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自己紹介|はじめてのnote

はじめまして。(株)Canvas 代表の藤井寛幸です。

いち作業療法士から経営者として独立し、今年で4年目を迎えることができました。

作業療法士」と聞くと
“病気やケガを負ってしまった時、病院や施設でリハビリをする仕事”
一般的には、そのようなイメージを抱かれていると思います。

もちろん、それもひとつの姿です。
私自身もこれまで回復期の病院や訪問リハビリの現場でキャリアを歩んできました。

しかし今、病院や施設という現場、つまり従来の「医療・介護保険制度」の枠組みを超えて作業療法士の貢献できる分野・領域を広げる働き方が社会に求められるようになったと感じています。

いま私が(株)Canvasで取り組んでいるのは作業療法士としての“働き世代のヘルスケア支援”。


「職業病」を作業療法の観点から分析し、企業の健康経営を支援する「しあえる」という共創型コンサルティングサービスを展開しています。
この「しあえる」のビジネスモデルには日本各地から大きな反響があり、現在は30都道府県で「しあえる」事業のフランチャイズ化を進め、健康経営支援事業を全国に広げていく取り組みも行っています。

このnoteでは、これまで私が実践してきたさまざまな企業や地域での共創事例を紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


個人の健康づくりと「健康経営」にはどんな関係があるのか?


「腰が痛い」
「ひざが痛い」

多くの作業療法士が現場で患者様と接する中で、こうした慢性的な身体の痛みはもっとも多く聞かれる声であると思います。

こうした悩みの原因は、実は「年をとったから」ということだけではありません。

慢性的な身体の痛みは、若いうちからの(特に仕事に関わる)動作や姿勢の積み重ねによって生じているものなのです。
これらは「職業病」と呼ばれて企業内で認知されながらも、多くの場合、それは従業員個人の問題とみなされ、放置されやすい課題です。

私は作業療法士として地域の方々のリハビリを経験する中で、痛みで日常生活に支障をきたす前の段階、つまり「働き世代」の職業病に対するアプローチが根本的な解決方法ではないか、と感じるようになりました。

身体の支障は個人の生活の妨げになるだけではなく従業員の欠勤にもつながり、企業全体の生産性の低下を引き起こします。

「しあえる」でアプローチするのは痛みそのもののケアだけではありません。
企業の労働衛生上の問題を分析し、その解決策を経営者・従業員と共に導き出し、解決に向けた仕組みを習慣化することで多くの企業で労働損失額の減少と売上成績向上の実績をあげています。

「しあえる」は健康経営にどうアプローチするのか?
「しあえる」では、1つの企業に対しておよそ1年をかけて

1 原因分析 …労働損失額の可視化、現場ヒアリング、従業員のフィジカルチェック
2 現場介入 …ワークショップの実施、姿勢・動作の指導、体操指導、個別サポート
3 検証報告 …回避できた労働損失額の算出、成果や今後の指針をまとめたカルテ提出、アフターフォロー案の提示

というサービスを提供します。

特に現場への介入(※介入とは理学・作業療法でよく用いられる言葉で、対象となる人や集団に療法士が働きかけることを意味します)にあたっては現場で培ってきた作業療法の強みを活かしたアプローチを多く取り入れています。
(※詳細なフレームワークは、拙著「働く人と「ともに創る」作業療法(2023):https://www.hanetama.net/canvas 」にまとめています。興味のある方はご一読ください)

企業の健康経営は、言わずもがなですがトップ(経営者)がやる気にならなければ始まりません。
まずは経営者と対話して現場の問題を整理し、「従業員個人の健康支援の成果」と「経営者の求めている成果(多くの場合、売上成績の向上)」が結びつくアクションを導き出していく必要があります。

いざ企業の中に入ってみても、従業員の方々の健康に対する意識はさまざまです。20代くらいの若い世代だと「自分には症状がないから関係ない、必要ない」という声も聞かれます。
逆に、50代では「薬でしか治せない、セルフケアでは改善しない」という諦めの思いを抱かれている方が多いです。

その中で、もっとも健康に対する意識を高く感じているのは30~40代の方々です。痛みや悩みを感じながらも「仕事を長く続けていきたい、身体を壊したくない」という認識を持っています。

こうした従業員の皆さん、そして経営者を交えたワークショップや個別での介入を通じて、私たちコンサルタント側の押しつけではなくクライアントと「共に創る」解決策を1年間かけて立案・実施していきます。
朝礼での健康体操の導入や健康管理委員会の設置、環境調整・動作指導に至るまで、企業ごとに形はさまざまですが“持続的に会社全体で健康の意識を高める”風土づくり"を目指しています。

「しあえる」事業の今後の展望は?

これまで建設業を中心におよそ50の企業で「しあえる」を導入していただきました。

その成果が認められ、

・厚生労働省 島根労働局が運営するSafe (セーフ) 協議会にて「しあえる」サービスが衛生管理事例として推薦

・(公財)全国法人会総連合が主催する「健康経営大賞2022/2023」において、「しあえる」の導入事例(株式会社きこり様、足立石材株式会社様)が部会員企業部門の最優秀賞、優秀賞を受賞

・地域産業の発展や新たなビジネスの創出に寄与したことを記念して島根県松江市からツームストーンを授与

・弊社が経済産業省(中小企業庁)から地域の社会課題解決を担う「ローカルゼブラ企業」として紹介

と、従業員へのヘルスケアと企業活動の向上を結びつけた「しあえる」の独自性と実績が全国的にも評価いただきました。

そして現在は、事業に関心を持っていただいた理学・作業療法士、医療関係者の方々を対象としたフランチャイズ事業も行っています。

フランチャイズといっても店舗を展開するものではありません。
弊社が理念としているのは「地域の課題は、その地域の風土や暮らしに根づいている個人・企業が解決する」こと。
他地域の法人とフランチャイズ契約を行い、サービスの提供体制の整備・プロモーション・関係機関の連携体制構築など、健康経営事業を提供可能な体制に整えるまで、一方的な指導ではなく共創型のノウハウ共有を行います。

現在は主に地域の訪問看護ステーションやデイケア施設、整体院、就労支援事業所、健康経営で起業を目指す理学・作業療法士といった30の法人や個人と契約を結んでいます。

もちろんこれらの事業は医療・介護保険の適用外。
病院や施設で待っていれば患者さんや利用者さんが来てくれるというものではありません。
むしろ、初めは「そんなサービスの必要性が分からない、うちの会社には必要ない」という認識からスタートすることも珍しくありません。
健康経営支援事業をはじめるにあたっては、自分たちが提供できる専門性を経営者の方々に理解してもらうために「自ら顧客をつかみに行く」攻めの姿勢が求められます。
いかに健康経営の重要性を「身体の好転的な変化」、そして「経営指標の数値の向上(労働損失額の減少、売上向上)」として経営者や従業員の皆さんに実感していただけるか。

地域ごとの文化や産業構造に即した健康経営支援の枠組みを構築し、事業サイクルを確立するスタートアップにしっかりと伴走しています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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