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北欧の地で冷風で髪の毛を乾かして風邪をひいた頭の悪い女は私です

デンマークに渡航して1週間が経った。
そして渡航3日目から体調を崩して今に至る。

北欧なので寒いのは覚悟していたが、一歩も動けなくなるような致死的な寒さではない。風めっちゃ冷たいな! やっぱ雪普通に積もってんのな! って感じで、でも日によっては晴れ間があって雪を一切見ない日もある。個人的には、今のところ日本の寒さよりデンマークの寒さの方が嫌な気持ちにならない。なんというか、日本よりデンマークの方が、寒さが潔い(?)。

2018年夏にフィンランドへ行ったのが最後の海外だったから、約5年半ぶりの海外である。緊張したし、長時間フライト×長時間トランジットで疲れていたものの、目的地に到着した安心感とこれから始まる留学生活が楽しみすぎてワクワクしていた。

日本からの準備物も、何度も確認して不足のない状態で出国した……つもりだったのだが、変圧器を忘れてしまったことに、コペンハーゲンの空港で気付いた。パソコンは恐らくなんとかなりそうだが、ドライヤーは絶対に使えない……。

仕方がないので、変圧器を現地調達することにした。インフォメーションで尋ねると空港のセブンイレブンに売っているとのことだったので、店員のお兄さんに「ドライヤーが使える変圧器が買いたい」と伝えて「これなら使えるよ~!」と言われたものを買った。のだが。

いざ留学先の学校に到着して、長時間フライト×長時間トランジットで疲弊している32歳の身体に鞭を打ち、「これから始まる楽しい留学ライフ」に心を躍らせることで湧き出てくるアドレナリンでその日を乗り切り、ようやく2日半ぶりにシャワーを浴びることができた(そう、ケチな私は出発から到着までの間、空港泊をしていたのだ。ゆえに2日半、頭も身体も洗っていない)。

上から下までスッキリし、明日からの学校生活もこれで不快感なく過ごせる~~と思いながら、購入した変圧器と共にドライヤーをコンセントに刺し、温風で髪の毛を乾かし始めた。


すると、私の頭上で何かがチカチカを光り始めたのが鏡越しに見えた。
少しの間、気にせず乾かし続けたが、視力の悪い私が裸眼の状態で見ても、どうもこの光はドライヤーから発されていることに間違いない。

一旦ドライヤーを止め、頭から離して再度電源を入れてみた。
すると、ドライヤーが火花を散らし始めた。


……これ、使えへんやつやん。
てかセブイレのお兄さん……使えるって言うたやん!!!!(泣)


とセブイレのお兄さんに責任転嫁しそうになったものの、お兄さん任せにせず自分でちゃんと調べて買うべきだし、お兄さんはセブイレ店員ではあるけど日本でいうエディオンとかヨドバシとかの電化製品専門のプロフェッショナルではないし、そもそも私が日本から持ってくるのを忘れなければこんなことになっていない。原因自分論である。

しかし試してみると、冷風だとドライヤーのご機嫌よろしく、火花を散らさなかったので、その日は冷風で乾かした。そしてこれが悪夢の始まりである。


翌日から少しだけ喉に異変を感じていたものの、毎日お風呂に入る習慣のある私は、翌日もシャワーを浴び、もちろん髪の毛も洗い、そして再び冷風で髪の毛を乾かした。そう、日本よりも圧倒的に寒い北欧・デンマークで。

ここまで読んだ頭の良い皆さんは、もうお気づき……かつ、私のことを少し、いや結構「アホやん……」と呆れているだろう。そんなことは私が一番よくわかっているが、このまま先に進ませてもらう。

そう、お察しの通り、さらに喉を痛め、さらに鼻水の症状も出始め、その翌日にはついに39.1度の高熱を叩き出したのだ。いやー、大したもんだ(何が)。

喉が痛くなり始めてから身体の節々も痛かったのだが、長時間移動の疲れか、ベッドのマットレスが合っていないのかどっちだろう? と考えていた。でも、熱があるから関節が痛かったんだなとこのときハッと思った。いや、頭悪すぎる。親が聞いたら心配するどころか頭悪すぎて呆れた顔を向けられること間違いない。

翌日は解熱剤を飲んでひたすら寝て、なんとか微熱にまで回復した。
心配したルームメイト(デンマーク人)が昼と夜の食事を運んできてくれて、それがまた病人にしてはフードファイト並みの量かつ消化悪すぎるものばかりだった。解熱剤のおかげで「こういう異文化の感じ方もあるのね」と面白がれるほどには回復していた。

翌朝、また気怠い感じが戻ってきていた。
やはり、30歳を超えての回復は、20代までのそれとはワケが違うなぁと再認識するのだが、今日はデンマーク語の授業があるので、どうしても出席したかった。初回の授業でデンマーク語の難しさを目の当たりにし、これは死に物狂いでついていかねば置いていかれる……! と恐怖を抱いていたのだ。

しかしここでもお察しの通り、発熱で頭ぐわんぐわん&鼻水垂れ流しの状態で集中などできるわけもなく、もちろん先生が言っていることも右から左である。ましてや話されるのは9割英語+1割デンマーク語。脳は開始1分でスパーク状態となった。

日本(というかアジア)と違って、重病人以外はマスクをしない国の人たちにとって、ここ数日マスクで生活をしている私は結構白い目で見られた。デンマークで、風邪なかなか治らない・マスク・オバサンに成り上がりました。いや成り下がったのか。どっちでもええか。

いや、普通に休めばよかったよね。周りにも迷惑だしね。ごめんなさいね。こういうところ、本当によくないと思ってるよ、32歳冬、反省。


熱も36度後半になり、諸々の症状も落ち着いた昨日、ルームメイトに「すまんやけど、かくかくしかじかで日本から持ってきたドライヤー使えんくって……貸してくれんかな……?」と恐る恐る聞くと「え、いいよ。ここ置いとくから自由にどうぞ~!」って快く貸してくれることになった。最初からこうしとけば、きっと風邪は引かなかった。留学というか海外で必要なのは、語学力じゃなくてコミュ力と体力だとひしひし感じた。

みんな、冷風で髪の毛、乾かしたらあかんで。

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