
何がしたくて2日もかけてここまで来たんやっけ?(早い)
デンマークに滞在し始めて2週間が経過した。
初週の怒涛のウェルカムアクティビティと、ドライヤー(冷風)で髪の毛を乾かした+疲れによる発熱を見事に突破し、滞在2週目を無事(?)に終えようとしているわけだが、早くも「私、何が目的でここに来たんやっけ……?」状態を発動中である。自分でもこの症状が出るのが早すぎる自覚はある。
大学生の時に4ヵ月アメリカに語学留学したときでさえ、この症状が出たんは半分の2ヵ月が過ぎたときだと記憶している。2週間ならずでこの症状、いったいどうしたんだ、私。
理由はいろいろあって、書ける理由と書けない理由はあるんだけども、大きな理由として「思ったことをすぐに吐き出せる気心の知れた人がいない」というのが割とでかい気がする。ここにきて、やはり人間関係で勝手に頭を悩ませてしまった。誰が悪いとかではなく、私があれこれ勝手に考えているだけなのだけども。一昨日なんて、空きコマに寮のリビングでソファに座りながら空を見ていたら「別に日本に帰ろうと思ったら帰れるんよなぁ」と思ってしまった。ちょうど1週間しか経ってなかったのに。我ながら、どうしてん、私。あんなに楽しみにしていた留学なのに、早く行きたいとさえ思っていたのに、なんでもう帰りたくなってんねん。
誰かに「デンマーク行ってこい」と言われたわけではなく、間違いなく、私は自分の意志でここに来た。にも関わらず、私は何にこんなにモヤモヤしているんだろう。
デンマーク語に全然ついていけてないからかもしれない。
そもそも人見知りで、初週は頑張ったつもりだけど空回って逆効果だった自覚があるからかもしれない。
「あ、今避けられたな」「この人、私のこと好いてないな」っていう、自分のことを良く思ってなさそうな空気を察知してしまったからかもしれない(あんまり誇れない得意技)。
英語もわかったりわからなかったりで、英語が理解できなければ頭真っ白でどうすればいいのかわからないからかもしれない。わかるまで聞けばいいやん、と思っていたけれど、何回聞いてもわからないままのときは為す術なしで脳内お手上げ状態になる。
先日、平日だったけれど、大学時代の友人に3時間ほど私の毒素吐きに付き合ってもらった。前職の後輩にも、昨日3時間ほど話を聞いてもらった。やっぱり気心知れた友人に、頭のなかを聞いてもらうのはスッキリするし、「ちゃんと聞いてもらえる」というのは安心する。来週も再来週も、週末に日本の友人とビデオ通話する時間を設けた。
日本語だから、英語やデンマーク語じゃないから、っていうのじゃなくて、「この人は自分を受け入れてくれる」という存在が、日本にいたときは当たり前でしかなかったけれど、今は本当に有り難い。やっぱり当たり前になってしまうと、その有難みに気付きにくいんだなぁ、とも感じた。
そこからは少しふっきれて、デンマーク人とか他の日本人とか気にせず、自分の気分の赴くままに行動してみた。喋りたかったら喋りかけるし、コーヒーが飲みたかったらみんなの輪に無理に入りに行かずに一人でもコーヒーを飲みに行く。私と喋っていた人が他の人と喋り始めても特に気にならないし、また私に喋りかけてきたら喋るし、喋る気分じゃなかったら席を離れる。
日本人あるあるなのか、私の性格なのか、周りの顔色や空気を伺うつもりがなくても必要以上に自然と気になってしまう(後輩には「先輩は前からそういう性格でしたよ」と言われたので、たぶん性格)。でも、私がここにいられるのは半年だけで、限られた時間だ。そんなことを気にしてメンタルを擦り減らすのは本望じゃないし、そんなことをするために私はここに来たのではない。
じゃあ私は何がしたくて、約2日もの時間をかけて日本からはるばるここにやってきたのだろう? 自分の頭を整理してみた。
「ヒュッゲ」を体感したい
これが最も大きい理由で、北欧関係の会社に勤めてから今まで、北欧文化に興味を持ち続けていた。本、雑誌、ネット、北欧通の人などからたくさん情報や知識をゲットしていたが、そのなかでもデンマークの「ヒュッゲ」文化に興味があった。
ヒュッゲは自分の心地よい時間を過ごすことで、それは誰かと話すことかもしれないし、一人で黙々と編み物をすることかもしれないし、人ぞれぞれ違う。違うけれど、自分の心が落ち着く空間で過ごすことを「ヒュッゲ」という。
文字や人づてで得た情報だけでなく、この文化を身をもって体感したかった。そして、本当にデンマーク人は男女年齢立場問わずに「ヒュッゲ」を重んじていて、それにかける時間を十分にとっているのか? という、日本ではなかなか得られない「リアルなヒュッゲ事情」を知りたかった。これが私がわざわざデンマークに来た理由の大部分を占める。
先日、デンマーク人から私の知りたかった、日本にいるだけじゃ絶対に知れなかった「リアルなヒュッゲ事情」が聞けた。それが聞けただけで、私もう目的果たせたから日本に帰ってもいいんじゃね? レベルで良い話だったのだけど(帰らないけど)、そういう話をいろんなデンマーク人から聞きたいなぁと思った。だから日本に帰ったら一生使わないであろうデンマーク語の勉強をちょっと頑張ろうと思ったし、せめて英語は8割ぐらい理解できる&自分の言いたいことを伝えられるように心がけたいなぁと思った次第である。
で、行き着いたのが「ヒュッゲについてデンマーク人にインタビューしまくる自主企画」ができたら楽しそうだなぁということ。そのためにはもうちょっとここでの生活でメンタルを安定させて、慣れて、ストレスを軽減させてからの方がいいと自分では思っているので、ゆっくり進められたらなーーという感じである。
大学時代のクソ留学生活をやり直したい
ちょっと(割と?)ネガティブな理由として、大学時代のアメリカ4ヵ月留学が楽しくなくて、やり直したいというのも一つある。
当時大学生だった私はもちろん精神的にも若くて、大学生らしく尖った性格をしていた。今も綺麗な丸ではないが、社会に揉まれたおかげでいびつながらも少しは丸くなったと思っている。
そんな尖った大学時代、周りの日本人(特に女子)とソリが合わなかった。偶然1回生のときのクラスメイトや、共通の友人が複数いる子と同じ派遣先になったので、その子たちに助けられながら過ごしていたものの、その他大勢と当時の尖った私はまぁ相性が悪かった。
極めつけに、ルームメイトも最悪の極みだった。1人目は部屋に男を連れ込み、私が空きコマに部屋に荷物を置きに戻ると明らか事後で、2人仲良くベッドでお話していた。その数日後、彼女は他の部屋に引っ越してくれたけど、2人目のルームメイトは盗み癖のある人で、私のウォークマンやら何やらを盗んだあげく逮捕されていた(物はちゃんと返ってきた)。
そんな留学生活を過ごした私は、帰国時に空港まで迎えに来てくれていた父に向かって発した第一声が「めちゃくちゃおもんなかった」だった。我ながらクソみたいな娘である。
当時の留学で良かったこと挙げて? と言われたら「……台湾人がみんな優しかった」ぐらいしか言えない。それが言えるだけでも良いのかもしれないが。
ともかく、多少社会に揉まれて多少丸くなった今なら、留学先に日本人がいたとしても当時より上手くやりくりできるんじゃないかと思い(結果そこまでうまくいっていないが)、「留学、楽しかった」と死ぬときに思いたいというのも理由の一つ。
……それぐらいか。
幸い、ルームメイトは(少なくとも今のところは)めちゃくちゃ良い人だし、そしたら私は「デンマークのリアルなヒュッゲ事情」を追い求めればいいだけなのでは? 仮に周りの人々(デンマーク人や日本人問わず)からめちゃくちゃハブられたとしても、その目的だけ果たせれば、私がデンマークに来た理由があるし、それでオールオッケーじゃない?
と、いうことで、友人たちと話して文章に書きだすことで、ここ数日の「私、ここに何しに来たん?」症候群によるモヤモヤがなんとなく収まった気がする。文章でも話すことでも、頭の中を吐き出すのって大事だなぁと思った所存。
パニックゾーンに入らない程度に、目的達成したいなと思いました。
とりあえずデンマーク語の数字を頑張って覚えます。