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体感覚が教えてくれる記憶と可能性
先日、Netflixでとても感動的な作品に出会いました。涙が溢れて止まらず、全8話×2周を2日間で完走してしまうハマりよう。それほどまでにその作品が心に深く残った理由は、ストーリーや映像の美しさはさることながら、私たちの「五感」を通して記憶が掘り起こされる表現に深く共鳴をしたから。
聞くだけで一気に青春時代に戻れる音楽、花の色や香り、美しい景色を流れる風の感覚…。視覚、聴覚、味覚、触覚など画面を通して伝えられる体感覚は、まるで自分自身もその中で一緒に体験しているかのよう。そんな体験ができたのは、この映画が五感、つまり「体感覚」を大切にしていたからだと思います。
体感覚とは、私たちが日々の出来事を通じて感じる身体的な反応や感覚のこと。良いことがあったとき、自然と心が弾んだり、逆に怖いことがあると体がすくんだり…。こうした体感覚は、私たちの記憶や行動に深い影響を与えます。
今日は、私たちの体感覚がどのように記憶や行動に影響を与えるのか、そしてそれをどのように活用できるのかについて、書いていこうと思います。
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体感覚が記憶に刻まれる瞬間
私たちの体感覚は、感情と記憶に直結しています。たとえば、楽しみな予定に胸がワクワク高鳴ったり、やる気に満ち溢れるときは体が自然と動き出したりすること、ありますよね。反対に、不安や恐怖を感じるときには肩がすくんだり、手足が震えたり…。実はこれらの反応・体感覚は、過去のなにかしらの記憶と結びつき、私たちの行動に影響を与えていることが少なくありません。
私自身、体感覚の記憶がどれほど深く刻まれるかを実感した出来事があります。あれは学生時代イギリス短期留学の際、拠点にしていたロンドンからフランス・パリまで日帰り旅行に行った時のこと。シャンゼリゼ通りを歩き美味しいものを食べ、さあそろそろロンドンに戻ろう、という頃、北駅(Gare de Nord)で突然、強盗に遭いました。
バイクに乗ったふたり組みが周りを取り囲むようにグルグル走行してきたと思ったとたん、彼らのうちの一人が私の腰に手を伸ばし、ショルダーバックを引きちぎってそのまま逃げていったのです。
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一瞬の出来事でしたが、パスポートごと盗られたことに気がつき、頭が真っ白になりました。また、もしカバンが引きちぎれることがなければ、私は体ごとそのバイクに引きずられていたかもしれません。その後パリ滞在を延ばし、パスポート再発行で無事に解決はしたものの、その体験は私の体に恐怖を残しました。
その後もバイクの音を聞くと、体が勝手に緊張して身構えてしまうことが続いたのです。特に背後から迫ってくるときは、いったん立ち止まって振り返ることをしなければ安心できませんでした。これは、音と恐怖の記憶が体感覚を通じて結びついているひとつの例になると思います。
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体感覚が与えるプラスとマイナスの影響
このように、体感覚は、私たちが身を守る重要な役割を果たしてくれています。過去の体験を元に「危険」を感知し、体が警戒を促してくれるのは、人間の自然な防御反応と言えます。
ただ、この仕組みが過剰に働くと、私たちの可能性を制限してしまうことがあります。たとえば、過去の失敗やトラウマが体感覚として残り、それが新しい挑戦や選択を妨げてしまうときは、体感覚がネガティブに働いてしまい、可能性を狭めてしまっていると考えられます。
その一方で、この体感覚がポジティブに働くとき、私たちは驚くほど自由でスムーズに行動できます。心地よさや直感を信じて動くことで、結果的に自分の力を最大限発揮できることもあります。体感覚が「味方」になったときの強さは、私自身、何度も経験してきました。
体感覚と向き合い、可能性を広げる方法
体感覚は私たちに大切な「サイン」を送ってくれています。それがポジティブに働いている場合は、そのまま活かしていけばよいですが、もしネガティブに作用していると感じるときは、その原因を丁寧に探り、手放していくことが大切です。
先の強盗体験は、その後同じような場面で何度も後ろを振り返っては、「バイク音がしても安全である」という体験を積み重ねることで、徐々にその恐怖はなくなっていきました。同じように、自分で原因がわかる場合は、向き合って癒すことで徐々に薄れてさせていくことができます。
でも、自分一人で原因を解きほぐすのが難しい場合、あるいは幼少期からの環境などの影響から根が深い場合は、私自身コーチングのサポートがとても役立ちました。今私が今提供準備をしているコーチングでも、体感覚に注目し、そこに隠されたブロックを一緒に解きほぐしていくことを大切にしています。過去の記憶に基づくネガティブな反応を整理し、新しい行動や選択ができるようになるサポートをしています。
まとめ
体感覚は、私たちの記憶と感情をつなぎ、行動の源となる大切な要素です。それがポジティブな方向に働くとき、私たちは自分の可能性を最大限に発揮できます。しかし、過去の記憶が体感覚として残り、ブロックになっている場合、それを癒したり、解きほぐしてみることが必要です。
まずはあなたの体感覚に目を向けてみることから。毎日5分の瞑想などで、ゆったりと自分に向き合う時間を作るところから始めてみるのはいかがでしょうか。体からのメッセージを受け取ることで、自分らしく生きる力を取り戻せるようになります。
フリーランスAKIKO/いやすあきこ ライフキャリアコーチ
「本当の自分と繋がって理想の生き方を実現する人を増やし、
愛や幸せの感情を世界に増やしていくこと」を使命に
働き方・生き方のサポートをしています。
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