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好きなものを好きと言うのに他人の承認なんか必要ない


と、なんだか強気なタイトルをつけてしまったけれど、これは過去の私に伝えたいことなので、このままにしようと思う。


過去の私は好きなものがあっても人に言えないタイプだった。
厳密に言うと、「誰かが共感してくれると分かるもの」しか好きと言うことができなかった。

その顕著なものが音楽で、ミスチルやドリカムなど、みんなも好きで誰でも知っているアーティストなら大声で「好き!!」と言うことができた。

けれど言ってもみんなが知らないような、いわゆる”マイナー”なアーティストの曲や、知ってるけど曲は知らないといった、そこで話が終わってしまうようなアーティストの事は、どんなに好きでも、人に言うことが出来なかった。


もちろんミスチルやドリカムも大好きだ。


ミスチルの「HANABI」は、夏になると必ず聴く曲だし、ドリカムの「何度でも」に何度だって励まされてきた。

けれど私の中で大ヒットになっている曲のことを口にできないのはもどかしいなとずっと思い続けてきた。



そもそもなんで言えなかったんだろう

好きということは簡単なはずなのに、どうしてこんなに伝えられないんだろうと思った時に、1番しっくりきた答えは「知らないと言われたら、自分を否定されているように感じるから」だ。



趣味嗜好は、あくまで自分の中の一部でしかない。



けれどそれが自分の考えや価値観を構成するのに大きなウエイトを占めていたからこそ、「知らない」もしくは「好きじゃない」と言われた途端に自分自身を否定されたような気がしてしまっていたのだ。



なんて自意識過剰な!と思うのだけど、思ってしまうのだからしょうがない。

だから私はそんな自分を守るために、誰にも言わず、1人静かに自分の世界の中でありとあらゆる音楽を楽しんでいたのである。




カラオケでの出来事


そんな私が親友2人とカラオケにいった時のこと。


当時の私はたとえ親友であっても、自分の好きな曲を言えずにいた。

だからカラオケに行く時はいつもみんなが知っていて、かつ自分が歌えるものをプレイリストとして用意し、そのリストを消化するようにしていた。

いつものようにリストから曲を選ぶ私の横で、親友がふいに「2人とも知らんやろうけど、最近めっちゃ聴いてる曲あって、歌いたいから入れるわー」と言ってリモコンをぽちぽち、と操作した。

曲が読み込まれ、大画面に表示される。

今でも鮮明に覚えているその曲は、前田敦子さんの「右肩」だった。


親友が言うように、私も、もう1人の親友も知らなかったけれど、普通に聴けて、なんならラスサビで口ずさめることに驚いた。

「あ、別に誰も知らなくても歌っていいんだ」



その時初めてそう思うことができた。そしてその時初めて、誰も知らない好きな曲を歌うことができた。



たとえ承認がなくたって



この出来事をきっかけに、少しずつ自分の好きを公言できるようになってきた。


まだ「私もこの人が好きで!!!」なんて熱狂的ファンと出会ったことはないけれど、そんな人と出会えなかったとしても私は変わらず自分の中で楽しめばいいや〜〜と思っている。


そして今改めて思うのは、年齢や経験を重ねる事でそのメロディーの良さがわかったり、歌詞の奥深さに気づけたりする曲があること。


そして、それがたとえ今目の前の人に響かなかったとしても、ふとした時に誰かの頭に浮かんで、役に立てるかもしれないということだ。


時間を超えて、もしどこかの誰かの役に立てるなら、それはそれは素晴らしいことなんじゃないかと思う。


だから誰かの承認がなくたって、共感をもらえなくたって「好き」と公言すること自体に価値があると思うのだ。


最後に私の好きな曲を置いていこうと思う。

必要な時に必要な人に届きますように。

***

▼▼曲名のリンクはすべて各アーティストさんの
公式YouTubeのMVや動画となっています▼▼

indigo la end
「チューリップ」

大失恋した時に聞いて、心に沁みすぎてどうしようかと思った曲。

とにかくMV(ミュージックビデオ)が秀逸。
登場人物の女の子と男の子の感情の移り変わりがグラデーションになっていて、曲の世界観にめちゃめちゃ引き込まれる。

観るたびにちょっとだけ胸が痛むけど、同時に温かい気持ちにもなるそんな1曲。


SCANDAL
「Departure」

就活の面接の前にいつも聞いていた曲。
みんなが当たり前のように内定をもらっている中、桜が散っても内定が出ず、1人もがいていた時に何度もパワーをもらった思い出の曲。

イントロのオルゴールで毎回しょっぱなからやられてしまう。

新しい挑戦の時や、ちょっと気合入れないと!という時に優しく背中を押してくれるので、今でもよく力をもらっている。


moumoon
「声」

発表された当時、何かにひどく悩んでるとか落ち込んでるわけではなかったけれど、心の奥にしまいこんでた自分の心の声を拾われた気がして、とても救われた1曲。

「あなたの声は、ちゃんと聴こえているよ」というメッセージが随所に散りばめられていて、聞くたびに胸がいっぱいになる。

リンクは、MVや1曲配信がなかったので、4曲まとまっている動画から。「声」は動画の15:48〜
ただ4曲とも、かなりおすすめ。



赤い公園
「絶対零度」

とにかく力強く、がつんと勇気をもらえる曲。
「息を吸って吐くことが奇跡なんだとしても」この歌詞が胸に沁みてたまらないのは、このご時世もあるのかもしれない。

昨年10月にメンバーの津野米咲さんが亡くなり、改めて歌詞の意味や曲の持つパワーに惹き込まれている今日この頃。

5/28に解散ライブが予定されているので(オンライン配信もあり)、解散前にぜひ一度赤い公園の持つ独特の世界観に浸ってみてほしい。



DADARAY
「イキツクシ」

DADARAYの魅力は、メロディーや世界観はもちろん、なんといってもボーカルREISさんの唯一無二な声にあると思う。

どこまでも届きそうな伸びやかな声なのに、どことなく影の部分も持ちあわせていて、聞く度にその虜になる。中毒性があると言ってもいいのかもしれない。

そんな声の魅力がより感じられるのがこの曲。一度聴いたら忘れられない深みがこの曲にはある。


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