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洋楽歌詞雑感

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洋楽の歌詞についての私見
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記事一覧

You Gotta Move

 英語版ウィキペディアによると、この曲は人種差別をネタにしたSNSの動画によく使用されてい…

ハル
2か月前
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Route 66

 アメリカの白人ジャズ・ピアニスト、ボビー・トゥループの46年のナンバー。  この曲の冒頭…

ハル
7か月前
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ボブ・ディラン Jolene

 ドリー・パートンの同名の曲があるが、それと同じモチーフがこの曲でも扱われている。同じ曲…

ハル
11か月前

ボブ・ディラン When the Deal Goes Down

 この曲の歌詞は内容のあることを何も述べていない。内容がないことを意図して歌っている。曲…

ハル
1年前

ボブ・ディラン Po' Boy

 最後の節の“Freddy or not, here I come”は、かくれんぼで使われる決まり文句“Ready or n…

ハル
1年前

ボブ・ディラン What Was It You Wanted?

 歌詞の最後にある<Are you talking to me?>は、映画「タクシー・ドライバー」のロバート・…

ハル
1年前
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ボブ・ディラン Jokerman

 この曲のJokermanという題名はjokerとmanという二つの単語を繋げたディランの造語である。jokerもmanもどちらも一般的には「人」を指す単語だから、jokermanの語感としては「冗談好きな人にみえる人」といったような感じになる。この奇妙な語感は「ボブ・ディラン」というペルソナをよく表しているとわたしは感じている。  ロバート・アレン・ジママンとして生まれた青年は、プロとしてのデビュー直後、法律上も改名して「ボブ・ディラン」となった。相当な覚悟で行った行為であ

ボブ・ディラン Tight Connection to My Heart (Has Anyone Seen My Love)

 この曲は「Empire Burlesque(帝国のバーレスク)」という一九八五年発売のアルバムに収録さ…

ハル
1年前
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ボブ・ディラン Señor (Tales of Yankee Power)

 この曲で、「Señor」というスペイン語が使われているのは、かつてスペインの植民地であった…

ハル
1年前
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ボブ・ディラン&ザ・バンド This Wheel’s On Fire

 1975年に発表された2枚組のアルバム「The Basement Tapes」の最後を飾る一曲。ディランの歌…

ハル
1年前
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ボブ・ディラン Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again

 最近、バズ・ラーマン監督の「エルヴィス」という映画を観た。エンディングのクレジットでこ…

ハル
1年前
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ボブ・ディラン&ザ・バンド Tears of Rage

 この歌は父親の立場から娘に語りかけている形式になっている。  曲の冒頭の「独立記念日に…

ハル
2年前
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ボブ・ディラン Like a Rolling Stone

 <She Belongs to Me>というディランの曲は、ディランという男性の中に内在する「女性」に…

ハル
2年前
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ボブ・ディラン Mozambique

 この曲が録音された1975年7月に先立つ、6月25日にモザンビークはポルトガルとの15年に及ぶ植民地解放戦争が停戦となり、モザンビーク解放戦線は独立宣言を果たした。それまで、モザンビークの原住民はポルトガル政府の管理会社によって奴隷以上の強制労働を強いられた。彼らは生まれながらにポルトガル語を公用語とする中で、自分達の言語は失われ、95%は文盲だったという。  この曲の中では、モザンビークが楽園のようなリゾートとして描写されている。実際、ポルトガルの海外州時代は、ロレンソ・