リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシングの話
たまたま公開日にラジオで特集してるのを聴いて、観に行ってきた。
ロックンロールの祖、リトル・リチャードの生い立ちと生き様を通して考える、音楽と文化と社会。
話してるとこ初めて見たけど、喋り声も歌ってるみたいで衝撃!
これがキングオブロックンロール!かっこよすぎるー!!
ジョージア州メイコン、教会の多い街で生まれた生い立ちから振り返る。
ロックンロールってゴスペルから来てるのか。ゴスペルってあんまりなじみがないけど、すんごいかっこいいね。もうすでにロックだもん。
しかし
黒人だしゲイだし、この人の人生ずーっとハードモード。
たまたまその装備で産まれてきただけなのに、ここまで悔しい思いをし続けなきゃならんのか…と涙。
本当に本当の原点は無かったことにされて
あたかも自分たちが発明したもののように広められていく。
声を上げても届かない。文化の盗用って、ほんとにそう。
彼の歌を白人が歌ったときリズムが取りきれなくてもたついてたところ、
そうそうそうだよ、やっぱり本物には敵わないんだよ!誰にも奪えないものがある!と痛快な気持ちに。なぜかこっちが誇らしくなった。
長年の苦労の末、やっと、やっとの思いで受賞した賞の授賞式の映像にもらい泣き。
常に明るくユーモアたっぷりだしステージでは間違いなくスターなのに、その内側にはめちゃくちゃ辛い思いを抱えていたと思うと涙が出る。
でもね、こんなにも認められるまで時間を要するなんて、良かったねー!だけで済まされないことだとも思う。
今もまだその苦しみは世の中から消えていないと思うと、なかなかにしんどい世の中。
そんな感じで、全編を通して人種差別やLGBTQの問題を全面に出し過ぎかな〜と思ったけど、純粋に音楽はカッコイイからそこは楽しめた。
黒人オンリーの公演にも白人の若者が潜り込んで一緒に盛り上がってたとこ、音楽に垣根は無いんだよな!って胸が熱くなった。
今までの時代と、これからの時代、色々考えさせる内容だったな。
(純粋にロックンロールの源流についての内容を楽しみにしていたからその辺の主張がちょっと強過ぎてウッとなってしまった感はある)
あと所々に差し込まれる変なCGがちょっと気になったけど笑、まぁあえてダサくしてるんだと思えばあの演出も飲み込む。
原点こそが頂点!
ブラックカルチャーに敬意を!
そんなことみんなわかってるはずなのにね。
ずっと弱い者の声は抑え込まれてきた。
そんなに叫ばなくても、あらゆる世代にめちゃくちゃ影響を与えたことはみんな周知してるよー、安心してー!!
間違いなく、誰もが憧れるスーパースター。
いろんなことを考えさせてくれる映画だった。
「R&Bの赤ん坊がロックンロールなんだ」