海外に行ったのは一度だけ。20歳になる年の春に、学校の語学研修プログラムに参加してドイツに行った。それが人生で初めての海外だった。
それまで海外なんて遠すぎて無理。映画の中だけの話、もしくはセレブしか行けないところという印象で、雲のまた上のほうくらい、遠い場所だと思っていた。から、このドイツ行きは自分の中では結構な勇気を出した末に掴み取ったチャンスだった。
1ヶ月のドイツでは、学校に通って授業を受け、ホームステイで生活をし、最後には一人旅をした。
あの時は、自分が海外にいることが嬉しくって。毎日ドイツの可愛い街並みにはしゃいでは、どこかふわふわとした気持ちで過ごしていた気がする。
ほとんど毎日周りに同じ日本からの研修生と、監督してくれている頼れる先生がいた。だから全然怖くなかったし、あんまり自分で考えて行動もしていなかったかもしれない。
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いつまでも夢見心地だった。
ホームステイ先を離れる時、「またいつかね」「ドイツに帰ってきたいな」なんて口では言いながら、本当はもう2度とドイツに来ることはないんじゃないだろうかと思っていた。
それくらい、自分が人生の中で何度も海外にいく想像がつかなかった。
十何時間もかけてドイツに行ったけど、それをもう一度、いや何度もするなんて勇気は、当時のわたしには到底持てなかった。
◆世界は意外に近いと知った。
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世界は案外近いものだ。場所も首都名も知らず、夢の国だと思っていた場所にさえ、行こうと思えばぽーんと行けてしまう。
それを実感したのは2018年のこと。
2017年の暮れにフォトジェニックなモロッコの本が発売された。それまでモロッコなんて考えたこともなかったし、写真で見たことがある街というくらいの印象だった。もちろんどこにあるのかなんて想像したこともなかった。
でもその約1年後。どういうわけかモロッコの地をこの足で歩いていた。カメラを手に街を歩き、シャッターを切る手が止まることを知らないかのように7日間撮りまくった。
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モロッコの民族衣装を買い、モロッコの街を歩き、ご飯を食べ、砂漠に寝そべった。
行く前は、モロッコについて全くもって情報も知識もなかったし、本当はめちゃくちゃ怖いな〜と勝手に悪い先入観を持っていた。
それなのに、いざその地に足を踏み入れてみると、びくびく怯えていたことなんてすっかり忘れてモロッコが大好きになった。
あんなに遠い国だと思っていたのに。現実味がなくて不安ばっかりだったのに。カラフルで賑やかで美しい景色に。街並みに。空気に。そして優しい街のひとたちに。惚れ込んだ。
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やっぱり自分がそこに立っていることに不思議な気持ちではいたけれど、それでも来れたという喜びが大きかったし、本当に来れたんだ、来たんだ!という感動がじわじわと侵食してきた。
本気で行く気さえあれば、どこへだって行ける。行ってしまえばこっちのもん。そこはもうわたしの庭だ。
◆「怖い」の先入観ほど勿体ないものはない。
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4月にバルセロナに行った。行きも帰りも一人で空港泊だし、深夜・早朝のバルセロナをひとりで歩くスケジュール。
計画を立てている時は経験者にしつこいくらいに話を聞いたし、飛び立つ直前まで不安で不安で仕方なかった。
だってバルセロナってスリが多いってみんな言う。街は美しいけど、それだけは本当に気をつけてって。
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でも実際感じたバルセロナは全然印象が違った。
用心するに越したことはないけれど、人々は優しいし明るい。行き交う街では "Hola!" が飛び交う。ストリートにはミュージシャンやアーティストがショーを披露しているし、ジェラート屋さんにお土産やさんも賑やか。
街ゆく人だってみんなお洒落、街並みだって想像以上の美しさで目が奪われた。
怖い怖い、と思っていたのにそんなの思い過ごしだった。もしこれで「怖い」と思う気持ちに「行きたい」が負けてたら、わたしはこんなに素晴らしいチャンスを逃してたのか、と痛感した。
◆一歩踏み出せるかどうか。ただ、それだけ。
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1年前のわたしの海外経験は、ドイツ・グアム・セブのたった3カ国だけ。それが1年後のいま、10カ国になった。
10カ国なんて、周りの旅のベテランさんたちと比べたら全然少ない数。それでも、わたしの人生においてはかなり衝撃的な数字。きっと学生の頃の自分が聞いたら驚いて飛び起きてしまう。チキンな自分が本当に行けるようになるなんて。
勇気もないし、どこに行きたいかもよくわからないし(海外に行くこと自体が格好いいという一種のステータスのようにも感じていた)、渡航費高いし、やっぱり怖いし、何かあったらどうしよう...。
こんな無駄な心配ばかりで永遠に悩んでいた。
でも、一度行く、と決めてしまえばそこからはもう行くために行動するしかない。
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いまはskyscannerで調べればアジアなんて片道数千円で行けてしまう時代。TwitterやInstagramで調べれば多くの日本人があちらこちらで撮った写真をあげまくっている。
渡航費も、「誰も知らないから」「情報がないから怖い」なんて理由も言い訳にならない。
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それでも怖いのなら誰かと一緒に行けばいい。ツアーに参加するのだって全然あり。初めての場所こそ慣れた誰かと行くのが1番安全だし、安心しているときこそ思いっきり楽しめるもの。
その楽しさを知ってからひとりで旅するのだって全然遅くない。
去年の夏のはじめ頃。初めて仕事で韓国に行った。もちろん会社の人がいた。ここでも人について回ったけれど久しぶりの海外にそわそわしながら楽しむ余裕もあった。いま思えば、この韓国がそれ以降の海外熱に火をつけた気がする。
そのあと遠い遠いモロッコには素敵な10人の仲間と。このツアーでわたしは海外に対する恐怖という名の無駄な先入観を取っ払うことができた。
しかもこのツアー中に教えてもらったマルタには、モロッコから帰国後半年後に留学でいくことに。留学中にはヨーロッパの一人旅だってした。
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たった1年前のわたしでさえちっとも予想していなかった。1人で長時間のフライトを楽しんで乗り継いで全く知らない国に行くようになるなんて。まだみんなが知らない国に真っ先に行くことになるなんて。
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「旅に行きたい」最初にそんなちっぽけな夢を持ったのは高校の頃。もっと具体的にそんな人生だったらいいのに、と考えたのは大学生。それからもう6年ほども経った。経ってしまったけれど、いまのわたしはかつての自分が夢見た人生に近い生き方をしているのかもしれない。
夢見てたあの頃に比べて経験も知識も増えたし、少しだけ強くもなった、と思う。
旅はいつも思いがけないきっかけをくれる。人と食と文化との出会いもある。でもそれ以上に、少し強い自分と自分の好きを見つけるきっかけにもなる。
怖いなんて、最初だけ。必要なのは「行きたい」を叶えるちょっとの勇気を出せるかどうか。
学生の頃の自分に言いたい。その1歩でいいから早く踏み込んじゃいな。間違いなくカラフルで楽しくて優しい世界が待ってるから。
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