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マイナンバーカードと保険証:トラストサービスの視点から最適な姿を考える #未来のためにできること

マイナンバーカードを保険証として利用することについては、既に事故・詐欺も発生しているようですが、政府は、これを強行しようとしています。
対策が充分でないまま強行するのは現政権ならではです。最大限の配慮をもって十分に注視していく(放置プレイ)以外は、どうせ何もしないのではないか?という不安を掻き立てることには成功しているでしょう。

しかし、これ、どうすればよいか、いまいち議論が深まっているようには見えません。そこで、これを、デジタル法制の整備という観点から見直してみようと思います。

1.デジタルに関する法制度 ~ID管理とトラストサービスは別物

デジタルに関する法制度としては、国際連合がモデル法を2023年に作成しました。ここで大切なのは、ID管理(アイデンティティ管理)とトラストサービスは別物として規定されているところでしょう。これが世界の趨勢ということを理解しておきましょう。

〔参考〕国連国際商取引法委員会(UNCITRAL:United Nations Commission on International Trade Law)のHPで公開されたモデル法

https://uncitral.un.org/sites/uncitral.un.org/files/report_e_55th_session.pdf

モデル法の概略は、日本側の委員を務められた小出篤教授(早稲田大学)の講演で話されています。

大塚商会のHPにも、詳しく書いてありますね。

2.ID管理とトラストサービスの関係 ~ホテルと商店街を例に

ID管理はまだしも、トラストサービスなんて、聞いたことがないという方も多いと思います。イメージで考えた方が明快です。

外国人がホテルに泊まる場合、パスポートをホテルに見せ、クレジットカードを登録しています。これが本人確認であり、ID管理です。

ここで、仮に、近隣のレストランや美術館といった施設がホテルと提携していて、部屋付で入場や食事、買い物が出来るとしたらどうでしょう? 

各施設にホテルのカードキーを見せて、レシートに署名すれば、その情報がホテルに自動的に飛んでいて、部屋付でクレジットカード決済できたらどんなに便利でしょう?

この場合のホテルと近隣各施設との情報連携がトラストサービスです。
各施設でいちいちID管理をしなくても、どこかで確認されたID管理を信じて(トラストして)活動できるようにするのが、トラストサービスの真骨頂です。

その意味で、デジタル時代(パスワード管理が複雑になる時代)だからこそ、安全・安心にサービスを受けるための仕組みとして、トラストサービスは重要性を増しているのです。

3.保険証というシステム

保険証というシステムは、トラストサービスという意味では、よくできた仕組みです。

保険証は、健康保険被保険者証といい、その名の通り、健康保険組合に加入したことの証明書です。

国民皆保険という仕組みは、1961年(昭和36年)にスタートしました。逆に言えば、それまでは、国民のほぼ1/3にあたる3000万人程度が、適切な医療を受けられておらず、社会問題化していました。

国民皆保険制度の制度下で、健康保険組合、協会けんぽ、共済組合または国民健康保険などが保険証を発行しています。

各社の人事部や役所がID管理を行い、そこに基づいて、各社に付属する健康保険組合や国民健康保険が保険証を発行しています。そして、国民誰もが、保険証1枚あらば、必要以上の個人情報を出すことなく、どの医療機関にもかかることができるのです。

保険証システムは、最高のトラストサービス制度といって問題ないでしょう。

4.マイナンバーカードの保険証利用の意味

マイナンバーカードは、パスポートと同様、既に国民が国家によって割り振られた自らの番号を証明する本人確認手段です。つまり、ID管理サービスで必要となるものです。

保険証を廃止し、マイナンバーカードをその代わりに利用するということは、トラストサービスを無くし、病院に必ず毎回ID管理を行うよう義務付けることになります。

尚、マイナンバーカードにある情報には、氏名・生年月日・性別・住所、電子証明書の発行年月日・有効期間の満了日、電子証明書の発行者などが含まれています。しかし、自分がどの健康保険組合に属しているかといった情報は含まれていません。

5.必要性についての疑問

(1) 議論のための仮定

以下の議論にあたっては、以下の2つの仮定を置きましょう。

1.デジタル時代だからこそ、ID管理とトラストサービスを峻別し、トラストサービスを拡大することで、デジタルサービスの利便性を高め、人々が快適に暮らしやすくする社会をつくろう、というのが、一般の国民の求めているところだと仮定します。(私の求めていることに、皆さんを合わせてみました。)

2.デジタル時代だからこそ、手触りのあるアナログ=デジタルの融合した(アナ・デジ融和的な)サービスが求められている。

〔参考〕日本経済新聞 記事 2024年4月27日https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD034B00T00C24A4000000/

(2) マイナ保険証の無意味さ

そうしますと、国民皆保険・保険証というシステムがいかに優れているかわかると思います。

保険証カード自体は手に取れるようになっているアナログ仕立てですが、多くの場合、健康保険ごとにデータはデジタル管理されています。また、健康保険証は落としても本人確認(ID管理)の道具としては効力は限定的で、他の詐欺などに使われる可能性も低い、ということが確認できるでしょう。

この保険証を仮に改善するとしても「紙の保険証」を廃止し、マイナンバーの一部情報(証明書の有効期限など)と紐付けできるようなデジタル対応保険証を制度化するかどうか、くらいしかないでしょう。(その際は、マイナンバーには、納税情報、社保の支払い情報、主勤務先なども登録できていると、より実効性は高まるでしょう。)

しかし、いま目指されている政策は、トラストサービスを崩壊させて、毎回のID確認・管理を徹底させるというものです。つまり、「病院に向かう人間を襲えば、その人間のID管理票を奪うことが出来る」と犯罪者・外国人犯罪者に伝え、強盗や偽造などの犯罪をそそのかしているのと同じです。

〔参考〕東京新聞 記事 2024年5月15日

〔参考〕東京新聞 記事 2024年5月28日

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デジタル化推進のためにマイナンバーカードを普及させたい。
→ カードを普及させるために、保険証を禁止する
→ 保険証(日本の誇るトラストサービス)を破壊することで、デジタル推
進にとって必要なトラストサービスのユースケースを失う

→ 医療サービスが悪化し、社会不安が増大する
→ 他分野でも、デジタルサービスの開発の方向性を見失う
→ ID管理だけが暴走するが、少人数国家である日本のサービスは育たず、海外のシステムが日本に次々と導入されるようになる
→ 海外システムから漏れる部分はアナログ対処するしかなくなる
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という、おバカな悪循環ループに入っていませんか?

タンス預金を預金を解消するために新札を発行して旧札の流通を制限する、というのと、マイナンバーカードを普及させたいために保険証を禁止する、というのが同じような発想でなされたのではないかとゾッとします。
トラストサービスが裏にあるかどうか、デジタル人材なら気づく・・・よね? 気づいているよね・・ きっと・・・

日本政府には、デジタル大国を目指そうという気がない、という意思表明のように思えてならないのです。ものすごい損失ですし、日本の将来に対して非常に危機感を覚えます。


尚、上記で書いたことは、現在報道されているような「ID管理のための読み取り機(リーダー)が不全で医療を受けられない高齢者や被災者が発生している」という問題とは別の(より本質的な)問題です。(とはいえ、これはこれで、とってもひどい話なのですが・・・)

〔参考〕東京新聞 記事 2024年1月31日

〔参考〕読売新聞 記事 2024年5月6日


6.今後の展開予想

マイナ保険証を導入することで、発生することは明快でしょう。上記のループの通りだと思います。

社会的混乱・不安は増大するでしょうが、そこで生じる不安を解消するには、マイナンバーカードに付随した「保険証もどき」(トラストサービス)を発行して、健康保険、医療関係者と患者との間を正常につなぎなおすことが先ず求められるでしょう。この点が、日本のメーカーのビジネスチャンスになるといいと思います。

しかし、マイナ保険証を推進した議員が跋扈するうちは、こういった活動は妨害されるかも知れません。むしろ、スマホに保険証を入れればいいとうそぶくかも知れません。(震災とかで電源が落ちたら、どうしようもないだろうが、という話。) その場合、社会不安は増大することになるでしょう。

そうすると、選挙対策などのために、警察・警備会社を無軌道に増強することに政策が偏るかも知れません。

(デジタル化=監視社会化で、安全安心を守ります、という、ジョージ・オーウェルのディストピアSF小説『1984』のような世界が現出するかも知れない、ということです。)


う~ん、、、暗い予想になってしまった・・

そうならないようにするためには、今現在から、日本の警察や自衛隊、人事院の人員増強・組織強化を予め計画的に図っておくことが重要です。(安倍政権の前に戻しつつ、公安や軍事の予算は増やすということですね。)また、その一歩として、警察力の健全な増強のための連携サービス等も、喫緊で必要とされているように思われます。

#厚労省と警察 、もっと頑張れ! 応援しているよ!
#あなたたちがやっていること 、やってきたことはすごいことなんだよ!
#自信をもって 、日本の将来のために頑張ってくれ!


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