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掌篇集

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詩、掌篇。または吉田悠軌さん作『一行怪談』のオマージュ。 気が向いたら続きを書く。
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#一行怪談

道端に転がる動物の死骸を覗いてみると、開かれた腹の内には単三電池が整然と並んでいた。

今日はどのテレビ番組をみても、演者の一人に全身が焼け焦げたように真っ黒のマネキンらしきものが紛れ込んでいる。

公園で遊んでいる子供のひとりに「つぎはあなたが鬼」と言われた瞬間、みるみる肌が変色し額から骨のようなものが生えてきた。

不注意で落とした赤べこの首が折れ、むきだしになった胴体のなかから同じ顔をした小さな首がわらわらと這い出してくる。