ホラネロって? 〜地域の魅力を音楽で発信〜
初めまして。
名前は、ホラネロです。
ぼくたちはホラネロという名のフルートとギターの夫婦音楽ユニットです。
フルートとギターのデュオはごまんとありますが、
ホラネロの音楽はちょっと変わっています。
フルート、ギターの他に「イイな!」と思ったものを音楽に取り入れています。例えば・・・
ヒグマの上腕骨
オオイタドリ(野草)
白花豆の支柱の竹
黒曜石
その他にも流氷の鳴き音、唐箕(とうみ)、漁船のエンジン音、集乳缶、犬釘etc...を楽器にしちゃいます(^^)
これで音楽出来るの?!・・・謎だらけですよね!
これらのアイテムは、ぼくたちホラネロが暮らす北海道オホーツクにあるものです。
ちなみに
オホーツクはこんな場所
北海道、オホーツクならではの素材で笛やパーカッションなど楽器を作ったり、音自体をサンプリング(音を録音し、楽曲の中で使うこと)して楽曲の中に取り入れています。
なぜそんな事をしているか?
奇をてらっているだけ?
いいえ、理由があります。
それは
「地域の魅力を音楽で表現したい!」
からです。
自然豊かな場所に暮らしていて、周りを見渡せば魅力的なものが沢山ある。そこに住む人もまた、素敵な方がたくさん。
そんな素敵な “場所” や “人” との出会いを音楽で表現して
次世代の子供達に自分たちが住んでいる場所の価値を再認識して欲しい。
何より、身近な人たちにぼくたちの音楽を喜んで欲しい。
ぼくたちが住んでいる土地には農家や漁師など “命の糧” を作っている人々がたくさんいます。
この土地で暮らすミュージシャンとして、ホラネロは
“心の糧” を作りたい。
そのような想いで作られた音楽をぼくたちは
“ジオミュージック”
と名付けました。
北海道に移住する以前は
東京に住んでいました。
フルート、各種笛担当の妻・谷藤万喜子は北海道出身で東京藝術大学大学院音楽研究科(室内楽専攻)を修了。
東京ではオーケストラや室内楽、スタジオミュージシャン、フルート講師をしてきました。
作編曲、ギター担当の本田優一郎は東京出身。
宇多田ヒカル、THE ALFEE、高見沢俊彦、大黒摩季、ベッキー♪#、樋口了一らの作品やライブに作編曲、ギターリストとして参加。映画音楽では「CASSHERN」北海道テレビ放送の「水曜どうでしょう」において『1/6の夢旅人2002』に編曲、ギター演奏で参加
等の活動をしてきました。
最近でもTHE ALFEEの楽曲にアレンジャーとして参加しています。
谷藤、本田と苗字は違いますが夫婦です。
(ちゃんと籍は入っていますよ!)
そして二人の息子を授かり、東北大震災をきっかけにより良い子育ての環境を求めて妻の実家がある北海道に移住してきました。
買った楽譜で既存の曲を演奏するだけではなく、
せっかくならホラネロならではの作品作りをしたい。
そんなわけで地域の魅力を音楽で発信するべく日々頑張っています。
言葉だけでは伝わりにくいので、実際に曲を聴いてもらいましょう!
例えば、ヒグマの上腕骨で作った笛を使った作品
『ヒグマのうた』
この曲を作るにあたって、知床ウトロ学校の小学生たちと世界自然遺産の森に入り、音探し遠足をしました。
森の中では熊の巣穴や木に残った爪痕を横に見ながら、熊追いの「ホイホ〜イ」という掛け声を森の中に響かせました。
そうそう、断崖の上からオホーツクの波の音を聞いている時、トドが泳いでいる姿も目にしました。
ヒグマが巣穴に敷く落ち葉を踏みしめてシャリシャリする音に耳を傾けたり、倒木の枝を木琴に見立てて叩いたりもしました。それをその場でぼくが録音(サンプリング)します。
動物たちの命の糧になる木ノ実も、一握りお裾分けをもらってマラカスにしました。
「ヒグマのうた」はこうして集めた音素材で豊かな森を表現しています。
そしてお披露目のコンサートの様子は、NHKの「クローズアップ北海道」で取り上げられ、30分番組として全道に放送されました。
次は、オオイタドリの笛を使った作品
雪根開き/いのちの森
オオイタドリの名前の由来は、葉をもんで打ち身に貼り付けると痛みが取れる(痛み取り)ことから、イタドリと言われるそうです。
北海道ではいたるところで見かけられ、アイヌの生活にも使われてきたそうです。
枯れた茎はとても丈夫。節と節の間が長いものを選んで笛にしました。
歌口は尺八と同じ構造で、野性味のある味わい深い音が特徴です。
野草だからこそのリッチな音色は、理屈抜きで人の心を癒してくれます。
森の中で演奏するのにぴったり。
次は、鮭の定置網漁船のエンジン音や、カモメの鳴き声などを使った作品
アバリ
この時は音探しをしに、フルートの谷藤万喜子が幼少時代を過ごした雄武町に行きました。雄武町はオホーツク海に面した港町で、美味しい “メジカ” で知られています。
4thアルバム「ヒグマのうた」では、ヒグマの暮らす豊かな自然、そこに関わる人の営みを音楽で描いています鮭はヒグマと人が共有する命の糧。
その鮭で有名な雄武町の漁業協同組合に取材を申し込んだところ、実際に作業現場を見せて頂けることになりました。朝5時に乗った鮭定置網漁船での体験も刺激を受けましたが、それ以前に時間をかけてひっそりと行われる仕込みの作業風景に感動しました。
漁が始まる数ヶ月前、漁師たちは大きな倉庫に集まって自らの手で網を修繕します。アバリはその修繕の道具で、10年かけて様々な技術を身につけるのだそう。
安全な漁が行えるのも、この技術あってこそなんです。
買って済ませる事も出来る壊れた網の修繕を、わざわざ自分たちでするのは「技術を次世代に受け継ぐ為」なんだそうです。
世界的に次の世代へ良い環境を残すことが叫ばれていますが、漁師の世界でもそのアクションがあるんですね。カッコイイです。
次は、北海道ならではの“開拓”をテーマにした曲
北のひかり
テーマは “開拓” と “五穀豊穣”
曲作りの舞台となったのはオホーツクにある農業の盛んな町、訓子府町。
この曲では “訓子府小学校スクールバンド” の子供たち、
“ホラネロライブ訓子府実行委員会”の皆さん、そしてホラネロが一緒に探し出した音素材が使われています。
探した場所は ”くんねっぷ歴史館” 。
地元ならではの音素材を探すため、展示品について学びながら開拓者の目線で本物に触れ、それらの中から、いくつかの素敵な音を発見しました。
・開拓当時に使われていた島田鍬や窓鍬
・伐採された木を運ぶ為の鉄道で使われていた犬釘
・訓子府の主要産業である農業や酪農で使われていた唐箕(とうみ)、集乳缶など・・・
これらを叩いたり、擦ったり、廻したりと、様々な方法で音を集め、曲の中で使用しています。
実は富山県に、日本最古の民謡と言われている『こきりこ節』という曲があるのですが、五穀豊穣を祈願したこの曲のなかでも実際に農作業で使われる鍬を叩いて楽器 “鍬がね” として使用されます。
『北のひかり』も現代の『こきりこ節』として、五穀豊穣の願いを込めて作曲しました。
曲名の『北のひかり』は、訓子府の開拓の礎を築いた “北光社” から名付けました。
北光社による当時の開拓民募集広告には
『ここに楽天的な村を建設して、天を仰いでは土地を耕すことができ、
そこには政治の圧力もなく、なんら束縛もない、迷信も罪悪もない、
馬鹿げた義理や習慣風俗もなく、有るものは一人一人に田畑あり、
家もあって幸福自由あり、人情もあって一つの理想的な社会をつくり出すことができる。
実に人生にとってこれ以上うれしいことはないのではないか。
どうか働きたい人は、奮って北光社の旗印を信じて募集に応じてきてほしい。』
とあり、現代の理想郷を作ろうとした熱意が伺えます。
『音を介して故郷(ふるさと)を想う』
これは、私たちホラネロの音楽作りの礎です。
自分達の住んでいる地域、町、都道府県、国、それぞれ規模は違いますが、全て故郷(ルーツ)と言えるでしょう。
ちょっと胸に手を置いて、あなたにとっての故郷を想い描いてみてください。
記憶の中の綺麗な景色や美味しい食べ物、人々の優しさなどから、
『懐かしさ』『恋しさ』『憧れ』など、特別な想いが沸き起こることでしょう。
いかがでしたか?
ここでは紹介しきれなかった曲がまだまだたくさんあります。
クリエイターページからCDを購入することが出来るので良かったらチェックしてくださいね。
「そこに生きる人たちの気持ちや覚悟、地元愛を表現したい」
ご紹介した曲は誰かに頼まれて作ったものではありません。
素敵な人たちと出会い、心が揺さぶられた結果自然に生まれた作品たちです。
だからこそぼくたちの音楽“ジオミュージック”では、ヒグマ、流氷、黒曜石、農作物など、北海道ゆかりの音を作曲に取り入れています。
地元愛を音楽に託し、魅力ある地域づくりを次世代に繋ぐミュージシャン
『ホラネロ』
名前だけでも覚えてくれたら嬉しいです!