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看護師からのキャリアチェンジは成果を出すことができるのか

コントレアにジョインしてからの私の問い、それは
「看護師から企業転職でどのように価値を発揮できるのか、成果を出せるのか」
ということでした。

というのも、私がコントレアで最初に入った部門は「メディカルチーム」というコンテンツ制作を根底にしながらも、よりプロダクトの価値創出をドメインエキスパートとして価値創出することを期待されており、社外にはメディカルチームという部門がないなか、私のみならず、部門の役割、バリュー自体も模索しなければいけなかったという背景があります。

上司から目標を、ノルマを課されるわけではなく、自分で自分の役割、チームの価値発揮、そして今後のキャリアというものを模索しなければなりませんでした。

この1年半、メディカルチームの立ち上げに関わり、今は2人目、3人目のメンバーの採用及び権限委譲を行い、今マーケティングディレクターとしてマーケティング部門の立ち上げに携わっています。


コントレアの求人応募やSNSを目にするなかで、看護師から企業転職へのキャリアチェンジは、肌感覚ではあるものの年々増えてきているように感じています。

私自身も採用に関わり、一般的な就職活動に経験のない看護師のキャリアチェンジは最初の転職活動がまず大きな壁になるということを痛感しました。

そのためか、看護師のキャリアチェンジに関するコンテンツは
・どうすれば看護師からキャリアチェンジできるのか
といった、ハウツーやtipsに関するものがほとんどで

ファーストキャリアとして看護師で病院で働いていた方たちが転職後に
・どのように活躍し成果を出しているのか
・キャリア形成

については、あまり多くの事例が世の中に出回っていないのが現状で、自身もロールモデルを見つけるのにとても悩みました。

成果を残したと言うにはまだまだ早すぎますし、私自身に足りない部分、伸ばさなければならない部分というのはもちろん沢山あるのですが、私の1年半というものを振り返り、きちんと言語化することが少しでも誰かの役に立つことができれば良いなと思います。

看護師から転職を考えられている方、転職したばかりの方のみならず、
・アーリーフェーズでのスタートアップ転職を考えている方
・医療者から転職をしたがどのようにバリューを発揮すれば良いのか迷っている方

にも少しでもお役にたてる事ができると嬉しいです。


こんにちは、コントレアの河瀬(https://x.com/_kawa_mi)です。

去年書いた入社エントリは多くの方に見ていただいたようで、カジュアル面談や新しく入社したメンバーからも「note読みました!」と言っていただき、私のnoteが何かしら人に影響を与えたり、コントレアを知っていただくきっかけになっていると思うととても嬉しいです。

「河瀬ってどんな人?」
「看護師からどうやって転職したの?」
という方は、よければこちらもご覧ください!


転職してからの1年半、「何」をしたのか

まず、私が入社してからの何を成果としたかを振り返ります。

<患者さん向けの説明動画の動画制作マネジメント>

入社して所属したのは前述の通り、患者さん向けの動画制作をメインで執り行っている「メディカルチーム」でした。

当時の説明支援の動画コンテンツは医師向けのものほとんどで、看護師にはリーチできていない状況でした。

病院の入院説明業務、入院周りの業務の多さに課題を感じていた私は、入社してすぐ看護師向けの「入院説明」の動画制作PJを遂行することを決めます。

コントレアで初めての看護師資格保持者であったこともあり、この入院案内動画の企画をほぼ1人で遂行することにしました。

会社としてもリード獲得が喫緊の状況であったため、動画の正式リリース前にSalesチームがプロトタイプを当てられるように早急にプロジェクトを進めていった結果、今では説明支援のプロダクトの中でも主力かつ人気コンテンツになり、多くの医療機関ご利用いただいています。

この入院説明動画の制作を皮切りに、病院での別部署からのアポ獲得や入院支援や周術期周りのプロダクト開発を進めるきっかけにもなったと考えており、入社してすぐに行動して良かったと思える出来事でした。

コントレアの提供しているプロダクト、「MediOS説明支援」の動画制作の裏側についてはこちらで触れているので良ければご覧ください。↓


<部門目標設計>

コントレアではクオーターごとに部門の目標設計をしているのですが、私は入社早々に部門の目標設計をすることになります。

当初は、売上が今よりも立っている状況ではなく、顧客も多くない中であったこと、また私自身も今まで部門目標というものを設計したことがなく、何をどう設計していいのか分からなかったこと、そんな色々な環境から途方にくれます。

「動画制作の部門なんだから、動画制作の進捗をそのまま目標に置き換えてしまえばいいのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当初のメディカルチームは動画制作以外にPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)の役割も求められていたのですが、このフェーズでPMM部門を置いている会社はどこにもないし、そもそもPMMってよく分かんないし!

その上、私がいるチームは私社員1人とインターン数名。リソースは十分ではありません。


このような状況から
・チームの役割期待
・今いるメンバー「だから」提供できる価値
・現実と理想のギャップ
・短期/長期の事業目標に対してチームが貢献できること

をひとつひとつ整理しながら目標の優先度と到達目標を決めていきました。

壁をぶち壊そうとする私(イメージ)


しかし、スタートアップの3ヶ月は短いようで、長く
クォーターのはじめに立てた目標を実行してみると1週間前、2週間前に立てていた仮説が実は全く違っていた、道筋がズレていた、解決できないイシューが隠れていたということがあります。

スタートアップの特性上、実行や仮説検証してみると「あれ、なんか違うかも?」という壁にぶつかることが多々ありますが、そのようなときもすぐ軌道修正や優先度を変えていくスピード感を意識しました。

<部門予実作成>

コントレアの動画コンテンツはクオリティの高さを強みにしており、多くの制作費用を投資していましたが、私が入社した当初は動画制作の原価管理が全くなされていない状況でした。

どの動画コンテンツにどれくらいのコストを投じたのか、「ざっくり」しかわからなかったのです。

当時の経営企画室長の西尾と話し、早急に過去の実績をまとめ、部門で予算を立てられる体制を作らなければいけないという話になりました。

もちろん入社したての際は、原価管理の重要性をきちんと理解できないまま、言われるがままに過去の請求書をかき集め、過去の制作原価を可視化出来る状態にしたのですが、部門の予算を作るようになってやっと、「このときのために制作費用を出していたのか…!」と私がやっていたことがどれだけ重要なことであったかを落とし込むことができました。

それと同時に、病院にいたときには見えていなかった会社の仕組みというもの、部署と部署の関係性というものを徐々に理解していくきっかけになりました。

↓当時の状況が綴られているnote


<採用>

メディカルチームが動画コンテンツを制作するだけの部門であれば、2人目に採用するメンバーの採用要件は多く悩むことはなかったかと思うのですが、前述の通り当時PMMとしての機能も期待値として渡されていました。

とはいえ、まだまだ部門としても整いきれていない部分もあり、また動画制作や説明支援のプロダクトのグロースについてと考えなければいけない、、、

そのような中で部門として採用できるのは「ドメイン知識を持ち、短期でのコンテンツ制作にとどまらず、長期視点でもドメインエキスパートとしてバリューを発揮できる人、また、様々なことが変わりゆく中でも柔軟に対応でき、そしてその人がいることによって部門の可能性を多面的に考えられる人」を採用する一択でした。

幸運なことに、臨床経験を経たあと、大学院に進学し、修了後にまた臨床での実践をし医療ドメインの知見が深く、またビジネス未経験でありつつもタフさと物事のキャッチアップの能力の高い吉田が入社してくれたことで、部門の可能性を大きくひろげることが出来ました。

さらに運良く吉田が入社した数カ月後には、3人目のメンバーとして、コントレアに長年業務委託で携わってくださり、社内の課題感への解像度が高く、またコンテンツで社会課題を解決したいという情熱にあふれているアニメーターの橋本もジョインしました。

吉田と橋本が入社してくれるまで、孤独なことも多く、また部門のバリュー発揮についてとても四苦八苦することが多かったのですが、吉田の処理能力と分析・思考能力の高さと橋本のアイデアやクリエイティブ性に大きく支えられ、今では私がいなくても部門が機能する状態になりました。

↓愛子さん(吉田)の入社エントリ。


何に気をつけて動いたか

ここまで私の実際にしたことについて振り返りましたが、目まぐるしい日々を過ごす中で、「何」に意識して動いていたのか、言語化してみました。

<早く経営の視点を身につけること、当事者意識を持つこと>

コントレアではボードメンバーと各部門の目標設計者が週次で目標進捗や中長期の事業計画について議論する「オブジェクト会」というミーティングがあります。
毎週毎週、ボトルネックや方向性について議論するとき、私はふと「自分より企業での経験もあり、各領域での経験・知見がある人たちばかりなのになぜ私達はこんなに壁にぶつかるんだろう、誰も答えを教えてくれないんだろう」と思いました。
チームの目標設計や期待を伝えられたときと同じような気持ちになったことを覚えています。

オブジェクト会を通して、自分自身もマーケティング〜セールスの目標に関わる中でひたすらにインプットを続けていたある日、あることに気づきます。

コントレアのビジネスモデルは、BtoBtoCかつバーティカルSaaS、そしてリードタイムの長い医療機関への営業...という相当難しいゲームの中に私達はいるんだということ。

様々な媒体で「スタートアップのいろは」というものは転がっていますが、コントレアが戦う特殊なゲームルールのなかでは、それを教科書通りにやってもうまくいかないことがある、変数があるということに気づきました。

自分たちがパイオニアとなって医療業界に変革を起こすのだから、予測不可能なことが起こるのは当たり前ということ。
どんなに経験、知見のあるメンバーであってもそれは「初めて起こる事象」なのです。

当たり前のことなのに、ずっと気づきませんでした。

上長の西尾は
「自分たちは特殊なゲームルールの中にいる」
「ゲームルールをどう攻略するかが大事だ」

とよく口にしており、入社当時は全く言っていいほど理解できなかったのですが、そのときにやっとその言葉を落とし込めた気がします。


CEOの川端も、執行役員の西尾も、スタートアップ経験者でも誰も答えを持っていない、やるべきことは10人規模のスタートアップでどれだけ確度の高い意思決定をし、どれだけ早く仮説検証を回せるかにかかっているということに気づきました。

CEOや役員の意見に従うこと、単に批判することは容易なことだと思うようになると同時に、ボードメンバーの意思決定に自分自身も責任を持てるよう川端や西尾から渡される情報から、自分がこれを意思決定する立場であればどうするかを考え、オブジェクト会で当てていきました。

おそらく中には、すでに議論尽くされたもの、筋の悪いものもあったと思うのですが、「いち社員として、会社に雇われている身として」ではなく、「経営に関わる身として」解を出すことを意識して行動しました。


<自分の部門から近い部門の知識を身につけ、社内の共通言語を理解すること>

コントレアにジョインして、医療者ということもあり、病院の医療者とコミュニケーションすることや医療のドメイン知識をインプットすることは苦ではありませんでした。

むしろ、私が苦戦したのは社内の各部門とのコミュニケーションでした。
「自分が伝えたいこと、やりたいことが思うように伝わらない」のです。

病院で働いていたときも、院内の他部署と連携をとる事はもちろんあったのですが、そこでは全く苦戦しなかったコミュニケーションの壁にぶつかります。

他部署のメンバーと話していくうちに気づいたのは、職種、部門によって全然違うコミュニケーションスタイルがあるということ、そして社内と病院とでは力学法則が全然違うということでした。

病院の中だと「患者さん」が主語となり他部署とコミュニケーションが成り立つのですが、社内では各部門の優先度や求めるもの、思想というものが各部門、また部門によっては人によっても異なるということを知りました。

この状況から私は

  • 自分の部門に近いBiz領域、プロダクト領域のインプット

  • 各部門の目標と設定背景の理解

  • 部門のボトルネックの理解

  • 部門の優先度の決め方とステークホルダーの理解

に努めました。

とにかく私の部門調整の手際の悪さや他部門へ対する理解の不足で何かを先延ばしにする、遅らせるという状況を避けることに必死でした。

医療者視点でのプロダクト改善の優先度や部門内のプロジェクトの優先度を理解してもらうということは、同時に他部門の専門知識や目標・進行しているプロジェクト,マネージャーやリーダーの苦しみを理解するということも必要であることを学びました。


<会社にとって今必要なことであれば、部門を問わずに自分で決めて動く>

私が入社したときの社員数は10名程度。
部門があってないようなもの、部門どころか会社自体も「サークル」「部活」といっていいくらい何もない環境でした。

まるで部室のようなオフィス


部門での役割定義や責任範囲はもちろん必要なのですが、それだけをしていると必ずなにかボールが落ちていました。

例をあげると、私がコントレアに業務委託としてジョインした当初は、新しいコンテンツや機能がリリースしているにも関わらず、PR・広報の部門が社内にないことにより、半年以上プレスリリースが公開されていなかったり、コーポレートサイト・プロダクトサイトが全くといいほど更新されていなかったということがありました。

落ちているボールの中で、自分がやったほうがいいこと、今やったほうがいいことに関しては自発的にボールを拾うように決めたのですが、何かミスをしても自分ないしは他メンバーでリカバリーが効くもの、自分で責任が取れるものに関しては、上長に相談せずに実行しました。

もしかしたら他メンバーからは優先順位が間違っていると思われたこともあったかもしれませんが、落ちているボールを見過ごすことによって会社に機会損失をもたらす可能性があると思うとやらないわけにはいかなかったのです。

また、会社・組織の機会損失を防ぐという観点以外にも自分を信頼してもらう、そして、その信頼の積み重ねで自分の裁量権を大きくしていくということを考えていました。

ー 入社当時の自分にあったのはすこしのドメイン知識だけ。

スタートアップはおろかビジネスの経験もほとんどなく、かといってコードを書ける訳でももちろんない

こんなスキルと実績では、どれだけ自分の中にビジョンがあったとしても、やりたいことがあったとしても、裁量権を持てるはずが、大きなプロジェクトを任せてもらえるはずがありません。

なので「ここ困っているんだよね」とか「これもっとよく出来るはずなんだけど」というふわっとしたボールでも、とにかく私だったら全部丸投げしてもうまくやってもらえるだろうという印象を残すために、ひとつひとつのタスクを巻き取り信頼を作っていきました。

そして、もう一個ポイントになるのは、「落ちたボールはなるべく連続して拾わない」ということ。
インターンに権限委譲する、仕組み化するなどして、ボールが落ちないようにする体制を整えました。

というのも、10人程度のスタートアップでは自身がどこにリソースを力量を割くかによって、会社のバリュー創出に大きく影響します。

自分自身の時間も有限。
そのため、機会原価を意識しながら今後は自分でなくてもできるであろうことは積極的に権限委譲していきました。


1年半の葛藤と学び

ここまで自分のやってきたこと、意識したことについて触れましたが、この1年半での多くの挑戦や失敗、葛藤からの学びは「立場が、環境が人を作る」ということでした。

例えば、採用ひとつとっても、メンバーを採用するという経験自体が私にとっては初めてで、人を採用するということは、その人の人生・キャリアに私が影響すると考えており、とても覚悟がいることでした。

当時の部門は、自身の理想とする姿、描くビジョンというものから程遠く、また自分としても今後の部門・キャリアの伸ばし方について迷っていた時期でもあったため、その状況の中で新しいメンバーに入社してもらうということは、プレッシャーでもあり、責任が伴うものだと考えていました。

しかし、前述したように吉田、橋本の入社により、部門の可能性というものが大きく引き出され、また私はマーケティングチームの立ち上げをするという、会社にとってもポジティブな出来事になりました。

入社して1年も経たないなかで部門のメンバーの採用に関わることができたのは、コントレアでの自分の在り方というものを改めて意識するきっかけにもなりました。

このように、ひとつひとつの葛藤や成功体験であったり、事業や組織の危機的状況や予想外の出来事に何度もぶつかったことで、大きく成長することが出来たと思っています。

たくさんの荒波に揉まれることを知るよしもないジョインしたばかりの鈴木(経営企画室)と私


入社から1年半。今何をしている?

このような流れを経て、私は今マーケティングの立ち上げを行っています。
やっと新メンバーを迎え入れ、メディカルチームがより会社の核となるチームとなってきたなかではありますが、また新しい挑戦をすることになりました。

これも前述した成果や行動がなければ、おそらく今、私がこの役割をすることはなかったであろうと思っています。

実はマーケティングチームの立ち上げは、
「メンバー増えてきたし、もっと事業も伸ばしたいし、そろそろ立ち上げるかあ〜」ではなく、

「当時リードの管轄が曖昧となっていて、KPIから逆算したら全くリード数が足りない状況になっていた」

という状況からでした。

そこで、川端・西尾からマーケティングチームの立ち上げを打診されるのですが
私のなかでは「やります」の一言でした。

というのもこの1年半、メディカルチームの役割や自身の立ち位置や今後のキャリアについて悩み、出た結論は

「コントレアのプロダクトを多くの医療者に患者さんに必要とされ、使ってもらい、そしてそれによって会社が成長することが何よりも大事。そのために必要なこと、必要とされることを全うしよう」
ということでした。

自身のやりたいことやキャリアを考えて行動することは二の次三の次で、プロダクトを知ってもらうこと、使ってもらうこと、会社を大きくすることが何よりも重要で、それを通した経験が私の血肉となり、自然とキャリアにつながっていくと考えたからです。

そして、今までの私は「看護師なのにこのようにキャリアチェンジしてすごい!」とか
看護師からキャリアチェンジ出来たこと、今は違うフィールドで仕事をしている
ことを褒めていただいたり、認めていただくことが多かったように思います。

しかし、これからは「看護師なのに」「看護師だから」という資格や過去の経歴も鑑みて評価されるステージではなく、「私自身」が出した成果が評価されるフェーズに入っていくだろうと思っています。

「看護師だったから」とか「BtoBマーケは未経験だから」とかいう言い訳、言い逃れは通用しません。
過去の経歴というものに縛られることなく、成果を出すことに集中してこれからも多くの挑戦をしていきます。


でも、この大きな挑戦をするには私だけの力では、今いるメンバーだけでは、到底太刀打ちできません。

一緒に挑戦してくれる仲間が必要です。

少しでも医療者からキャリアチェンジに興味がある方、もしよければ私達と新しい挑戦をしてみませんか?

〈お仲間募集〉


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